ジム・シェリダン監督作品、「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」を観た。

この映画は本当にいいですよ皆さん。
物語は監督の実際の体験を下に、監督と娘二人の三人で脚本を書いたという極めて私的な作り。だけど、それだけに丁寧に作りこまれ、強烈なメッセージが伝わってくる。
職を求めて、アイルランドからカナダを経てアメリカに不法入国した父、母、姉妹の四人家族。実はこの家族、幼い末っ子の弟を亡くしている。その家族が、貧しい暮らしの中で、心優しい隣人マテオとの触れ合いや、新たな妊娠などを経て、それぞれの傷を隠しながら立ち直ろうともがく現代の寓話。
キャストは、お父さん役の人は見たことなかったけど、お母さんはMinority Reportの預言者アガサ役だった人。子役の二人は実の姉妹で、この子達はまさに天才!この映画の魅力の半分をこの子達の演技が担っているといっていい。そしてとても可愛らしい。この可愛らしさが見る人をストーリーに引き込んでいくんでしょう。
マテオ役の人はどこかで見たな・・と思って調べたら、なんとアミスタッドであの有名な、
「ギブズ、アズ、フディー!!」
を叫んだ奴隷のリーダー役の人だった。素晴らしい演技ですよこの人。
息子の死で魂が死んでしまったという父。役者を目指すが、演技に魂が入らず、芽が出ない。神を呪い、涙も出ない。それでも、娘達のために幸せを演じ続ける父親。見ているだけで痛い。
大切な人の死。夫の目に、死んだ息子の目を見てしまい、まともに見つめられない。これはどれほどの苦しみだろうか。
常にビデオを回し続ける少女。辛い現実を虚構の世界のようにフレームに収めることで、その辛さから逃れようとしている。録画されたテープのなかには弟が生きていた頃の幸せな日々。けど、彼女の純粋な心が、半分ファンタジー、だけど半分リアルな力で、家族を守る。
そう、この物語、超常的なことは何も起こらないけど、ファンタジーなんだ。そして、ファンタジーを信じることで、傷を乗り越えていく。喪失と再生を、最後まで丁寧に描ききった傑作です。
途中、スピルバーグのE.T.のオマージュ的な演出が随所に入るんだけども、この映画を観て初めてE.T.の真相を知る。
劇中、幼い妹がE.T.の映画を観た後に、「E.T.は天国に行ったんじゃなくて、おうちに帰っただけなの!」と力説するシーンがある。これって、普通なら天国に行ったと解釈するところだよ、ってことですよね。僕もこの妹と同じようになんの疑いもなくただおうち帰っただけだと思っていた・・・これは結構ショックでした。
好み評価:☆☆☆☆1/2
千年女優。英語版は「Millenium Actress」
今敏監督作品。


いやー感動した。
前半は正に「映画」を感じさせる娯楽作品という感じ。後半は一気にこれでもかというくらい切ない。映像と音楽が綺麗で、登場する様々な時代風景(中世、幕末、明治大正、戦前戦中戦後、現代、近未来)やその時々の衣装も美しい。スピーディーに切り替わるリアルと虚構、現在と過去の混合、と構成が面白い。
おばあちゃんになっても素敵な女性が、初恋を語るってだけで良いよね。
映画が終わる頃、もう終わっちゃうの?と名残惜しくなる。
ラストは、一瞬びっくりするけど、考えると、やっぱあれでいいのかも、と思う。
2002年にドリームワークスから世界配給もされてたみたい。
英語版オフィシャルサイト「Millenium Actress」
好み評価:☆☆☆☆1/2
黄泉がえり。

草薙剛、竹内結子主演。
柴咲コウが劇中に歌手「RUI」として歌った「月のしずく」が凄くヒットしていたのを思い出す。結構好きな歌だったな。
舞台は阿蘇。死者がそのときのままの姿で次々と生き返ってくるという現象が起こる。自分よりかなり年下の「兄」が生き返ってきたり、出産と同時に死んだ母が成長した娘と同じくらいの年頃で再会したり、生き返ってくる場面だけでかなり泣ける。
けどやっぱりただ生き返ってくるだけ、ってわけはなく。
一瞬ホラーなのかと思ったけど、そんな要素は全然なくて、とても切なくて悲しい話だった。
好み評価:☆☆☆
感動したけど、☆三つな理由はちょっとネタバレなので下に。
続きを読む...
主人公クラス、特にヒロインが死ぬともうかなりやりきれない気持ちがずるずると残るので、好きになれません。
「世界の中心で愛を叫ぶ」が好きになれないのも同様の理由から。
...元に戻す
The Lord of the Rings、邦題「ロードオブザリング」
イライジャ・ウッド主演。

どうしよう。つまんない、この映画・・
「王の帰還」の評判は物凄いし、「二つの塔」まで見た人も、おもしろいと言っていたから、この先どんどんおもしろくなっていくことを期待しよう・・・
好み評価:☆
The Two Towers、邦題「二つの塔」

段々盛り上がってきたかな、という感じ。
ただ、3時間は長かった・・・
なんか、原作を知らないでいると話についていけません
好み評価:☆☆
ロードオブザリングトリロジー完結編、「王の帰還」

第一作目と二作目で不発かな、と心配したけど、やはり最後は期待を裏切りませんでした。3時間40分通して楽しめた。製作者達に拍手を送りたい。
つっこみどころも相変わらず多くて、それをとても楽しめるのがこの作品のいいところかも知れない。
好み評価:☆☆☆☆
Legend, 邦題「レジェンド −光と闇の伝説−」
小さい頃に親父と見てとても好きだった映画なんだけど、今調べてみると、何気に監督はリドリー・スコットで主演はトム・クルーズっていうとても豪華な映画だったんですね。
真っ赤な悪魔や真っ白いユニコーンが出てくる、まさにファンタジーという内容。話を全く覚えていないから、今度また見てみようかな。
記憶に薄い映画は印象点。
好み評価:☆☆☆1/2