Cinema No. 344

韓国

Windstruck

windstruck.jpg韓国映画、「僕の彼女を紹介します」、英題「Windstruck」を観た。監督:クァク・ジョヨン、主演:チョン・ジヒョン、チャン・ヒョク。待ちに待った公開。6月に韓国、香港、中国とアジア各国で同時公開されて、日本だけは12月までおあずけを食らっていた。ようやく来たよ。チョン・ジヒョンファンな自分は内容はともかく、クァク・ジョヨン監督とチョン・ジヒョンというだけで観ることを決定していたのだけど、やはり大した作品でした。まだ公開初日なので多くは書きませんが、かなり泣かされた。涙をこらえようと顔が歪みまくった。クァク・ジョヨン監督、物凄いストーリーテラーです。けど、万人にお勧めできるかは微妙な作品。僕はこういう作品本来は苦手なんです。ただ、ジヒョンファンの人には満足できるつくりであることは保証。

観ようと思う人は、先に「猟奇的な彼女」を観ておくといいと思います。あと、エンドロールは監督作詞の歌が流れるので、聞くとよいと思います。以上。

好み評価:☆☆☆☆1/2

Who are you?

whoareyou.jpg韓国映画、「フー・アー・ユー?」を観た。チョ・スンウ、イ・ナヨン主演。経営状況の芳しくないベンチャー企業で、新型のバーチャルコミュニティアプリの開発に勤しむ主人公。ヒロインは同じビルに入っている水族館で働く女性。二人は現実世界ではただの知り合いか友達未満という関係になるが、主人公は彼女をネット上で見つけ、知らないふりをして仲良くなり始める。やがて主人公は彼女に惹かれていくが、彼女はネット上の主人公がなりすました人物に惹かれて行く、という話。

正直、初めて韓国映画で「はずした」と思った。いや、いい話なんだが、ちょっと盛り上がらない。ストーリーにやや不満があったが、でも、収穫もある。まず主演二人。主人公のチョ・スンウだが、彼はクァク・ジョヨン監督の「ラブストーリー」でも主演で出ていたが、ホントに素晴らしい演技をする。その演技はこの映画でも健在。ヒロインのイ・ナヨンは元来女優ではなかったらしいがとてもいい役者さんだと思った。綺麗だし。綺麗というか、カッコイイ女性だ。それと、この映画はアバターを使ったバーチャルコミュニティーでのチャットから芽生える恋をテーマにしてるように、韓国の若者文化をかなり前面に押し出して描いているだけあって、韓国の若者の生活が覗けてとても面白い。韓国ならではの部分も多いが、ほとんど日本と変わらない部分も多い気がする。何も言わずに吹き替え版を見せれば日本の映画と疑わずに観る人もいるかも知れない。映画の中での欧米の若者文化はたびたび目にすることがあるが、どうも親近感がないというか、リアルに感じられないことが多い(米在住歴が長い自分でもそう感じるのだから日本に住み続けていた人なら尚更そうなのでは)。けど、韓国のそれは非常にリアルに感ぜられる。この違いは大きいんじゃないかと思う。韓国の映画をハリウッドが高額でリメイク権を取得しているが、逆にハリウッドのいい映画を韓国にリメイクして欲しくなってきた。

好み評価:☆☆1/2

Memories of Murder

satsujinnotsuioku.jpg殺人の追憶を観た。ソン・ガンホ、キム・サンギョン主演。空前の捜査態勢にも関わらず迷宮入りに終わった実在の未解決連続殺人事件を元に作られた話。捜査に関わる刑事達が次第に精神的に追い詰められていく様が、かなりの緊迫感と共に描かれる。けど笑えるとこは腹をかかえて笑えるからそこがさすが韓国映画というところ。しかしこの映画、怖い。観てもらえれば分かると思うけど、何もホラー的な要素はないんだけれども、ストーリーと登場人物の心情に思いを巡らせながら役者達の表情を見ていると自然と鳥肌が立ってくる恐ろしさ。これは面白い映画です。

好み評価:☆☆☆☆

リメンバー・ミー

リメンバーミー」、原題「同感」 
韓国映画が最近好きな理由の一つに、韓国の女の子が韓国語で話す時の感じというか、韓国語の音というか、イントネーションというか、なんかそういうのがいいんです。しかしなんか巷でもドラマの影響かなんか知らないけど韓国ブームなようで。これに乗っかってまだ日本未公開の名作が沢山ビデオ屋に並ぶといいなぁ。少ないんだよなぁ、韓国映画スペース・・

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ケースの裏面にあるあらすじやプレビューを見る限り、ラブストーリーのようなんだが・・・ラブストーリーではない気が・・・。でもべたべたなラブストーリーにしなかったおかげでいい話に仕上がってたように思う。1979年と2000年をアマチュア無線機が繋ぐっていう、結構ありそうなネタだけど、それを軸にしっとりとした人間ドラマがよくできてる。前半ストーリーが転がり出すまで長いけど。全編に流れるピアノ曲と、時々流れるクラシックの使われ方が好印象。主演俳優ユ・ジテの演技が特に良い!

やっぱりはずれない韓国映画

(ちょいネタばれかな)
印象的なシーンは過去にいるソウン(ヒロイン)が、未来のイン(ユ・ジテ)に未来の様子を聞いて、インが実に楽しそうにそれに答えるシーン。中でも印象的な質問が、基本的な質問を一通り終えた後、それじゃあ、と一番肝心のことを聴くように声を落として、「統一は・・?」と尋ねるシーン。韓国の人々がいかに長い間南北の統一を願っているのかが少し伝わってくきて、少し感動した。他にも未来の様子を語るシーンがあるけど、こういう風に過去の人に未来がどう変わったかを教えたりしたいなぁといつも思っていたので楽しかった。

好み評価:☆☆☆☆

以下さらにちょっとネタばれ

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チング

chingu.jpg韓国映画、「チング」を観た。シュリの記録を超して、それまでの興行収入記録を塗り替えた作品、ということで期待して観た。いい映画でした。いい映画だけど、公平な評価をするなら、もっともいい映画というわけではない。

話は、仲良し4人組が、小学生から中学にあがり、大人になり、生き方や関係の移り変わりなんかを経験しながら、互いの友情を強く意識しながら生きていった様を描いている。物語の「転」は4人組のうち二人が対立するヤクザグループに入ることによって起こる。ここまでで想像できると思うけど、かなり湿った話です。映像も全体的に暗い。唯一、印象的な回想シーンとして用意されている、海上の浮き輪に捕まった幼い四人が海がめと水泳選手いついて話すシーンだけが、明るく眩しく描かれている。

青春とか、成長とか、人生とか、因縁とか、そんなことを考える気分になったら、チョットお勧めです。

好み評価:☆☆☆1/2

The Classic

韓国映画、「ラブストーリー」を観た。原題、「The Classic」
監督は、「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン監督。

TheClassic.jpg

胸から絞られるように涙が出た。

まさに原題通りの、古典的な純愛物語。けど、古典的であろうと、展開がありきたりであろうと、やらしさを全く感じさせない、計算されつくした絶妙な作りは、「猟奇的な彼女」と同様、本当に素晴らしいものがある。脚本というかストーリーテリングというか、その方面だけでもこの監督は凄い。こんなに湿ったストーリーなのに、笑いを取ることもしっかり忘れてないし。こう立て続けにその手腕を見せ付けられると、次回作もはずれそうにないと思わざるを得ない。

友達の好きな人を好きになってしまったことに悩む主人公ジヘがある日開いたのは、母の初恋を綴った日記と手紙。そこから母ジュヒの初恋の物語が語られ始め、重なるように現代の娘の恋も進行していく。母も三角関係に悩んでいたが、母の場合は2人の男の間で苦しんでいた。物語のメインは母の恋と母の初恋の相手ジュナの恋なのだが、この恋と、男同士の友情がこれでもかってくらい切ない。けど、切ないだけじゃないのが、この映画のいいところ。

たとえば、いいシーンの一つに、主人公が相手の気持ちを知って、雨の中踊り出すように駆けるシーンがある。好きな人の自分に対する気持ちを知った瞬間の感動って、ホントこんな感じだよなーって思わされる、とてもいいシーン。

それから、ジュナ役の人の演技が素晴らしい。あの笑顔が焼きつくから、ストーリーの仕掛けが生きてくるんだと想う。最後はジュナの運命を思って涙しました。

悲しい話は好きじゃないけど、救われた気分にもなれるからこの映画は好きだ。

好み評価:☆☆☆☆1/2

八月のクリスマス

自分の中で韓国映画がブームになりつつある。韓国映画関連のサイトを眺めているとよく目にするタイトル、「八月のクリスマス」を借りてきて見た。

ホ・ジノ監督、ハン・ソッキュ、シム・ウナ主演。英題「Christmas in August」

christmasinaugust.jpg

あらすじ等を特に見ないで借りてきたため、観始めてしばらくして、あ、失敗したかな、と思った。いわゆる難病モノだったからだ。主人公が死んだりする悲しい話はあまり好きではない。「ラスト・プレゼント」のようなこれでもかってくらいハイテンションで激しい悲劇が展開されるのだろうか、と思ってしまった。

けど、観終わってみると、これほど爽やかな映画もないんじゃないかと思えてしまった。

98年の映画なんだけど、時代設定からくる人々の服装や景色と映像の色などの感じから、見終わって調べるまで80年代の映画かと思っていた。
セリフが少なく、北野武っぽいなと思った長い「間」の取り方、落ち着いた主人公のキャラクター、抑えられた表現、全てが予想していた「悲劇」の在り方ではなかった。全体的な印象は、小津安二郎監督の「東京物語」を彷彿とさせる。

色使いから古そうな印象を受けるけど本当に綺麗な映像とシーンの連続で、主人公二人の映画だということを忘れそうなくらい自然な演技が素晴らしい。映画的に盛り上がるところをあえて避けていくようなストーリー展開のためあっけなくもあるのだが、観終わってから数分、数十分と経って感動が増してくるタイプの映画だ。

傑作。

好み評価:☆☆☆☆

猟奇的な彼女

韓国映画、「猟奇的な彼女」 英題「My Sassy Girl」

mysassygirl.jpg

最近これしか言ってない気がするけど、マジ感動した!最高最高。
コメディーとしてもラブロマンスとしても一級。こんなに面白い映画は暫く見てない。原作はネット上に書き込まれたほぼ実話って話だけど、映画はエンターテイメントとして非常に上手く脚色されたものだと思う、笑いとか伏線とか絶妙。

なんといっても主演のチョン・ジヒョンが素晴らしく可愛い。惚れる。怒ってる顔はそうでもないけど(劇中は怒ってばっかなわけだけど)。
個人的に「彼女」がキョヌ(主人公)をぶん殴るときに、割と体重乗ってそうないいパンチを繰り出してるとこがツボにはまってました。すんげぇ痛そうなの。

映画を見終わって、レビューサイトを見に行ったら、彼女は「イルマーレ」にも主演で出ていたと知る。イルマーレは見たし、凄く気に入った映画だったんだけど、なぜか主演女優の顔は印象に残っていなかった。言われてもピンとこない。けどサイトで確認するとやっぱ同じ顔だ。不覚。他の出演作も要チェック。

それにしても今思うと、今まで見た韓国映画でハズレは一つもない。と言ってもいくつかしか見たことないけど。(シュリ、イルマーレ、ラストプレゼント、など)
恐るべし韓国映画。はまりそうな予感。


返す前に、もう一度最初から通して見てしまった。二日連続で。生まれて初めて。あーあ。


「偶然とは、努力した人に運命が与えてくれる橋」 いいセリフだね。

好み評価:☆☆☆☆☆

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