Cinema No. 344

邦画

海猫

森田芳光監督作品、「海猫」を見た。伊東美咲、佐藤浩市、仲村トオル主演。

1980年代の半ばの北海道、函館。ロシア人の血を受け継ぐ薫(伊東美咲)は、南茅部の漁師・邦一(佐藤浩市)に嫁いでいった。しかし、なかなか漁師の生活になじめず苦労する薫は、いつしか邦一の弟で自分を恋い慕う広次(仲村トオル)と結ばれてしまう…。-amazonのあらすじより-

umineko.jpgくらーい映画です。「失楽園」の森田監督が伊藤美咲でどのような物語を撮ったのか興味があったけど、微妙な出来、という感想。伊東美咲の演技は言われているほどまずいとは思わなかった。それよりも脚本や演出のまずさが目に付いた。冒頭の結婚直前カップルの別れシーンのリアリティの無さや、「青い目」のはずの薫の目が全く青くないこと、薫を描いてあるはずの肖像が全く似てないこと(その絵を見て薫だと気づくシーンは違和感ありまくり)、20年以上時が経ってるはずなのに両時代の人物がほとんど変わりなく見えること、など、映画であることをいちいち思い知らされて冷めるシーンが目立った。「映画なんだから」というのは完全に言い訳で、「映画であるからこそ」虚構をリアルに変えなければいけないと思う。どれも技術的に不可能なことなんてないのに、日本の映画はこの辺を軽く見すぎている気がする。B級映画の製作ではなく、一流のスタッフを集めて一流のものを作ろうとしているなら、そういうところで手を抜かないで欲しかった。プロットや映像自体は結構よかったのでそれだけにもったいない。

好み評価:☆☆

ほしのこえ

hoshi.jpg新海誠監督、「ほしのこえ」を見た。9月に見た彼の作品に感銘を受けて、その時から見たいと思っていた短編映像作品。彼に関する前回のエントリーでさんざん褒めたけど、今回ももう何と言ったらよいか・・・
とにかく異様なほどのクオリティの高さ。映像の美しさ、カメラワークの巧みさ、演出のセンス、どれをとってもその辺の映画にはなかなか見られない。カメラワークのセンスで言うならホントハリウッドにも見習って欲しいくらい。脚本の、というかdictionのセンスも個人的に大好きで、ストーリーも30分にも満たないこの短さで、ラストにはぐわぁーっと感動させられた。この作品を人に勧めるにあたって、これが「マック1台でほぼ一人で制作された」ということなんて全く持ち出す必要は無いということがわかった。映像特典に収録されている、「彼女と彼女の猫」という5分程度の短編も凄くいい。アニメアレルギーが無い人ならば、新海作品は必ずチェックするべきです。

それから、この作品を配給や流通にこぎつけさせたComix Waveという会社に興味が湧く。こういうクリエイターを世に出す、ということはそれだけで凄いことだけど、悪く言えば「アマチュア」なわけで、それでビジネスを回そうと思ったら大変なリスクだろう。どうやってクオリティコントロールしてるのかな・・

今も何か凄い企画をまわしているみたいだ

才能を世に送りだす、って素敵な仕事だよなぁ。

好み評価:☆☆☆☆

紅の豚

宮崎駿監督、森山周一郎、加藤登紀子主演。10年ぶりくらいに見たけど、これはホントいい映画だね。心が洗われるような綺麗な映像とお話。

オハイオ州に住んでいた小学生だった頃、そこに住む日本人の子供達のために補習校かどこかの団体が、紅の豚の上映会を開いてくれたんだった。20人くらい入る部屋に大きめのプロジェクターで。あの時は、ここまで良い映画だとは思ってなかったなぁ。渋い映画です。

好み評価:☆☆☆☆

雲のむこう、約束の場所

kumonomukou.jpg

新海誠監督作品、「雲のむこう、約束の場所」を見た。主演、吉岡秀隆、萩原聖人。

近所に住むアニメ好きの友人のお勧めということで見たら、これまた素晴らしい作品と映画監督に出会った。

舞台は少し違う歴史を辿った日本の青森。津軽海峡を境に南北に分断統治された日本。劇中ラジオから流れてくる世界情勢を伝えるニュースからは、「日米軍」「国連の査察団の受け入れを拒否する北側」などのキーワードが聞こえてくる。他に、平行宇宙の存在に触れ、それを「宇宙が見る夢」と呼んだりと、一見SFなんだかファンタジーなんだか、というような世界観だ。

だけど、描いているのは、誰もが感じたことのあるような、少年時代の憧れと喪失。少年時代に果たせなかった約束を果たしたい、そんな話。アニメという表現手段からそう感じるのかもしれないけれど、とにかく、物凄く純粋な物語だった。鑑賞後には、とても爽やかな気分になれた。
キャスティングもアニメに一般の俳優が声を当てると、声質の違いからなのか違和感を感じるものだが、声優専門の人々とは一味違う自然な演技に仕上がっていて気持ちがいい。
そしてこの映画を通して印象に残るのが、実写以上に美しい映像表現。日本の田舎って、科学が発達した未来においても、やっぱり田舎の風景は残ってるんだろうなぁと感じさせる、本当に日本的な田舎のシーンの数々。この綺麗な風景だけでも、この映画は見る価値がある。

プレビューだけでも雰囲気は掴めるので、是非その風景を見てみて欲しい。
http://www.kumonomukou.com/trailer.html

この新海誠という監督、名前は知らなかったけど存在は聞いたことがあった。結構前に、殆ど一人で良質のアニメを作って話題になった人だ(普通は100人とか200人とか関わるものらしい)。その作品、「『ほしのこえ』は、携帯メールをモチーフとした、宇宙と地上にわかたれた少年と少女の超遠距離恋愛のお話です」ってこれまたロマンチック。HPで見る限り普通に綺麗な映像の高品質な作品に見えるけど、これをマック一台で作ったというのだから本当に脱帽する。

映画とは関係ないけど、世界最高のプラネタリウムを一人で作り上げた大平貴之といい、こういう若いスーパークリエイターは本当に勇気を与えてくれる。芸術家やミュージシャン、作家等と違って、この人たちは本来では多くの資本と人手が必要と思われてきたことを一人でやってのける。一人でも世界と渡り合えるという希望というわけだ。

とにかくこの「雲のむこう、約束の場所」、まだまだ日本アニメもいけるな、と感じられた一作。監督もポスト宮崎とか言われてるそうだけど、是非独自の路線で、将来世界に日本のアニメを知らしめて行って欲しい人です。

好み評価:☆☆☆☆

Howl's Moving Castle

howl.jpg宮崎駿監督作品、「ハウルの動く城」を観た。主演:倍賞千恵子、木村拓哉。良かった良かった。最高ではないが満足した。子供向けアニメの王道、という印象を受けた。木村拓哉が思っていたのよりかなりハマっていたのと、作品全体で笑いを取ることをわりと頑張っていたりしたのが印象的。ストーリーや展開にやや雑なところが見られたように思ったけど、幸せな気分になれる映画です。エンディング・テーマは、賠償千恵子が歌っていたのだが、久石氏は「千と千尋の神隠し」に続いてまたもや採用されなかったのか、木村弓作曲。でも記憶に全く残ってない。もうどんな歌だったか忘れました。メインテーマ曲はとても印象的で、好きになった。頑張れ久石。

宮崎監督、まだまだ映画を撮り続けて欲しいです。

好み評価:☆☆☆☆

Picnic

picnic.jpg岩井俊二監督作品、Picnicを観た。主演、Chara、浅野忠信。精神病患者を収容するような施設で出会ったココ、ツムジ、サトルの三人は、「塀の外に出てはいけない」と言われて、「塀の上」を歩く探検にでる。けど、ある時、「塀の上ならいいはず」ということで敷地の外に出てしまう。子供の心を持ったままの三人が外の世界へ冒険に出るファンタジー的な物語。映像の撮り方や風景の切り取り方がとても趣味に合う。誰でも撮れそうな感じがするんだけど、撮れないんだろうなぁ。

「銃を貸せ、太陽に撃ったら爆発するかも知れねぇ。」

こういうの大好きです。

好み評価:☆☆☆1/2

ナビィの恋

navienokoi.jpgナビィの恋、を観た。主演、西田尚美。舞台は沖縄のとある小さな島。都会から帰ってきた奈々子が島の風景や人々と触れ合う内にナビィおばあちゃんの若き日の恋について知るお話。ビデオのパッケージにはコメディって書いてあったけど全然コメディ的には面白くなかった。だけど、島の風景、琉球民謡、なぜか流れるケルティック調のバイオリン等がとても美しくて、観ていて癒される映画。メインテーマが特に良くて、誰の曲かとエンドロールを目を凝らして見ていれば、なんとマイケル・ナイマンが担当しているから凄い。「Rafuti」という曲らしい。要チェック。

好み評価:☆☆1/2

GUNDAM Trilogy

gundamI.jpgついに観てしまった。富野喜幸監督作品、機動戦士ガンダム劇場版三部作。ガンダムは小さい頃から大好きなキャラクターで、数ある日本のロボットやメカキャラクターの中でも常に一番カッコイイと思っていた。けど、登場人物やメカ、ちょっとしたエピソードなんかは何故か知っていても、まともにシリーズを見たことはなかったのだ。シリーズがやっていたのは僕が生まれる前なので当然といえば当然だが、ガンダムや、続編のZガンダム等は再放送でたまにやっていたし、その当時既に伝説のシリーズだったので内容について全く知らないという奴も少なかった。今もそうだが、僕が小学生の頃から世はガンダム関連商品で溢れていて、当時はSDガンダムの全盛期だ。僕は武者頑駄無や騎士ガンダムで育った世代だ。本シリーズならば、その後のF91とVガンダムをリアルタイムで観ていた世代。第一作目が放映され始めてから25年、ようやく本家本元、全てのガンダム人気の源泉に触れることができた。

人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになってすでに半世紀が過ぎていた。地球のまわりの巨大な人口都市は、人類の第二の故郷となり、人々は、そこで子を産み、育て、そして死んでいった。 宇宙世紀0079。地球に最も遠い宇宙都市サイド3は、ジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争に挑んできた。この1ヶ月余りの戦いで、ジオン公国と連邦軍は、総人口の半数を死に至らしめた。人々は、自らの行為に恐怖した。戦争は膠着状態に入り、8ヶ月余りが過ぎた。(第1話オープニングナレーションより)

gundamII.jpg劇場版はテレビ放映された43話を編集し、2時間強の映画三本に再構成した作品。総集編ではあるのだが、その一つ一つの映画としての完成度は単に総集編と呼べる代物ではない。この作品の何よりの魅力がその驚くほど詳細な舞台設定。引用したプロローグにもその断片が見て取れるが、そのあとに始まる本編より80年前からほぼ1年毎ほどの詳細さで舞台となっている世界の歴史が用意されているのだ。本編でも宇宙の物語ということをよく考えられた細かい設定が随所に見られ、感心させられる。スターウォーズも顔負けの細かさである。また、物語も単なるロボットヒーローモノや戦争モノを超えた、人間ドラマとして仕上がっている。主人公の側の人間達と同等かそれ以上に、敵軍の人間味溢れるエピソードや人物像が丁寧に描かれ、ストーリーにより多くの感情移入と緊張感をもたらすと同時に、戦争というものを深く考えさせられる。これまでのアニメと何が違ったのかはここに詳しい。明らかに子供向けではなく、正に今始めて見ることができてよかったと思える作品だ。

gundamIII.jpg三部作一作目を見ていた時は感心が感想の中心だったのだが、二作目を見終わる頃には完全に引き込まれていた。ヤバい!面白すぎる!と笑いがこみ上げてくるほど。三作目では感動とこの作品が終わってしまうことの寂しさの嵐だった。その後もしばらくガンダム病に冒され、ネット上で裏設定やエピソードの解説なんかを漁り余韻を楽しんだ。続編であるZガンダムの劇場版公開(2005年春、同じく総集編三部作形式)が待ち遠しい。ようやく、どうして一アニメに過ぎないこの作品が、今になってもまだ「ガンダム専門誌」が存在するほどの支持を得ているのかの理由が掴めて来た気がする。

面白かったガンダムサイト
ガンダム imperfect Web
熱血解説!ガンダムの魅力
皆さん本当にガンダムが好きなんですね。

好み評価:☆☆☆☆☆

(ハル)

深津絵里主演、「(ハル)」を観た。

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深津絵里はもともと好きな女優さんで、今でこそおもろ可愛いという印象の人だけれど、この映画の中の深津絵里は美しい!

96年の映画で、まだネットが、インターネットではなく、「パソコン通信」だった時代の話。映画関連のチャットルームで知り合った(ほし)と(ハル)が、メールによる交流を初め、メール友達ならではの距離感を保ちながら、それでいて段々とお互いの存在を大きくしていく過程を描いた物語。

映画の大部分でメールやチャットの内容をそのまま画面に載せて観客に読ませるという面白い手法をとっている。

高校野球のヘルメットのよこに常に置かれている村上春樹の「ダンスダンスダンス」が度々スクリーンに映るのが印象的。

宣伝や評判を見ているとラブストーリーとして扱われているけど、自分にはこれは友情のストーリーに見えた。友情と、コミュニケーションというコトに主眼を置いたドラマ。恋愛という要素がないわけではないが、それはメインのメッセージではない気がする。

すっきり気持ちのいいドラマ。

好み評価:☆☆☆

化粧師 -KEWAISHI-

化粧師 -KEWAISHI-」を観た。
出演:椎名桔平 、菅野美穂 、池脇千鶴
監督:田中光敏

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素晴らしい。キャストを見て微妙かな、と少し思ったけれど、期待を裏切らなかった。椎名桔平の演技好きかもしれない。菅野美穂も相当微妙な役所をよくぞここまで、というくらい好演している。

展開は王道だけど、物語を引っ張るのが化粧によって女性の心を開く寡黙な化粧師(けわいし)というところが斬新で、何より映像がとても綺麗。大正の町並みと人々の衣装の色鮮やかなこと。

しかしこの物語のベースとして否応無く存在し、男である自分には奇妙に印象に残るのが、本能にも近い、女性の持つ美への憧れ。この映画を見る限り、それはほぼ普遍的な価値に思えてくる。なんなんだろうこの強い感情は。その憧れへ向かって少しだけ背中を押す化粧師。その感情を想像しながら物語を追う。ところどころ少々その心境の変化は強引じゃね?という部分もあるけど許せる範囲ではないかと。

いつのまにかこの大正の世界に引き込まれて、泣かされてしまう。

日本もいい映画あるなぁ、と思わせる一作。

ちなみに。エンドロールで知った、原作は石ノ森章太郎。長編漫画を映画化したのだった。どおりで途中強引な展開があったわけですね。

好み評価:☆☆☆☆

All about Lily Chou-Chou

岩井俊二監督作品、「リリィシュシュのすべて」を観た。

lilychouchou.jpg

田園風景が美しい田舎町。13歳の少年達。いじめ。唯一の安らぎとしての音楽、リリィシュシュ。ドビュッシー。レイプ。援助交際。沖縄の楽園「アラグスク島」。そして殺人。

繊細な13歳の心をかなり秀逸に描き出している作品だけど、観たあとはかなり暗い気分になる。ハンディーカムで撮影しているのか、手ぶれが激しいため酔ってしまうことも不愉快さを増す要因になっているんだろう。しかもこの映画長い。最後のほうは「早く終わってくれ」という気持ちでいっぱいだった。

映像は文句なしに美しい。ストーリーにこれといったカタルシスというか、安らぎを得られる要因というは無いのだが、この映像の美しさには癒される人も多いかもしれない。

個人的に、主人公の片思いの相手が主人公の手引きによってレイプされてしまうシーンのBGMにドビュッシーの「アラベスク」が使われていたことにかなりの不快感を感じた。あんなシーンで使うなんて酷い。最も好きなクラシック曲の一つなのに、これからあの曲を聴くたびにレイプシーンをイメージしてしまうことになったとしたら僕は岩井監督を恨むかもしれない。

好み評価:☆☆☆

力作ではあったけど、リリィシュシュの存在感が薄かったのが残念。

Innocence

イノセンス。押井守監督作品。

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とにかく映像と演出と音響の凝り様ったらこれ以上ない、ってくらい。もう素晴らしすぎる。画質あまりよくなくて、音もドルビーデジタルでもなんでもない古い映画館だったのが心底悔しかった。これは是非カンヌでもパルムドール取って欲しいな。

あと、伊藤君子が歌う主題歌「Follow Me」がいい。わりと名前を聞くジャズシンガーだけど、曲は聞いたことなかった。

いい映画はいい音楽がついてくる。

好み評価:☆☆☆☆

攻殻機動隊

攻殻機動隊。押井守監督。1995年。

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中学の頃観たことがあったはずなのだが、ほとんど内容を覚えていなかったため、再度鑑賞。


内務省直属の独立部隊公安9課,通称「攻殻機動隊」
主人公草薙素子は脳と脊髄以外「義体」化されている9課のリーダーでもあるサイボーグ刑事。さまざまな人間の記憶や行動を,脳をハッキングすることで操るという特徴的な犯行スタイルで怖れられる「人形使い」との戦いから、生命って何?みたいな疑問を投げかける。

ウィキペディアの説明はこんな感じ

95年のアニメってこんなに凄いんだな、と唸らせられる力作。マジ感動。ストーリーや設定の細かさがなんかわくわく感を煽る。

観たことあったはずなんだけど、2,3のシーンしか覚えていなかった。寝てたんだな、きっと。こんなにおもしろいのに・・・

好み評価:☆☆☆☆1/2

千年女優

千年女優。英語版は「Millenium Actress」

今敏監督作品。

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いやー感動した。

前半は正に「映画」を感じさせる娯楽作品という感じ。後半は一気にこれでもかというくらい切ない。映像と音楽が綺麗で、登場する様々な時代風景(中世、幕末、明治大正、戦前戦中戦後、現代、近未来)やその時々の衣装も美しい。スピーディーに切り替わるリアルと虚構、現在と過去の混合、と構成が面白い。
おばあちゃんになっても素敵な女性が、初恋を語るってだけで良いよね。

映画が終わる頃、もう終わっちゃうの?と名残惜しくなる。

ラストは、一瞬びっくりするけど、考えると、やっぱあれでいいのかも、と思う。

2002年にドリームワークスから世界配給もされてたみたい。
英語版オフィシャルサイト「Millenium Actress

好み評価:☆☆☆☆1/2

黄泉がえり

黄泉がえり。

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草薙剛、竹内結子主演。
柴咲コウが劇中に歌手「RUI」として歌った「月のしずく」が凄くヒットしていたのを思い出す。結構好きな歌だったな。
舞台は阿蘇。死者がそのときのままの姿で次々と生き返ってくるという現象が起こる。自分よりかなり年下の「兄」が生き返ってきたり、出産と同時に死んだ母が成長した娘と同じくらいの年頃で再会したり、生き返ってくる場面だけでかなり泣ける。
けどやっぱりただ生き返ってくるだけ、ってわけはなく。
一瞬ホラーなのかと思ったけど、そんな要素は全然なくて、とても切なくて悲しい話だった。

好み評価:☆☆☆

感動したけど、☆三つな理由はちょっとネタバレなので下に。

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風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ。
宮崎駿監督。

nausicaa.jpg

ナウシカは、5,6才の頃一度観たことがあったはずで、それ以来見たことが無く、
内容も憶えていないので常にもう一度見たいと思っていた。

20年前の作品とは思えないほど綺麗な映像にまず驚いた(と思って今調べたら、
やっぱりデジタルリマスター版だった)。音楽も素晴らしかった。
ストーリーもわずか2時間で収めたものとしてはやはり壮大。
ただ、少し前に原作を読破したのだが、その予備知識が無ければ難解なストーリーだ
ったのでは、とも思った。

個人的には、巨神兵オーマが、せっかく甦ったのにストーリーに何の影響も与えずに
一瞬で消えてしまうところが残念だった。
あと王蟲の神聖さがあまり伝わってこないところとか。

いずれにしろこの映画が不朽の名作であることになんら変わりはない。

はてなダイアリーによると、
原作の連載が始まったのが82年。映画が公開されたのが84年。原作が完結したのが
94年。映画に収まりきらなかった部分が10年分ある。(原作1巻から7巻のうち、映画
化されたのは1巻の内容。)劇場版で是非続きを、とどうしても願ってしまう。

好み評価:☆☆☆☆

恋は舞い降りた

恋は舞い降りた
唐沢寿昭、江角マキコ主演。
天使の手違いで死んでしまった男が生き返る条件として一人の人を幸せにする、という話。笑えるし、見た後に気持ちがよくなる作品だった。映画のタイトルと同じ歌と、Bzの「いつかのメリークリスマス」がこの映画の主題歌。

好み評価:☆☆☆1/2

二十四の瞳

二十四の瞳
木下惠介監督。壺井栄原作。
瀬戸内海の小豆島を舞台に、一人の女教師と十二人の教え子たちの交流を描いた名作。
途中で時代が変わって、子供たちが成長した姿で出てくるのだが、どの子も面影が残っていて明らかに誰が誰の成長した姿かわかるようになっていたのには驚いた。本当に十年くらい歳月を置いて撮影したのではと一瞬思ってしまったが、兄弟姉妹での起用だったらしい。
小学生の頃も見たけど、大学に入って見直してみるとあたりまえだが相当に印象が違う。感動的。小学生の頃から印象に残っているシーンは、子供たちが調子にのって先生を落とし穴にはめて、先生が足を折ってしまうんだけど先生は何でもないよ、というように装うシーン。このシーンには今も昔も泣かされる。

今調べてみたら、この作品何気にゴールデングローブ賞とかとってる。

好み評価:☆☆☆☆1/2

姿三四郎

黒澤明監督デビュー作、姿三四郎
新武術としての柔道対旧武術としての柔術という構図。柔道が柔術を圧倒していくなかで、成長していく三四郎を描く。
個人的に気に入ったのは、三四郎が柔道の技で相手を投げ飛ばすと、相手が十メートルくらい吹っ飛んで壁に激突して気絶する、っていう描写を大真面目に何度も繰り返すところ。
ただ、技を繰り出す瞬間は何故が映されないのが残念。ヤマアラシとか見たかった。

好み評価:☆☆☆1/2

メトロポリス

メトロポリス
手塚治虫原作、りんたろう監督、大友克洋脚本。
原作が手塚治虫ってことではずれはないだろうということと、大友克洋が脚本でだけれども製作に関わっているということで興味を持って見に行った人が多いはず。自分もその一人。
未来のロボット社会におけるロボットの権利というか、人間のモノに対する感覚を批判的に描くお話。良いです。スタッフロールのあとにおまけがあった。

好み評価:☆☆☆1/2

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