Cinema No. 344

犯罪・バイオレンス

August 17, 2004

Legend of Mexico

ジョニー・デップ、アントニオバンデラス主演、「レジェンド・オブ・メキシコ」を観た。

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これまたくだらない映画を観てしまった。誰かが面白いと言っていたんだけど。ギャグもいまいちだしストーリーもあってないようなものだし、悪役もあんまり強くないし、全てが中途半端な映画でした。

デップ目当てに観ようと思う女性ファンの人でも、これは期待はずれに終わると思う。

好み評価:☆

Matchstick Men

ニコラス・ケイジ主演、「マッチスティックメン」を観た。

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リドリースコット監督作品なんだけど、詐欺師の親子の交流を描く。観終わってみればワンアイディアを2時間かけて演出しただけの映画なんだけど、そのワンアイディアをよくあそこまで活かしたなと、そのへんに少し感心。でもあんま面白いとは思わなかったな。

好み評価:☆☆

Mystic River

クリント・イーストウッド監督作品、「ミスティック・リバー」を観た。
主演:ショーンペン、ティムロビンス、ケビンベーコン

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貧しい町に育った三人の幼馴染は忌まわしい事件によって引き裂かれ、25年後、殺人事件の捜査を担当する刑事と、その被害者の父親と、容疑者として再会する。
全体に、息が苦しくなるような喪失感と怒りが充満していて、終始落ち着いた映像で、物語は陰鬱に、危険な方向に転がっていく。

サスペンスっぽい展開をするけど、人間のダークサイドを描き出した人間ドラマがメインと思われる。

とんでもなく作りこまれた力作。だけど、重い。
すべてのシーンが慎重に描かれて、プロットも巧妙で観る者を引き込むし、役者さんたちの演技も素晴らしいけど、観た後の不快感からやっぱりこの映画を評価することができない。

クリント・イーストウッドが監督としてもここまで出来るってことが驚き。すでにアカデミー賞を受賞しているイーストウッドだけれども、立て続けに傑作を生み出すってのはただ事じゃない。この映画では更に驚いたことに音楽も担当していた。そっちのほうは大して印象を残しているわけじゃないけど、映画のために生まれてきたような人なんだろうなぁと恐れ戦いてしまいます。

好み評価:☆☆☆1/2

July 15, 2004

Kill BIll vol.1

クエンティン・タランティーノ監督作品、「キル・ビル vol.1」を観た。
主演:ユマ・サーマン

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これは凄い。感動的なほどのイカレバカ映画だった。もうホントバカ。このバカさに笑えるかどうかで賛否が分かれるとこなんだろう

映画マニアなら楽しめるというか、日本のC級映画マニアじゃないと分からないネタが多すぎる。その一部を紹介。(ストーリーには触れてないのでご安心を)

・まず深作欣二に捧ぐ、と出てくるところ。そこから連想するとおり任侠の世界が待っている。

・深作繋がりでは、キルビルと言えばあの音楽、と言えば多分分かる、トレーラー等にも使われていた布袋寅泰作曲の「新・仁義なき戦い」のテーマ。

・タイガーマスク等の時代のアニメを彷彿とさせるオーレンイシイ(石井お蓮?)の少女時代。しかもこれ、スタッフロールで、製作「プロダクションI.G」(押井守のイノセンスを製作したとこ)とあったからびっくり。さらにメイキング映像に出てきたんだけど、キャラクターデザインが田島昭宇(漫画、MADARAや、多重人格探偵サイコを書いてる人)というのでさらにびっくり。このこだわりようが凄い。

子連れ狼みたいにバッサリ斬って血が吹き出る。

・なんか少年ナイフを彷彿とさせるバンドが出てきた。

・劇中演歌が流れる。スタッフロールでも流れる。その「恨み節」という曲は、修羅雪姫という復讐劇のテーマ曲だったとか。見てないけど内容は知ってる。原作は漫画で、子連れ狼書いた人。あらすじを改めて見ると、オーレンの人物自体が修羅雪姫のオマージュみたいだ。

・途中物凄くタイムリーなことに「リリィシュシュ」の歌が使われていた(前日に「リリィシュシュのすべて」を観ていた)。

あと他にも色んな映画から、香港映画やメキシコ映画なんかからも取ってるらしい。

メインのターゲットであるアメリカ人の九割九分九厘が面白さの大部分を理解できないのでは。そういう自分も元ネタのほとんどを知らないわけで、その意味で全く楽しめていない部類なのかもしれないけど。

けど、単なるオマージュの切り集めというには上手すぎる繋ぎ。映像も綺麗だし、オマージュのシーンも、元ネタを知らなくても笑いを誘えるほどの極端さとバカバカしさ。

個人的にこの作品ではオーレン演じるルーシー・リューがかなり良かった。これまでのイメージからか、日本語を喋るリューを観ているだけで感動がある。しかもサーマンと比べて際立って発音上手いし。サーマンが中国やヨーロッパの剣術っぽい動きをするのに対して、リューがかなり伝統的な殺陣をやってのけていたのも感心した。
雪の上で着物のリューが刀を構えるシーンなんて美しすぎる(どうしてもこれをやりたかったんだろうな、タランティーノ・・)。ラストのシーンにはコメディ出身だったことを思わず思いださせられたけど。
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とにかくこのバカさにかなりスカッとさせてもらったので、この映画にはかなり満足しています。vol.2も楽しみ。

最後にネット上で拾った日本版キルビルポスターを。

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僕は邦題作るなら、「斬るビル」かと思ってたけど、これ↑のほうが秀逸ですな。

好み評価:☆☆☆☆

May 14, 2004

Innocence

イノセンス。押井守監督作品。

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とにかく映像と演出と音響の凝り様ったらこれ以上ない、ってくらい。もう素晴らしすぎる。画質あまりよくなくて、音もドルビーデジタルでもなんでもない古い映画館だったのが心底悔しかった。これは是非カンヌでもパルムドール取って欲しいな。

あと、伊藤君子が歌う主題歌「Follow Me」がいい。わりと名前を聞くジャズシンガーだけど、曲は聞いたことなかった。

いい映画はいい音楽がついてくる。

好み評価:☆☆☆☆

May 04, 2004

攻殻機動隊

攻殻機動隊。押井守監督。1995年。

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中学の頃観たことがあったはずなのだが、ほとんど内容を覚えていなかったため、再度鑑賞。


内務省直属の独立部隊公安9課,通称「攻殻機動隊」
主人公草薙素子は脳と脊髄以外「義体」化されている9課のリーダーでもあるサイボーグ刑事。さまざまな人間の記憶や行動を,脳をハッキングすることで操るという特徴的な犯行スタイルで怖れられる「人形使い」との戦いから、生命って何?みたいな疑問を投げかける。

ウィキペディアの説明はこんな感じ

95年のアニメってこんなに凄いんだな、と唸らせられる力作。マジ感動。ストーリーや設定の細かさがなんかわくわく感を煽る。

観たことあったはずなんだけど、2,3のシーンしか覚えていなかった。寝てたんだな、きっと。こんなにおもしろいのに・・・

好み評価:☆☆☆☆1/2

March 30, 2004

The Matrix

The Matrix、邦題「マトリックス」
キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー・アン・モス。

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99年、僕が高3の春の作品、ニューヨークで上映が開始されたその日に見に行った。
4年前の作品なのに、今見ても凄い映像だ。スタイリッシュ。

終わった後に自然と笑みがこぼれる。非常に楽しめた証拠。これもまた素晴らしい作品。

好み評価:☆☆☆☆1/2

The Matrix Reloaded

The Matrix Reloaded、邦題「マトリックスリローデッド」

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楽しかったけれど、内容薄かったなぁ。
とにかくこれを見てしまったがために、完結編であるRevolutionsも見ることを
宿命付けられた。

好み評価:☆☆1/2

The Matrix Revolutions

The Matrix Revolutions、邦題「マトリックスレボリューションズ」

今回あまり活躍しなかった二人。
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なんというか、やはり、第一作目だけがA級の映画だな、と。
これも楽しかったけどね。

好み評価:☆☆☆

Road to Perdition

Road to Perdition、邦題「ロードトゥパーディション」
トム・ハンクス主演。

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この映画、上映当時に、年に数回しかメールしないオハイオの友人が「日本でも上映されたら必ず見ろ!」と、それだけ言うためにメールをよこしてくれてたほどなので、気になってた作品。先日のおちゃー姉さんのお勧めセレクションにも含まれていたし、借りてみた。

父子の絆を描くマフィアモノ。ハリウッドのマフィアものだけど、バイオレンスのシーンは極力抑えられていたように思う(人はばったばったと死ぬわけだけど、地味な演出だった)。BGMも終始落ち着いた音数の少ないピアノの旋律。落ち着いた映画だった。それだけに後味も落ち着いた、じんわりいい印象を残す。

それにしても心残りは、日本語吹き替え版を借りてきてしまう、とうい大失敗を犯してしまったこと。日本の声優さんもいいけどね、やっぱトムハンクス生の演技を聞きたかった。

好み評価:☆☆☆1/2

無間道

トニーレオン、アンディーラウ主演、「インファナルアフェア

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原題は「無間道」。仏教用語の無間地獄から来てる。無間地獄は確か一番最下層の地獄で、作中のメッセージにもあるけど、ずっと続く苦しみを味わうところ。infernal affairsは直訳すれば地獄の出来事、でちょっとタイトルと内容を結びつかせ辛いけど、英題のほうが響きはいいな。

とにかく脚本が凄い。警察とマフィアの対決モノなのに、アクションシーンが殆ど無い。それなのに物凄い緊張感。演出と脚本と複線の使い方が巧いからだろう。そして役者が渋い。ケリー・チャンとか主人公周りに何人か女優出てくるけど、はっきり言っていらない。この作品で初めてケリー・チャンちょっとかわいいと思ったけど。

プレビューで出てた次回作にも期待。

と思って今調べたらこれ三部作なのね。流行ってるのかな三部作・・・
一応三部で完結して、無間道3も香港では上映されたみたいなのであとは日本での公開を待つだけ。あー続き物は全部出てから一気に観るのが好きだったのに・・また吹き替え版借りてきてしまったし。

いずれにしろ、香港映画が久しぶりにやってくれました。

好み評価:☆☆☆☆

March 29, 2004

Training Day

Training Day、邦題「トレーニング・デイ」
デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク主演。
麻薬捜査官の新人がベテラン捜査官にくっついて仕事を覚える一日を描いた作品。始めは厳しいが物凄い有能な警官っぷりを発揮するベテラン捜査官だが、次第に自らの職権を濫用しまくる極悪警察官だということがわかってくる。新米刑事にも数多くの災難が降りかかる。内容が濃くて、様々なエピソードが織り交ぜられて、見終わった後にこれが一日の出来事か、と唸ってしまう。内容はありとあらゆる犯罪の嵐で怖くなってくるけれども、一瞬も気を抜けない展開に引き込まれる。犯罪モノが嫌いでなければお勧め。

好み評価:☆☆☆☆

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