21日に、Mは大学空手部の同期であるH薗が通っている道場、錬武会から防具付きの全国大会
に出場するというので応援しに行った。
防具付きの試合は、顔面にヘルメット状の防具を被り、軽い胴当てを着け、薄くも
頑丈なクッションの入ったグローブを着けて、腰から上をフルコンタクトで闘う。
技ありの判定は伝統空手のそれよりも少し深ければ入り、一本は上段への蹴りと、
ダウンによって取れる。ローキックが反則となっているところが、少々実践性に
欠けるが伝統空手や極真などの他のフルコンタクト空手よりもバランスの取れた、
よいルールだと思う。なにより、けが人がほとんど出ない。大学空手では、「寸止め」
とは言っても実際は当てなければ審判は取ってくれないし、一本の技と反則の技の
当たり判定が非常に微妙なため、必然的に怪我が多い。(大学は素面。)
試合中に医療班が呼ばれることはしょっちゅうであり、タンカが出ることも
ざらである。Mは大学空手ルールのこの特性から顎に怪我を持ち、今は全く試合に
出ることができない。錬武会のこのルールに、これなら試合に出れるかもしれない、と
期待を持ってしまった。
H薗は、昨年度3位、一昨年度準優勝の戦績を持ち、優勝候補の一角だった。
今年度の成長からしても、私見では会場の中でも最強だった。
が、安定して実力を出せないことがあり、今回は信じられないことに3回戦で敗退した。
もう見ることもないか、とがっくりしていると、その次の形の種目で、なぜかあっさり
優勝してしまった。大会パンフレットを見ると、これで二連覇四度目の優勝のようだった。
錬武会は形のレベルは決して高くないようだった。
団体戦には、大学空手部のN山がH薗の要請で半ば無理やり飛び入り参加した。
初めての防具付きでの試合らしかったが、見事に勝ち点に貢献し、勝ち上がった。
神奈川チームの結果は三位。優勝は常勝軍団の宮城だった。
大会の後、ホテルにて大会の打ち上げがあり、錬武会の人々と知り合ういい機会に
なった。カナダチームの二人と空手を通じて知り合えたことは特に印象深い。
今までは考えたこともなかった防具付き空手について、とても多くのことを考える
ことになった一日だった。
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