March 29, 2004
研究室で同期だった子と飯を食った。生意気で皮肉屋(本人は「正直」だと言っているが)だがファッショナブルで割と可愛らしい風貌の面白い女の子だ。
そんなに暇でもなかったんだけど思いついてしまったので、彼女のバイト先にちょっかいを出しに行く。某戸塚住民から、ある大手家電量販店でプリンターの売り子をしているとの情報を得て、売りつけられてみようかとプリンター売り場に足を運ぶ。が、他のお客さんと随分忙しそうだったので、横に居た別のお姉さんに商品説明をしてもらった。お金があったら危うく買いそうになった。横で普通に営業を続ける彼女の話が、普段からは想像もつかないほど親切な口調だったのがうける。結局彼女にも商品説明をしてもらい、三十分残業させる。
しかしこう改めて機会をもたないと、研究室では仲のいいほうだったと思うのだけど遊ぶことがなかったわけで。どうしてだろう、彼女も含めてもっと色んな人といろんなことをすればよかったかなと少し悔やむ。
帰り際に道端に置いてあった靴の写真。

どういう経緯でここにいることになったんだろうね、こいつは。
March 24, 2004
この春から、一年間頑張ってきた奥出研、二年間頑張ってきた印南研の両方をやめる。
奥出研は、ここほど拘束時間の激しいとこは思いつかないほどの場所で、それだけに学ぶことは非常に多かった。まだまだ学ぶところは沢山あって、ここを離れるのは結構な覚悟を要した。そして何より集まってる人間がおもしろい奴等ばかりだったために、その刺激を受けられなくなることが惜しい。
印南研は、僕が理工学部からSFCに転部する直接のきっかけともなったところでもある。チームamaltheaでは、この春から実務が始まり、近いうちに法人化もする。そういうことを目指してこれまで頑張ってきたわけだけど、何か違う、という危機感にも似たものを感じて、やめることにした。
これで卒業制作も出せないし、普通にしてれば院も行けない。そして就職活動もしない。
やりたいことだけを、とことん追求する。
さて、ここからが勝負だ。
March 23, 2004
初学会。
情報処理学会研究報告「情報システムと社会環境研究報告No.87」で発表した。
内容はもちろんアトバムについて。奥出研のチーム、「Stoic」の五人で作り上げたものだけど、今回はSんすけさんとUSJと僕の三人が論文を書き、発表した。
発表した論文タイトルは、以下の通り。
「集団の知的能力拡大ツールとしてのアルバム型デバイスとテーブルのデザイン」by Sんすけさん。
「ユビキタス時代の知的能力拡大:新しいペンツール」by USJ
「感動を増幅する美術館支援ツール利用により豊かになる美術館体験のデザイン」by 344
沢山の厳しいコメントを頂いたけど、それも僕らのプロジェクトに関心を持ってもらえたからなのかなと前向きに捉えてみる。みんな結構美術について考えてるんだなぁ。それにしても、外に出すことはいいことだ。当たり前のことだけど、自分達の視野の狭さを痛感させられる。課題と改善できることが次々に出てきて、少し興奮した。
これで、僕にとってのアトバムプロジェクトは終わるけど、このデバイスが理解されて世に出てこないかなと本当に思う。
Sんすけさん、USJ、Sumaki、亀さん、本当にお疲れ様です。楽しかった。
あーやっと春休みか。
March 19, 2004
ドリームゲートのメルマガで配信されたという一文。うちらのことくさい。
ドリームゲート○○です。
先日、ある事業プランコンテストに審査員として出席してきました。
参加した学生の皆さんが作成した事業計画書の完成度の高さ、
プレゼンテーションのうまさに驚きました。
「どうしてもやりたい、成し遂げたい」というマインドに、
これだけのスキルが加われば、鬼に金棒ですね。
今後ますます頑張ってください(^-^)/
いやぁ嬉しいね。頑張れamalthea.
March 16, 2004
シャープのモバイルラップトップ、メビウスムラマサ(MebiusPC-MT2-H1W)がまた壊れたので修理に出していた。けど修理したと言って、なおっていないものを返してきた。以下経緯。
去年夏、キーボードが日に日におかしくなっていく。メビウスMT2はとても薄いラップトップで、キーストロークの深さをかせぐためにラップトップを開くときにギミックでキーボードがせりあがる仕組みになっている。それが、せりあがってこないキーがだんだん増えていった。キーを叩いても、叩いた感触がなく、ふにゃっとした感触になり、キーは反応しない。すごく強く押せばたまに反応する。
去年九月、エンターキーとスペースキーとその他アルファベット10個くらいのキーが上の症状のようになって使用に耐えなくなったので、修理にだす。保証期間中だったのだが、「水滴の付着の後が見られる証拠写真がありますので全額お支払いいただきます」と言われた。(このお姉さんの対応がホントに感じ悪くてびっくりした。)仮にそうだとして、どうしてキーがせりあがってこなかったり、日に日にふにゃっとするキーが増えてしかも強くおせば反応する、なんてことになるんだろう。明らかにギミックの故障だったと思うのだが「証拠写真がありますので」の一点張りなのでやむを得ず支払う。
去年冬、今度は液晶が壊れる。よく持ち歩くので完全にメビウスがひどい機種、というわけではないが、壊れ易過ぎだろう。液晶がついたり、つかなかったりする。真っ白になったり、テレビの電波の入りが悪い時のような画面になる。しばらく使わなかったり、液晶の角度を変えると映ったりすることもある。ラップトップがないと作業も何もお話にならないので数ヶ月その状態で粘る。
今年二月、以前のキーの故障と全く同じ症状でaのキーが壊れる。今度こそ水滴なんて絶対についているはずがない。使用があまりにも不快なので修理に出すことを決める。電話したら、「はぁ、そういわれましても同じ故障ということですとお客様の使い方が悪い可能性が高いですし・・」と言われた。自分達の製品に欠陥があるのかも、という発想にはならないのだろうか。さすが目の付け所が違う。
ちなみに液晶の具合が悪くなって以来ずっと、机の上におきっぱなしで細心の注意でもってそれは丁寧に扱っている。
今年三月、作業が落ち着くタイミングを見計らって修理に出そうとバックアップをとろうとしたら、液晶が完全に沈黙した。もう何をやっても映らなかった。仕方ないのでそのまま修理工場に出す。
一週間後、「液晶が壊れてるとおっしゃいましたが、その症状が見られないので見込み修理をいたします、キーボードは交換します」と言ってきた。俺に対してマーフィーの法則が働いたか、こういうときに限って映るんだよね。修理後すぐに壊れたのが気まずかったのか、恩着せがましい言い方で無料でやってくれるとのこと。当然といえば当然のことだが、ちょっとほっとする。
一週間後、メビウスが戻ってくる。液晶は大丈夫になったようだった。しかし。呆れたことにキーボードの症状は全く改善されておらず。ブチキレタ。シャープは修理したあとそれが直っているかも確認しないで「直しました」と返すらしい。
そんで今日また苦情を入れた。丁寧にね。明日引取りにくるって。
一体何週間シャープは俺の仕事を遅らせれば気が済むんだろう。サポートは悪くないと思いますよ。でも今度何かあったら絶対に修理に出さない。新しいものを買う。そして、シャープ製品は二度と買わない。
みなさんもシャープ製品を買うときはお気をつけて。
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んで、結局もどってきたら、今度はスピーカーが壊れました。
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記念すべき百個目のエントリーは、「趣味オブザイヤー」の美術鑑賞について。
Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の、「モネ、ルノワールと印象派展」に行ってきた。(ここのサイト結構おもしろい)
渋谷で3時間ほど時間を潰そうかなと思っていたときに、トーマスクラウンアフェアを観た影響か、急に美術館に行きたくなった。
Bunkamuraミュージアムは評判悪いみたいだけど、いい絵はいい。照明がたしかにまずい気がしたけど、そんなことはまったく気にならなかった。
持ち歩いているクロッキー帳に感想やスケッチなんかをしながら観て回った。絵は描いたことないんだけど、おもしろかった。スケッチをしながら絵を見ると本当に発見が多い。気づいた点や気になった点なんかも書き込んでいく。アトバムがあったらなーと切実に思ってしまった。
やっぱり自分はルノワールよりもモネが好きだ。ピサロやシスレーやロートレックよりもやっぱりモネだ。何度もモネを見に戻ったな。結局2時間かけて観て回り、その後の30分はずっとモネの「アルジャントゥイユの鉄橋」の前にあるソファに座って眺めてた。ほんとに目の前にその光景が広がっているような、吸い込まれそうな、眩しい、凄まじいまでのインパクトを与える絵だった。
帰りに額絵っていうA4サイズの複製をちょっと高かったけど買って帰ろうと思ったんだけど、売り切れていて見本だけだった。しょうがないから絵葉書を記念に買って帰った。いつか複製でもいいから大きい奴を部屋に飾ってやる。
クロードモネ、アルジャントゥイユの鉄橋

夜は空手部の大学と塾高での同期を含めた全員での飲み会。3年ぶりくらいに渋谷で徹夜した。四月から就職するやつもいて、このメンツがみんな揃って騒ぐことはもう滅多にないんだろうなと思うと結構寂しい。けどまぁ、一生続く仲なんだろうから、あんま気にしないでおく。
ピアス・ブロスナン主演、「トーマスクラウンアフェア」を観た。

モネを盗む、という設定に興味を持って借りてきた。ブロスナンは、007というよりMrs.Doubtfireに出てくるあの印象なんでどんなだろ、と思ってたら、やっぱり007だった!物凄くかっこいいですよ、この作品でのすかしっぷりは。モネを盗むシーンとクライマックスのシーンはもう完全にジェームスボンドの身のこなしです。娯楽作品として、文句なしに楽しめる傑作。
4月2日の金曜ロードショーでやるみたいなので、是非観てみてください。お勧め。
好み評価:☆☆☆☆
March 13, 2004
今日相模原市が主催するビジネスプランコンテストで一位獲ってきた。
印南研でのチーム、Amaltheaで一年間練ってきたプラン、「クーポン打」で。
最優秀賞は該当者なしということで最高賞金までは手が届かなかくて、それが目標だっただけに非常に悔しかったけど、賞金だけじゃなく、一年間の創業支援として、あるコンサル会社の代表取締役の公認会計士の方が監査について色々と指導してくれるようになったり、とてもおもしろい結果になった。
表彰式の閉会の辞を、リーダーのdjkが急遽言わされていてウケた。

審査員にはドリームゲートの編集長の方とかもいらして、応援してくれると言って貰えたほど気にってもらえたのも嬉しい。他にも様々な人と話せて、多くの人に評価してもらえたり、応援してもらえて、自分達がやってきたことに対する自信を深めることができたことが一番よかったと思う。わけあって、念願の起業を前に自分はチームからの離脱を考えているのだけど、いい体験になったことに変わりはない。
打ち上げもメンバー全員揃って飲んだのは実は初めてで、なんとも楽しい一日の〆。
4月1日湘南台地域オープンの新サービス、「クーポン打」をどうぞよろしく。

March 08, 2004
「マニュアルだらけの時代である。ビジネスマンになるにも、つっぱりになるにも、マンガ家や将棋指しになるにも、マニュアルが用意されている。針路を決めたとたん、手引書に従ってコース通りに務めなければならない。
それがいやさに、針路を決めずに時間をかせぐと、結局どの辺に収まるかというマニュアルも出来ちまっている。
ぼくの前に道はない。自分は荒野に歩み出すのだと、一寸前の詩人は戦慄と気負いをこめて語った。自分達凡俗も、その言葉にそれなりの意気を感じた時代に比べて、今はなんと生きにくいのであろう。
ぼくの前には広い舗装道路が、それも大渋滞した道路しかない。横丁に踏み込んでも、そこにはタウンマップにとっくに登録済みの看板と店だらけ。立ちどまれば後から押され、こずかれ、ズルズル進んでしまう。損のないよう決められた道を進むしかない、そう感じている若者がなんと多いのだろう。」
宮崎駿
March 07, 2004
トニーレオン、アンディーラウ主演、「インファナルアフェア」を観た。

原題は「無間道」。仏教用語の無間地獄から来てる。無間地獄は確か一番最下層の地獄で、作中のメッセージにもあるけど、ずっと続く苦しみを味わうところ。infernal affairsは直訳すれば地獄の出来事、でちょっとタイトルと内容を結びつかせ辛いけど、英題のほうが響きはいいな。
とにかく脚本が凄い。警察とマフィアの対決モノなのに、アクションシーンが殆ど無い。それなのに物凄い緊張感。演出と脚本と複線の使い方が巧いからだろう。そして役者が渋い。ケリー・チャンとか主人公周りに何人か女優出てくるけど、はっきり言っていらない。この作品で初めてケリー・チャンちょっとかわいいと思ったけど。
プレビューで出てた次回作にも期待。
と思って今調べたらこれ三部作なのね。流行ってるのかな三部作・・・
一応三部で完結して、無間道3も香港では上映されたみたいなのであとは日本での公開を待つだけ。あー続き物は全部出てから一気に観るのが好きだったのに・・また吹き替え版借りてきてしまったし。
いずれにしろ、香港映画が久しぶりにやってくれました。
好み評価:☆☆☆☆
太宰治、「人間失格」を読んだ。

なぜか今まで太宰文学を避けてきたのだけど、読むものがなくなって本棚にあるこの未読の一冊を手にとった。走れメロスはすすんで読んだし、むしろ楽しんで読んだくらいなので太宰が嫌いなわけではない。まぁとにかく食わず嫌いは良くないなと思って前向きに読んでみた。
思ったよりも暗くない。暗くないけど、侘しい。人間が嫌いなのか、人間を何とかしたいのか、所謂「世の中」に対しての凄まじい批判が全編を通して感じ取れる。
文章は何故かとても好感がもてた。今度「斜陽」か「富嶽百景」を読んでみようかな。
自殺の直前の作品っていうのがだめなのかも。
March 04, 2004
「ヴィジョナリーカンパニー2、飛躍の法則」を読んだ。

バイトで依頼される資料作成の参考文献として読んだのだけど、これが非常におもしろい。ビジネス書だけど、人生一般に通ずるポイントが沢山含まれていた気がする。文中にも紹介されていたけど、スポーツチームなんかにはとくに応用が直接利く。いい本読んだな。
同じバイトの一環として以前「社長のための失敗学」を読んだけど、あれは分析が甘くてあんまためにならなかったな。
ジュール・ヴェルヌの傑作、「地底旅行」を読んだ。

偏屈な鉱物学教授とその甥が寡黙なアイスランド人猟師をガイドに地底世界へ冒険に出かける空想科学冒険小説。作中常にあらゆる幻想的な出来事に対して当時の科学知識でもって説明をつけようとしているところがおもしろい。当時から地球空洞説は否定されていたはずなのだが、それを知っている主人公たちが現実にその世界を目にして認めざるを得ない、ってな感じ。ほんとに夢があって大好きだ、こういう小説。人物描写も細かくて、序盤ストーリー展開がかなり遅いけど、伊達に150年近く読まれていない。随所に差し込まれている版画の挿絵も良かったし。
いい小説を読んだあとは気分が晴れるね。