Cinema No. 344

アニメ・カートゥーン

ほしのこえ

hoshi.jpg新海誠監督、「ほしのこえ」を見た。9月に見た彼の作品に感銘を受けて、その時から見たいと思っていた短編映像作品。彼に関する前回のエントリーでさんざん褒めたけど、今回ももう何と言ったらよいか・・・
とにかく異様なほどのクオリティの高さ。映像の美しさ、カメラワークの巧みさ、演出のセンス、どれをとってもその辺の映画にはなかなか見られない。カメラワークのセンスで言うならホントハリウッドにも見習って欲しいくらい。脚本の、というかdictionのセンスも個人的に大好きで、ストーリーも30分にも満たないこの短さで、ラストにはぐわぁーっと感動させられた。この作品を人に勧めるにあたって、これが「マック1台でほぼ一人で制作された」ということなんて全く持ち出す必要は無いということがわかった。映像特典に収録されている、「彼女と彼女の猫」という5分程度の短編も凄くいい。アニメアレルギーが無い人ならば、新海作品は必ずチェックするべきです。

それから、この作品を配給や流通にこぎつけさせたComix Waveという会社に興味が湧く。こういうクリエイターを世に出す、ということはそれだけで凄いことだけど、悪く言えば「アマチュア」なわけで、それでビジネスを回そうと思ったら大変なリスクだろう。どうやってクオリティコントロールしてるのかな・・

今も何か凄い企画をまわしているみたいだ

才能を世に送りだす、って素敵な仕事だよなぁ。

好み評価:☆☆☆☆

紅の豚

宮崎駿監督、森山周一郎、加藤登紀子主演。10年ぶりくらいに見たけど、これはホントいい映画だね。心が洗われるような綺麗な映像とお話。

オハイオ州に住んでいた小学生だった頃、そこに住む日本人の子供達のために補習校かどこかの団体が、紅の豚の上映会を開いてくれたんだった。20人くらい入る部屋に大きめのプロジェクターで。あの時は、ここまで良い映画だとは思ってなかったなぁ。渋い映画です。

好み評価:☆☆☆☆

雲のむこう、約束の場所

kumonomukou.jpg

新海誠監督作品、「雲のむこう、約束の場所」を見た。主演、吉岡秀隆、萩原聖人。

近所に住むアニメ好きの友人のお勧めということで見たら、これまた素晴らしい作品と映画監督に出会った。

舞台は少し違う歴史を辿った日本の青森。津軽海峡を境に南北に分断統治された日本。劇中ラジオから流れてくる世界情勢を伝えるニュースからは、「日米軍」「国連の査察団の受け入れを拒否する北側」などのキーワードが聞こえてくる。他に、平行宇宙の存在に触れ、それを「宇宙が見る夢」と呼んだりと、一見SFなんだかファンタジーなんだか、というような世界観だ。

だけど、描いているのは、誰もが感じたことのあるような、少年時代の憧れと喪失。少年時代に果たせなかった約束を果たしたい、そんな話。アニメという表現手段からそう感じるのかもしれないけれど、とにかく、物凄く純粋な物語だった。鑑賞後には、とても爽やかな気分になれた。
キャスティングもアニメに一般の俳優が声を当てると、声質の違いからなのか違和感を感じるものだが、声優専門の人々とは一味違う自然な演技に仕上がっていて気持ちがいい。
そしてこの映画を通して印象に残るのが、実写以上に美しい映像表現。日本の田舎って、科学が発達した未来においても、やっぱり田舎の風景は残ってるんだろうなぁと感じさせる、本当に日本的な田舎のシーンの数々。この綺麗な風景だけでも、この映画は見る価値がある。

プレビューだけでも雰囲気は掴めるので、是非その風景を見てみて欲しい。
http://www.kumonomukou.com/trailer.html

この新海誠という監督、名前は知らなかったけど存在は聞いたことがあった。結構前に、殆ど一人で良質のアニメを作って話題になった人だ(普通は100人とか200人とか関わるものらしい)。その作品、「『ほしのこえ』は、携帯メールをモチーフとした、宇宙と地上にわかたれた少年と少女の超遠距離恋愛のお話です」ってこれまたロマンチック。HPで見る限り普通に綺麗な映像の高品質な作品に見えるけど、これをマック一台で作ったというのだから本当に脱帽する。

映画とは関係ないけど、世界最高のプラネタリウムを一人で作り上げた大平貴之といい、こういう若いスーパークリエイターは本当に勇気を与えてくれる。芸術家やミュージシャン、作家等と違って、この人たちは本来では多くの資本と人手が必要と思われてきたことを一人でやってのける。一人でも世界と渡り合えるという希望というわけだ。

とにかくこの「雲のむこう、約束の場所」、まだまだ日本アニメもいけるな、と感じられた一作。監督もポスト宮崎とか言われてるそうだけど、是非独自の路線で、将来世界に日本のアニメを知らしめて行って欲しい人です。

好み評価:☆☆☆☆

Howl's Moving Castle

howl.jpg宮崎駿監督作品、「ハウルの動く城」を観た。主演:倍賞千恵子、木村拓哉。良かった良かった。最高ではないが満足した。子供向けアニメの王道、という印象を受けた。木村拓哉が思っていたのよりかなりハマっていたのと、作品全体で笑いを取ることをわりと頑張っていたりしたのが印象的。ストーリーや展開にやや雑なところが見られたように思ったけど、幸せな気分になれる映画です。エンディング・テーマは、賠償千恵子が歌っていたのだが、久石氏は「千と千尋の神隠し」に続いてまたもや採用されなかったのか、木村弓作曲。でも記憶に全く残ってない。もうどんな歌だったか忘れました。メインテーマ曲はとても印象的で、好きになった。頑張れ久石。

宮崎監督、まだまだ映画を撮り続けて欲しいです。

好み評価:☆☆☆☆

Toy Story 2

ディズニーの「トイストーリー2」を観た。

toystory2.jpg

オーソドックスなエンターテイメント。2作目の必然性を感じないけど、興行収入目的の「商品」なのだからそういうものか。普通に面白かった。

甥っ子が一作目の大ファンだったので2作目を買い、一緒に観た。

ずーっと同じ調子でピンチ、なんとかして、ピンチ、なんとかして、というのを繰り返すので少々疲れる。けど、これくらいの展開じゃないと子供は飽きてしまうんだろうな。

それにしてもCGの質感には驚かされました。

好み評価:☆☆☆

Innocence

イノセンス。押井守監督作品。

innocence.jpg

とにかく映像と演出と音響の凝り様ったらこれ以上ない、ってくらい。もう素晴らしすぎる。画質あまりよくなくて、音もドルビーデジタルでもなんでもない古い映画館だったのが心底悔しかった。これは是非カンヌでもパルムドール取って欲しいな。

あと、伊藤君子が歌う主題歌「Follow Me」がいい。わりと名前を聞くジャズシンガーだけど、曲は聞いたことなかった。

いい映画はいい音楽がついてくる。

好み評価:☆☆☆☆

攻殻機動隊

攻殻機動隊。押井守監督。1995年。

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中学の頃観たことがあったはずなのだが、ほとんど内容を覚えていなかったため、再度鑑賞。


内務省直属の独立部隊公安9課,通称「攻殻機動隊」
主人公草薙素子は脳と脊髄以外「義体」化されている9課のリーダーでもあるサイボーグ刑事。さまざまな人間の記憶や行動を,脳をハッキングすることで操るという特徴的な犯行スタイルで怖れられる「人形使い」との戦いから、生命って何?みたいな疑問を投げかける。

ウィキペディアの説明はこんな感じ

95年のアニメってこんなに凄いんだな、と唸らせられる力作。マジ感動。ストーリーや設定の細かさがなんかわくわく感を煽る。

観たことあったはずなんだけど、2,3のシーンしか覚えていなかった。寝てたんだな、きっと。こんなにおもしろいのに・・・

好み評価:☆☆☆☆1/2

千年女優

千年女優。英語版は「Millenium Actress」

今敏監督作品。

sennen2.jpgsennen.jpg

いやー感動した。

前半は正に「映画」を感じさせる娯楽作品という感じ。後半は一気にこれでもかというくらい切ない。映像と音楽が綺麗で、登場する様々な時代風景(中世、幕末、明治大正、戦前戦中戦後、現代、近未来)やその時々の衣装も美しい。スピーディーに切り替わるリアルと虚構、現在と過去の混合、と構成が面白い。
おばあちゃんになっても素敵な女性が、初恋を語るってだけで良いよね。

映画が終わる頃、もう終わっちゃうの?と名残惜しくなる。

ラストは、一瞬びっくりするけど、考えると、やっぱあれでいいのかも、と思う。

2002年にドリームワークスから世界配給もされてたみたい。
英語版オフィシャルサイト「Millenium Actress

好み評価:☆☆☆☆1/2

風の谷のナウシカ

風の谷のナウシカ。
宮崎駿監督。

nausicaa.jpg

ナウシカは、5,6才の頃一度観たことがあったはずで、それ以来見たことが無く、
内容も憶えていないので常にもう一度見たいと思っていた。

20年前の作品とは思えないほど綺麗な映像にまず驚いた(と思って今調べたら、
やっぱりデジタルリマスター版だった)。音楽も素晴らしかった。
ストーリーもわずか2時間で収めたものとしてはやはり壮大。
ただ、少し前に原作を読破したのだが、その予備知識が無ければ難解なストーリーだ
ったのでは、とも思った。

個人的には、巨神兵オーマが、せっかく甦ったのにストーリーに何の影響も与えずに
一瞬で消えてしまうところが残念だった。
あと王蟲の神聖さがあまり伝わってこないところとか。

いずれにしろこの映画が不朽の名作であることになんら変わりはない。

はてなダイアリーによると、
原作の連載が始まったのが82年。映画が公開されたのが84年。原作が完結したのが
94年。映画に収まりきらなかった部分が10年分ある。(原作1巻から7巻のうち、映画
化されたのは1巻の内容。)劇場版で是非続きを、とどうしても願ってしまう。

好み評価:☆☆☆☆

Ghost in the Shell

Ghost in the Shell、邦題「攻殻機動隊」 インターナショナルバージョン
押井守監督作品。
中学の頃アメリカで結構流行っていて、二回見たはずなんだけど全く内容を覚えていない。
二回とも英語で見たのだが、なんか冒頭の部分であまり作品世界に入り込むことができなくて(英語が難しかったからだと思う)、眠かったのを覚えている。
映像に迫力があったのは覚えている。これは見直さないと。

うろ覚えなので印象点
好み評価:☆☆☆

メトロポリス

メトロポリス
手塚治虫原作、りんたろう監督、大友克洋脚本。
原作が手塚治虫ってことではずれはないだろうということと、大友克洋が脚本でだけれども製作に関わっているということで興味を持って見に行った人が多いはず。自分もその一人。
未来のロボット社会におけるロボットの権利というか、人間のモノに対する感覚を批判的に描くお話。良いです。スタッフロールのあとにおまけがあった。

好み評価:☆☆☆1/2

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