トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ主演、「Da Vince Code」を観た。この映画、巷で叩かれているほど悪くないです。むしろ、素晴らしいとさえ思った。かなり原作に忠実に描かれていて、ストーリーの都合上省かれたエピソード等以外は、エンディングまで原作の描写そのままに描かれている。難点は、その上映時間の都合上、物語を早く進めるために、トムハンクス演じるラングトンがかなりありえない速度で謎を次々と解明していく様。ほとんど迷わないし、間違えもしない。原作のラングトンよりIQが3倍くらい高そうだ。とにかくとんとん拍子で物語が展開していく。自分は原作を読んでいるので元々謎解き部分には期待していないからかそこまで気にはならなかったけど、このストーリーに初めて触れる人には味気なさ過ぎるのではないか。そして、謎の解明に至るまでの思考がかなり省略されてもいるので、原作を読んでいない人にはほとんどついていけないんじゃないかとも思う。プロット自体はそんなにドラマチックではないので、予備知識の無い人には退屈かもしれない。特に、物語の背景として核の部分にあたる「聖杯伝説」は、一般常識として既に観客は知っているものとして扱われているので、この伝説に明るくなかったら結構厳しいと思う(これはネタばれではないはず・・)。中国人の友人と観に行ったのだが、この伝承は中国ではあまり一般的ではないらしく、やはりそこは謎解きの盛り上がりを共有できなかった。
最低限の予備知識としてあったらより楽しめると思った事柄を、追記に。(人によってはネタばれと感じる方もいるかもしれないので念のため。ダ・ヴィンチコードの醍醐味である薀蓄を楽しみたいと思う方はどうぞ)
でもね、そんなことよりも、僕は小説でもそうだったんですが、ラストのシーンにホントに感動したんです。映画版のエンディングは、僕が小説を読んだ際にまさにイメージしたとおりに演出されていて、結末も謎解きも全て知っていたにも関わらず、じわーーっと来てしまった。エンディングはダ・ヴィンチコードの中でもおそらく最もフィクションな部分の一つだろうけど、それでもその瞬間のラングドンの想いに想いを馳せると感動せずにはいられません。原作を読まずに映画を観た人で、ラストを「はぁ?」と思った人は、小説のエピローグだけでも読んでみて!
好み評価:☆☆☆☆
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