August 17, 2004
深津絵里主演、「(ハル)」を観た。
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深津絵里はもともと好きな女優さんで、今でこそおもろ可愛いという印象の人だけれど、この映画の中の深津絵里は美しい!
96年の映画で、まだネットが、インターネットではなく、「パソコン通信」だった時代の話。映画関連のチャットルームで知り合った(ほし)と(ハル)が、メールによる交流を初め、メール友達ならではの距離感を保ちながら、それでいて段々とお互いの存在を大きくしていく過程を描いた物語。
映画の大部分でメールやチャットの内容をそのまま画面に載せて観客に読ませるという面白い手法をとっている。
高校野球のヘルメットのよこに常に置かれている村上春樹の「ダンスダンスダンス」が度々スクリーンに映るのが印象的。
宣伝や評判を見ているとラブストーリーとして扱われているけど、自分にはこれは友情のストーリーに見えた。友情と、コミュニケーションというコトに主眼を置いたドラマ。恋愛という要素がないわけではないが、それはメインのメッセージではない気がする。
すっきり気持ちのいいドラマ。
好み評価:☆☆☆
「化粧師 -KEWAISHI-」を観た。
出演:椎名桔平 、菅野美穂 、池脇千鶴
監督:田中光敏

素晴らしい。キャストを見て微妙かな、と少し思ったけれど、期待を裏切らなかった。椎名桔平の演技好きかもしれない。菅野美穂も相当微妙な役所をよくぞここまで、というくらい好演している。
展開は王道だけど、物語を引っ張るのが化粧によって女性の心を開く寡黙な化粧師(けわいし)というところが斬新で、何より映像がとても綺麗。大正の町並みと人々の衣装の色鮮やかなこと。
しかしこの物語のベースとして否応無く存在し、男である自分には奇妙に印象に残るのが、本能にも近い、女性の持つ美への憧れ。この映画を見る限り、それはほぼ普遍的な価値に思えてくる。なんなんだろうこの強い感情は。その憧れへ向かって少しだけ背中を押す化粧師。その感情を想像しながら物語を追う。ところどころ少々その心境の変化は強引じゃね?という部分もあるけど許せる範囲ではないかと。
いつのまにかこの大正の世界に引き込まれて、泣かされてしまう。
日本もいい映画あるなぁ、と思わせる一作。
ちなみに。エンドロールで知った、原作は石ノ森章太郎。長編漫画を映画化したのだった。どおりで途中強引な展開があったわけですね。
好み評価:☆☆☆☆
May 14, 2004
イノセンス。押井守監督作品。

とにかく映像と演出と音響の凝り様ったらこれ以上ない、ってくらい。もう素晴らしすぎる。画質あまりよくなくて、音もドルビーデジタルでもなんでもない古い映画館だったのが心底悔しかった。これは是非カンヌでもパルムドール取って欲しいな。
あと、伊藤君子が歌う主題歌「Follow Me」がいい。わりと名前を聞くジャズシンガーだけど、曲は聞いたことなかった。
いい映画はいい音楽がついてくる。
好み評価:☆☆☆☆
May 04, 2004
攻殻機動隊。押井守監督。1995年。

中学の頃観たことがあったはずなのだが、ほとんど内容を覚えていなかったため、再度鑑賞。
内務省直属の独立部隊公安9課,通称「攻殻機動隊」
主人公草薙素子は脳と脊髄以外「義体」化されている9課のリーダーでもあるサイボーグ刑事。さまざまな人間の記憶や行動を,脳をハッキングすることで操るという特徴的な犯行スタイルで怖れられる「人形使い」との戦いから、生命って何?みたいな疑問を投げかける。
ウィキペディアの説明はこんな感じ。
95年のアニメってこんなに凄いんだな、と唸らせられる力作。マジ感動。ストーリーや設定の細かさがなんかわくわく感を煽る。
観たことあったはずなんだけど、2,3のシーンしか覚えていなかった。寝てたんだな、きっと。こんなにおもしろいのに・・・
好み評価:☆☆☆☆1/2
April 25, 2004
千年女優。英語版は「Millenium Actress」
今敏監督作品。


いやー感動した。
前半は正に「映画」を感じさせる娯楽作品という感じ。後半は一気にこれでもかというくらい切ない。映像と音楽が綺麗で、登場する様々な時代風景(中世、幕末、明治大正、戦前戦中戦後、現代、近未来)やその時々の衣装も美しい。スピーディーに切り替わるリアルと虚構、現在と過去の混合、と構成が面白い。
おばあちゃんになっても素敵な女性が、初恋を語るってだけで良いよね。
映画が終わる頃、もう終わっちゃうの?と名残惜しくなる。
ラストは、一瞬びっくりするけど、考えると、やっぱあれでいいのかも、と思う。
2002年にドリームワークスから世界配給もされてたみたい。
英語版オフィシャルサイト「Millenium Actress」
好み評価:☆☆☆☆1/2
April 02, 2004
黄泉がえり。

草薙剛、竹内結子主演。
柴咲コウが劇中に歌手「RUI」として歌った「月のしずく」が凄くヒットしていたのを思い出す。結構好きな歌だったな。
舞台は阿蘇。死者がそのときのままの姿で次々と生き返ってくるという現象が起こる。自分よりかなり年下の「兄」が生き返ってきたり、出産と同時に死んだ母が成長した娘と同じくらいの年頃で再会したり、生き返ってくる場面だけでかなり泣ける。
けどやっぱりただ生き返ってくるだけ、ってわけはなく。
一瞬ホラーなのかと思ったけど、そんな要素は全然なくて、とても切なくて悲しい話だった。
好み評価:☆☆☆
感動したけど、☆三つな理由はちょっとネタバレなので下に。
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主人公クラス、特にヒロインが死ぬともうかなりやりきれない気持ちがずるずると残るので、好きになれません。
「世界の中心で愛を叫ぶ」が好きになれないのも同様の理由から。
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March 30, 2004
風の谷のナウシカ。
宮崎駿監督。

ナウシカは、5,6才の頃一度観たことがあったはずで、それ以来見たことが無く、
内容も憶えていないので常にもう一度見たいと思っていた。
20年前の作品とは思えないほど綺麗な映像にまず驚いた(と思って今調べたら、
やっぱりデジタルリマスター版だった)。音楽も素晴らしかった。
ストーリーもわずか2時間で収めたものとしてはやはり壮大。
ただ、少し前に原作を読破したのだが、その予備知識が無ければ難解なストーリーだ
ったのでは、とも思った。
個人的には、巨神兵オーマが、せっかく甦ったのにストーリーに何の影響も与えずに
一瞬で消えてしまうところが残念だった。
あと王蟲の神聖さがあまり伝わってこないところとか。
いずれにしろこの映画が不朽の名作であることになんら変わりはない。
はてなダイアリーによると、
原作の連載が始まったのが82年。映画が公開されたのが84年。原作が完結したのが
94年。映画に収まりきらなかった部分が10年分ある。(原作1巻から7巻のうち、映画
化されたのは1巻の内容。)劇場版で是非続きを、とどうしても願ってしまう。
好み評価:☆☆☆☆
恋は舞い降りた。
唐沢寿昭、江角マキコ主演。
天使の手違いで死んでしまった男が生き返る条件として一人の人を幸せにする、という話。笑えるし、見た後に気持ちがよくなる作品だった。映画のタイトルと同じ歌と、Bzの「いつかのメリークリスマス」がこの映画の主題歌。
好み評価:☆☆☆1/2
March 29, 2004
二十四の瞳
木下惠介監督。壺井栄原作。
瀬戸内海の小豆島を舞台に、一人の女教師と十二人の教え子たちの交流を描いた名作。
途中で時代が変わって、子供たちが成長した姿で出てくるのだが、どの子も面影が残っていて明らかに誰が誰の成長した姿かわかるようになっていたのには驚いた。本当に十年くらい歳月を置いて撮影したのではと一瞬思ってしまったが、兄弟姉妹での起用だったらしい。
小学生の頃も見たけど、大学に入って見直してみるとあたりまえだが相当に印象が違う。感動的。小学生の頃から印象に残っているシーンは、子供たちが調子にのって先生を落とし穴にはめて、先生が足を折ってしまうんだけど先生は何でもないよ、というように装うシーン。このシーンには今も昔も泣かされる。
今調べてみたら、この作品何気にゴールデングローブ賞とかとってる。
好み評価:☆☆☆☆1/2
黒澤明監督デビュー作、姿三四郎。
新武術としての柔道対旧武術としての柔術という構図。柔道が柔術を圧倒していくなかで、成長していく三四郎を描く。
個人的に気に入ったのは、三四郎が柔道の技で相手を投げ飛ばすと、相手が十メートルくらい吹っ飛んで壁に激突して気絶する、っていう描写を大真面目に何度も繰り返すところ。
ただ、技を繰り出す瞬間は何故が映されないのが残念。ヤマアラシとか見たかった。
好み評価:☆☆☆1/2
メトロポリス。
手塚治虫原作、りんたろう監督、大友克洋脚本。
原作が手塚治虫ってことではずれはないだろうということと、大友克洋が脚本でだけれども製作に関わっているということで興味を持って見に行った人が多いはず。自分もその一人。
未来のロボット社会におけるロボットの権利というか、人間のモノに対する感覚を批判的に描くお話。良いです。スタッフロールのあとにおまけがあった。
好み評価:☆☆☆1/2