Log No. 344

KOTOBA Log

December 22, 2005

GOOGLE黄金律

覚え書き。

GOOGLE Ten Golden Rules

Rules for Web Startups

December 09, 2005

自由とは

「自由とは、自分の意思で行動すること、自分の責任で行動すること、それを両立すること。」

初心を思い返す。

October 31, 2005

The Crow

crow.jpg今回は、ブランドン・リー主演「The Crow」について。クロウは94年の作品であり、バットマンのようにアメコミの超人気作品が映画化されたものだ。なぜか日本での知名度がイマイチなのだが、当時アメリカで中学生だった僕は、友達と一緒に当たり前のようにこの作品に夢中になった。子供っぽさがいやになり、「ダークな感じ」がたまらなくカッコよく思える、ちょっと擦れたい年頃だった。物語はハロウィーン前日、結婚を翌日に控えたエリック(ブランドン・リー)が恋人もろとも無残に殺され、一年後、墓の下から不死身の復讐鬼となって蘇る、というアクション悲劇(ホラーではない)。全体的に黒を基調とした映像で、ただの復讐アクションで終わらない見事な感情の演出、nine inch nailsやstone temple pilotsといったオルタナティブロックをBGMに使用し、"It can't rain all the time", "I say You move and you're dead!""And I say I'm dead. And I move...","This is not a good day for the bad guys." ・・・など愛情や皮肉がたっぷりの多くの名台詞を残した、とにかく当時としては最高にスタイリッシュな作品だった。

主演のブランドン・リーは、ブルース・リーの実の息子で、父とは違う独自の路線で成功できる実力を持っていたように思える。少なくとも本作品での演技は素晴らしいと思う。しかし、ブランドンにとって、このクロウが遺作となってしまう。撮影中、小道具のはずだった拳銃に実弾が混じっており、本番中、打たれるシーンで本当に死んでしまったのだ。そのため、この映画は一部代役や当時最先端の技術だったCGによる加工で完成されており、そのことも話題になった。そして、劇中エリックが結婚前日に死んでしまうように、ブランドン本人もまた、映画の撮影終了後に結婚式を控えていた。この事件の詳細については以下のリンク参照。

"From Triumph to Tragedy"

だけど僕は初めて見たとき、彼があのブルース・リーの息子だということも、彼がそんな事故でもうこの世にいないということも知らなかった。その恐ろしくも悲しげな姿とめちゃくちゃな強さがただただカッコよかった。彼が死んでいると知った時は本当に愕然としたのを覚えている。

ちなみに彼に魅せられて以来、中学高校と僕のハロウィーンの仮装は決まってクロウだった。いつまでたってもクロウは僕のハロウィーンのシンボルだった。今年もあるハロウィーンパーティに呼ばれた際に、実に6年ぶりの仮装だったけれども僕は特に考えることなくこのクロウメイクで臨んでみた。だけど、その場にいた誰もこのクロウを知らなかったんだ。「怖いピエロだね」とか言われて。やっぱりアメリカの外じゃ知名度低いんだなぁと痛感。それでもっとみんなにこの名作を知ってほしいと思い、普段は「最近見た映画」しか取り上げないんだけど、そんなわけで今回は特別に懐かしの映画を取り上げてみました。一押しの傑作映画です。

October 26, 2005

大連ビジネス。(あるアニメ制作会社の場合)

友人のY嬢が、政府の外資誘致部門からアニメ産業集積地管理部門へ転属したので、そこへ見学も兼ねて遊びに行った。

大連市は、日本企業等の生産工場の集積地区である開発区や、全国で五つある国家ソフトウェア輸出基地の一つに指定されているソフトウェアパークと言った、重点的にある産業を支援する政策で、それぞれの産業の成長を牽引している。現在ソフトウェアパークの第二期のプロジェクトエリアが建設中らしいが、ソフト開発、BPO(business process outsourcing)産業に続いて大連市が支援を開始した産業が、「アニメ・ゲーム」産業である。ハイテク区内にあるこの国家アニメ産業基地には、アニメ制作会社、ゲーム制作会社、CG制作会社の他に、それらの会社へ就職できる人材を輩出する専門学校も入っている。日本ではアニメ・ゲーム業界は下積み時代を辛い給与条件で過ごさねばならないらしいが、こちらではこれらは高給な仕事のようである。お昼時に見学に行ったので、若い人たちがぞろぞろと仕事場から出てくるところだった。

Y嬢によるとまだこの集積地に企業が入り始めて間もないらしいが、Y嬢の日本でのホームステイ先のお父さんがアニメ制作会社を経営しており、その人もこの集積地に合弁企業を立ち上げたという。大手商社での中国ビジネス経験豊富な先輩が中国という市場を「惨憺たる屍の山」と評する様に、大連でも多くの日本企業が失敗している。僕が大連に来て始めに籍を置いた会社も解散の憂き目にあっているし、僕が大連に来るきっかけとなった方の会社も、先月で撤退を余儀無くされている。そんな中アニメ制作という成功例をあまり聞かない分野での進出とあって非常に興味を持った。たまたまその経営者の方が大連に出張中だというので、Y嬢に紹介してもらい、会って頂けることになった。

有限会社ハルフィルムメーカー
春田克典氏

フラマホテルのロビーで合流し、四川料理屋へ。こちらから面会をお願いしておいてご馳走になってしまい恐縮だったが、食事の間の2時間、たっぷりお話を聞くことができた。驚くべきことに、彼にとって今回の合弁は初めてではなく、もうかれこれ14年ほど、大連でビジネスおを行なってきていたらしい。中小企業が、大連で14年間存続する。しかも、成功しているが故の新展開として、新たに合弁企業を立ち上げるわけだ。そして最も驚嘆に値するのが、「日本から仕事を振ったことは一度も無い」という事実。つまり、コストカットを目的に中国に進出しているのではなく、14年前から、純粋に中国向けの中国オリジナルアニメ作品を作り、売上を上げることを目的に行なわれているビジネスだというのである。

この方の説明によると、「確かに中国に日本アニメのファンはいるが、それはそういったものが中国に無かったから日本のアニメを見ているに過ぎない。中国人には、もっとみたいアニメがあるかもしれない。それを中国で、中国人のためにつくってこそ、中国でのアニメの発展がある」そうだ。そして、地元の有力な放送局と組み、実際に成果を上げている。実に頭が下がる発想である。中国側スタッフに対する愛情も感じることができた。実際にこの方の経営者としての先見性は広く認められているようで、日本の経済産業省や、フランスの文化庁等も、この方に協力を仰いでいるとか。日本のアニメ業界は慢性的な制作費の低迷の問題等で非常に苦しい現状にあるらしいが、それも彼曰く「はじめからターゲットを世界50カ国にすれば、市場規模は20倍、今の5倍程度の予算を取り付けることなど容易い」ということで、彼は実際に世界相手に十分な制作費で制作を行なっているという。小さな会社でも、大きなことをできるという希望を体現している。また、他にも、原作モノではなくオリジナル作品を多く成功させることで、製作者達に権利料等で収益を還元できるようにする、など、業界構造の問題等にも具体的な方策で取り組んでいる、まさに経営者だと感じた。

物腰も柔らかく、僕のような若造相手にも説教のようなことをすることなく、僕の意見や質問にも丁寧に応えてくださった、爽やかな方だった。次回に会えるのは何ヶ月か先になりそうだが、またお会いして、いろいろと吸収したい。

「モノやアイデアはコピーできても、その発想力をコピーすることはできない。発想力そのものが財産であるコンテンツビジネスに、コピーを恐れる必要はない。」 - 春田氏

WEBアニメスタイル;春田氏インタビュー
バンビジュ、ハルフィルム 欧州企業と共同制作(10/17)
アニメに憧れる中国の若者達
日本のアニメ制作現場の窮状

September 22, 2005

'You've got to find what you love,' Jobs says

友達が、悩める自分にこれを読め、と送ってきた。

アップルコンピューターやピクサーの創業者でありCEOである、Steve Jobsがスタンフォードの学生に向けて話したスピーチ。

いい話だった。

リンク切れするともったいないので、全文引用。備忘録として。

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September 12, 2005

一夜明けて

さて選挙は自民圧勝で終わりました。全議席の3分の2以上、参院を無視できる勢いを確保した。改革には勢いが必要になるだろうから、大勝したのは結構なんだけども、やはり拮抗勢力がいるのが国会の正しい姿のはず。民主がこれを機に再生するか、野党第一党により相応しい勢力が現れるか、どちらか早く実現して欲しいものです。

僕は見れなかったけど、民法各局はこの得票結果にも関わらず自民批判の嵐だった様子(国民を馬鹿扱い?)。最近のマスコミの偏向っぷりには気になるものがあるが、権力に対する抑止力としてはある程度必要な機能。正しい方向にその目が向けばいいのだけど。

以下、今回の圧倒的な自民政権になってしまったことで気になる先人の言葉。


「大衆は弱い権力には常に反抗しようとするが、強い権力には卑屈に屈服する」

「大衆は理性で思想を採用することはない。大衆は感情で思想を採用する。また、単純化された思想は模倣しやすく簡単に骨肉の一部となる」

「大衆は言説の論理に感動するのではなく、ある言葉が作り出す響きやイメージに感銘する」
                                          ギュスターヴ・ル・ボン


「大衆は無理解ですぐ忘れてしまう。だから理性で説得するのではなく、演説の内容は最低レベルの知的水準の者がわかるぐらい単純化されなければならない」 
                                          アドルフ・ヒトラー


「一般市民は我々が想像する以上に原始的である。したがってプロパガンダは常に単純な繰り返しでなければならない。諸問題を簡単な言葉に置き換え、
識者の反対などものともせずに、その言葉を簡明な形で繰り返し繰り返し主張する者こそ、世論に影響を与えるという最終的な結果を残すことができる」 
                                           ヨゼフ・ゲッベルス


もちろん小泉自民党が、こういった言葉に見られる手法のみで今回の勝利を得たと言うわけじゃないだろう。民主のふがいなさが最大の要因だと思う。それに、やっぱり僕らはそこまで愚かではないと思いたい。

ただ、最近第二次世界大戦に至る昭和史を詳しく勉強する機会に恵まれたのだけど、当時の主戦論の最大要因が「(マスコミによって煽られた)国民の熱狂」だったと知り、世論の恐ろしさを知った。(こんな簡単な書き方じゃなんのことかと思うかも知れないけど・・・)

今回の投票結果が、後世に衆愚政治と言われないよう、しっかりと考え、時に発言し、政権の監視役という国民の義務を果たして行きたいものです。

June 03, 2005

目を覚ませ

「everyday lifeが楽しいときって、大概それがeveryday lifeじゃない時だな」

-シンユウからのメールより

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May 13, 2005

Faust

「自由な民とともに、自由な土地の上に住みたい」

凡そ生活でも、自由でも、日々これを勝ち得て、初めてこれを享有する権利を生ずる。
だからここでは、子供も大人も年寄もそういう危険に取り付かれて、まめやかな年を送るのだ。
己はそう云う群を目の前に見て、自由な民とともに、自由な土地の上に住みたい。
己は「刹那」に向かって、
「止まれ、お前はいかにも美しいから」と呼びたい。
己のこの世に残す痕は劫を歴ても滅びはすまい。
そう云う大きい幸福を予想して、今己は最高の刹那を味わうのだ。

ゲーテ著「ファウスト」(森鴎外訳)より

December 18, 2004

没有不可能

Impossible is just a big word thrown around by small men who find it easier to live in the world they've been given than to explore the power they have to change it.
Impossible is not a fact. It's an opinion.
Impossible is not a declaration. It's a dare.
Impossible is potential.
Impossible is temporary.

Impossible is nothing.

Muhammed Ali


"Impossible is not a fact. It's an opinion"、この部分が一番好きだ。
周りからの"opinion"はあくまで"opinion"として。
不可能なんて、どうってことないのだから。

August 03, 2004

to be alive, or to be kept alive

「生きた根 生かされた根の 相違」

April 09, 2004

海亀通信より転載

非戦」にも寄稿されている早稲田の宮内先生のウェブページより。


 ―――――――――以下、転送歓迎します―――――――――

                            04.04.08

                宮内勝典
                http://pws.prserv.net/umigame/

 イラクで三人の日本人が拘束された。三日以内に自衛隊を撤退させなければ、その三人を殺すという声明が出されている。ついに、この時がきた。日本政府がどう決断をするか、すべてがそこにかかっている。

 ここが分水嶺になるだろう。

 自衛隊を撤退させたほうがいいと私は思う。むろん「テロに屈した」と国際社会の笑いものになるだろう。それでもかまわないじゃないか。世界史のテーブルに対して、経済大国・日本はこれまでどんなヴィジョンも理念も示した得たことがない。

 イスラエルが、ハマスの指導者をミサイルで暗殺したとき、国連は非難決議を取ろうとした。日本政府の答えは「棄権」であった。日本とはそういう国であると見なされているはずだ。自衛隊を撤退させるという腰抜けぶりをさらけだすことが、唯一、日本が世界に示しうるヴィジョンのように思われてならない。私たちは、笑いものになろう。積極的に笑われたほうがいい。笑われながら、覇権主義とは異なるありようを示せばいいのではないか。


 ――――――――――転送歓迎、ここまで―――――――――

March 24, 2004

二階に上げて梯子を外す

この春から、一年間頑張ってきた奥出研、二年間頑張ってきた印南研の両方をやめる。

奥出研は、ここほど拘束時間の激しいとこは思いつかないほどの場所で、それだけに学ぶことは非常に多かった。まだまだ学ぶところは沢山あって、ここを離れるのは結構な覚悟を要した。そして何より集まってる人間がおもしろい奴等ばかりだったために、その刺激を受けられなくなることが惜しい。

印南研は、僕が理工学部からSFCに転部する直接のきっかけともなったところでもある。チームamaltheaでは、この春から実務が始まり、近いうちに法人化もする。そういうことを目指してこれまで頑張ってきたわけだけど、何か違う、という危機感にも似たものを感じて、やめることにした。

これで卒業制作も出せないし、普通にしてれば院も行けない。そして就職活動もしない。
やりたいことだけを、とことん追求する。


さて、ここからが勝負だ。

March 08, 2004

miyazaki, our spokesman -"Kotoba Log"

「マニュアルだらけの時代である。ビジネスマンになるにも、つっぱりになるにも、マンガ家や将棋指しになるにも、マニュアルが用意されている。針路を決めたとたん、手引書に従ってコース通りに務めなければならない。
 それがいやさに、針路を決めずに時間をかせぐと、結局どの辺に収まるかというマニュアルも出来ちまっている。
 ぼくの前に道はない。自分は荒野に歩み出すのだと、一寸前の詩人は戦慄と気負いをこめて語った。自分達凡俗も、その言葉にそれなりの意気を感じた時代に比べて、今はなんと生きにくいのであろう。
 ぼくの前には広い舗装道路が、それも大渋滞した道路しかない。横丁に踏み込んでも、そこにはタウンマップにとっくに登録済みの看板と店だらけ。立ちどまれば後から押され、こずかれ、ズルズル進んでしまう。損のないよう決められた道を進むしかない、そう感じている若者がなんと多いのだろう。」

宮崎駿

February 24, 2004

hommage

この前ロードトゥパーディションを見たのだが、それについて書いたエントリーを読んだ物知り玄地屋が面白いことを教えてくれた。

この映画、あの子連れ狼へのオマージュだっていうんだ。

トムハンクス→拝一刀
その息子→大五郎

なるほど。言われてみればたしかにストーリーもまんまだ。パーディションっていうのは、作中に出てくる目的地の地名なんだけど、つまり普通に読めばその目的地への道、っていうタイトル。だけど、地獄に落ちる、とかそういう意味もある。地獄への道。そんで、子連れ狼で繰り返し使われるナレーションに、「冥府魔道を行く親子」とあるらしいから、タイトルから子連れ狼リスペクトだったんですね。おもしろい。

子供の頃父親とよく見て、拝一刀の胴太貫に憧れた。最強の日本刀だと思ってた。あと、大五郎の操る乳母車は一種の戦車だと思っていた。(ゆえに半分ギャグ映画だと思っていた)

映画しか見たことないけど。原作は漫画だったんだ。
wolf.jpg
アニメ@niftyのウェブサイトより

パクりではなく、リスペクトな証拠に、映画自体がアメリカのビジュアルノベルの映画化で、そのビジュアルノベルの冒頭に、しっかり子連れ狼の原作者の言葉が書いてあるそうな。

「道は自分で選ばなくてはならない」 小池一夫

words to live by

可能性を、現実に変える。

January 30, 2004

風姿花伝 -"Biblio Log"

世阿弥著、風姿花伝を読んだ。原文と、解説と考察つきの文庫本両方。

この世阿弥という人、信じ難いほど人間を研究している。風姿花伝は14世紀から15世紀にかけて能の技術や精神をできるだけ後世に伝えるためにかかれたわけだけれども、現代においてもそのまま通じる普遍的な価値観をあちらこちらに読み取ることができる。能とは縁がない自分から見ても、参考になることばかり。とりわけ、人間を育成するための温かい考え方は今の日本の教育者に読んでもらいたいと真剣に思った。他にも、感動という現代科学でも十分な研究成果が出ていない感情に関する考察や、美とはなにか、ということに関する彼なりの結論など、当時の、というより彼の研究の質の高さが伺える。

備忘録に。
・稽古は強かれ、情識はなかれと也。
・時分の花をまことの花と知る心が、真実の花に猶遠ざかる心也。
・陰陽の和する所の境を、成就とは知るべし。
・一切の事に序破急あれば、申楽もこれ同じ。
・上手は下手の手本、下手は上手の手本。
・花は心、種は態(技)なるべし。
・花と、面白きと、珍しきと、これ三つは同じ心なり。
・秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず。
・因果の花を知る事。極めなるべし。

January 28, 2004

the serenity prayer

serenity prayerという有名な祈りがある。Niebuhrという神学者がある教会で行った説教が評判となり、第二次世界大戦時には兵士にこの言葉を書いたカードが配られたり、アルコール依存症患者の断酒会のモットーとなったりといった経緯を辿って広まったものらしい。

God grant me the serenity
to accept the things I cannot change;
courage to change the things I can;
and wisdom to know the difference.

日本語に意訳すると、

神よ、
変えられないことを受け入れる冷静さを、
変えられることはそれを変える勇気を、
そして両者を見分ける智慧を授け給え。

となる。自分はキリスト教徒ではないが、とてもいい言葉だと思う。
現状を打ち破り、変化に身を晒すことは辛い。自分自身も、周りとの関係も、自分を取り巻く状況も、そのままでいることのほうがはるかに楽だからだ。けど、それが後悔しない道かといえば、きっとそうではない。少なくとも自分にとっては。

この言葉を、今の自分に相応しいように変えてみる。

願わくは、
自分にできないことを受け入れる謙虚さを、
できることはそれを実行する勇気を、
そして両者を常に見分ける賢明さを身につけられんことを。

January 23, 2004

beauty in the music -"KOTOBA Log"

「それにしても音楽の美とは何とふしぎなものだ!吹奏者が成就するその短い美は、一定の時間を純粋な持続に変え、確実に繰り返されず、蜻蛉(かげろう)のような短命の生物をさながら、生命そのものの完全な抽象であり、創造である。」

三島由紀夫、金閣寺

January 20, 2004

stalwart

空手部OB、昭和29年卒の望月先輩の御宅に伺った。空手や体育会の在り方、その他先輩が
学生に伝えたいこと、を聞きにいくためだ。

印象に残っているのが、先輩の正義感についての話で、ある見知らぬ人が天皇に対して不敬な
発言をした祭に本気で怒ったという話。その時の、昭和天皇はいかに尊敬に値する人だったか
という話(マッカーサーに自分はどうなってもいいから国民に食糧をと懇願しに行ったエピソード)
をしている際に先輩が涙ぐんでいたこと。敬愛の念が伝わってくる。そういった感覚は僕らの
世代にはわかりにくいかもしれないが、その時は素直にその気持が理解できた。

空手以外にも、体育会の美学、慶應義塾の精神、戦争の話、と貴重な話を沢山聞けた。

備忘録として。

・責任感と正義感。
・守・破・離 基本を守り、型を破り、思うままに行動すればそれが最適、という状態になる。
・突きはまっすぐでなくともよい。そうでなくとも威力を出せなくては意味がない。
・歴史を勉強するということ。何かを成し遂げる人間は自分の国に対する意識が高い人が多い。
・体育をやる人間が学問をやるのではない、学問を修めるものが体育をやる
・自由とは。自分の意志で行動すること、自分の責任で行動すること、これを両立すること。

望月先輩の著作:空手の由来

ちなみに、先輩宅は150年の歴史を持つ和菓子屋でもあり、最初にドラ焼きを作ったところ
でもあるらしかった。そのドラ焼きと、そこの最中を頂いたのだが、異様に美味かった。
びっくりした。

December 22, 2003

"KOTOBA Log" -Mother Teresa

カルカッタで訪れた「死を待つ人の家」など多数の無償看護施設を主宰する
Missionaries of Charityという修道院のカルカッタ支部、故マザーテレサの
家でもあった通称マザーハウス。ここの地下にはマザーの墓があり、今も彼女は
そこで眠っている。

小学校高学年の頃、マザーテレサの伝記を読み、尊敬する人物を聞かれては
よくマザーテレサを挙げていた。もちろん今でも尊敬している。

イラク関連のリンクを辿っていると、マザーの言葉にぶつかった。


「みんなになぜ、あなたは反戦運動に参加しないのですか?

と私はよく聞かれます。

私は反戦運動には絶対に参加しません。

でも、平和に賛成する運動があれば、

すぐに参加します。」

マザーテレサ

December 07, 2003

Let's turn on the imagination

Nのブログエントリーから転載する。
日本の自衛隊派遣については様々な問題が絡んでいる。
自分も一国民として、政治家が決めることで学生の自分には関係ない、という態度は
とりたくない。自分の意見は、”派遣に賛成”、である。理由は、色々あるが、
最も素直にそう思えたのが、現地にいる日本人のことを想像した時だ。
自分がもし海外の戦地に身を置いていたら、祖国の兵士(と呼んで差し支えないだろう)
が来てくれることを非常に心強く思うだろう。
しかし、当然のことながら、あらゆる問題には、たくさんの側面があるわけで。
この文章を読んで、もう一度想像力をかきたてて、考えてみようと思った。

Log No. 24

                    December 5,2003

  あるイラク人から、日本人への手紙【転送歓迎】
                http://pws.prserv.net/umigame/
 NGO活動をしている友人が、バグダッドから送られてきたメールを転送してくれ
ました。Yahoo Japan で、日本のNGO団体のメールアドレスを見つけて発信してき
たそうです。
 一読して、激しく胸を揺さぶられました。ぜひ、多くの日本人に読んでもらいたい
と思っていたところ、友人から二信目が届きました。
 バグダッドにメールを送り、本人に確認したところ、公表してもいいという返事が
あったそうです。さっそく、ここに転載します。NGOメンバーたちによる翻訳を添
えます。
 訳文では、原文 Please という一語が省略されていました。その Please という
言葉に、切実な叫びがこもっていると感じられますから「どうか」という言葉を(原
文通り)二か所に挿入しました。さらに、読みやすく改行をほどこし、一部、訳文を
補いました。

 発信者に危害が及ばないように、名前の部分だけ●●●●で消しました。あとは、
すべて原文のままです。文末の Rei とは、空手を習っているというので、おそらく、
日本語の「礼」のことだろうと思います。


 I have found your email address from Yahoo Japan. My name is Mr. ●●●●
and I am a high school teacher living in Baghdad, Iraq. I have learned
Karate and Japanese language and I always respected Japan and Japanese
people.

 It was terrible news for us that Japanese Army is coming to Iraq to help
US invasion. I have never supported Saddam Hussein but US is nothing but an
armed robber. They are killing Iraqi every day and no ordinary citizen
supports them.
 Now, more and more people are taking part in resistance movement. They are
not terrorists or remnant of old regime, just normal people. Imagine how
people would act if any country invaded Japan. Exactly the same thing is
happening here.
 Iraqi should be the one to reconstruct Iraq, not the invaders.

 Do not come to Iraq as a US allied invasion troop! Iraqi respects Japan
but if the army comes now, Japan will become the enemy of Iraqi and whole
Muslim.
 Every Iraqi will feel deeply disappointed to Japan, a great nation who has
never been hostile to Muslim in the past. Supporting US is absolutely not
worth all these losses including Japanese people’s life. We welcome Japan
after the invaders are gone, but strictly not now.

 Please tell our real feelings to Japanese people. Japanese army should not
invade our country! I love Japan so please, please, do not be our enemy. We
hope Japan will take the right decision as an independent country.

  Rei,
  Baghdad, Iraq


 私は、Yahoo Japan で、あなた方のメールアドレスを見つけました。私の名前は●
●●●といい、イラクのバグダッドで暮らす高校教師です。
 私は、空手と日本語を学びました。私はいつも、日本および日本の人々を尊敬して
います。

 米国の侵略を支援するためにイラクに日本の軍隊が来るというのは、私たちにとっ
て恐ろしいニュースでした。

 私は、サダム・フセインを支援したことはありません。しかし、米国は武装強盗で
す。彼らは、毎日イラク人を殺しています。そして、普通の市民はだれも彼らを支持
していません。今、ますます多くの人々が抵抗運動に参加しています。彼らは旧体制
の残党でも、テロリストでもなく、普通の人たちです。

 もし、仮にどこかの国が日本を侵略したとしたら、人々がどのように行動するか想
像してください。まさしく同じことが、ここで起こっているのです。イラクを再建す
るのは、イラク人であるべきです。決して、侵略者ではありません。

 米国の連合軍としてイラクに来ないでください。イラク人は日本を尊敬しています
が、今、日本の軍隊がイラクに来れば、日本はイラク人とイスラム教徒全体の敵にな
るでしょう。すべてのイラク人が、日本に対して失望するでしょう。偉大な国である
日本は、過去の歴史においてイスラム教徒と敵対したことがなかったからです。

 米国を支援することに、日本人の生命を含め、あらゆる損失を被るだけの価値はま
ったくありません。侵略者が去った後なら、私たちは日本を歓迎します。しかし断じ
て「今」ではないのです。

 どうか、日本の人々に、私たちの本当の気持ちを伝えてください。日本の軍隊は、
わが国を侵略してはなりません!

 私は日本を愛しています。ですから、どうか、私たちの敵にならないでください。
私たちは、日本が独立した国として正しい決定をすることを願っています。

                   ●●●●
                   バグダッド、イラク

December 02, 2003

"KOTOBA Log"

「空手に極意なし。ひたすら足元を見詰め、一拳、一蹴に
流す汗の中から多くの反省とわずかな進歩を見出せ」

November 26, 2003

Regrets

11月24日、空手の全日本大会があった。

一年間、全てはこの日のための努力。
僕ら4年生にとっては最後の大会であり、選手たちには、その4年間の集大成となる。

今年の慶應はこの十数年で最も練習し、もっとも強くなったと言われていた。
3回戦に控える近畿大学との試合に勝つことは現実味を帯びていた。

しかし結果は、想像よりもはるかに厳しかった。

一回戦、
「大会規定の黒帯を、チーム全員が所持していないため、失格とする。」

慶應は、戦わずして負けた。

慶應の黒帯は、審査団体を兼ねる慶應のOB会から贈られる。
通常の空手会の初段は、慶應では茶帯の実力である。それほど慶應で初段を
とることは厳しく、だからこそ、それは逆に誇りにもなった。
チームプライドの象徴でもあったはずだ。

その誇りがこんな形で裏目に出るとは、考えられなかった。
いままで指摘を受けたことはなかった。指摘を受けている人も見たことはなかった。
しかしルールはルール。抗議は通らなかった。

呆然として控え室に戻った選手と、僕らサポートにまわっていた選手を集めて、
コーチは涙を浮かべながら、
「四年、すまん」
と手をついて謝った。別にコーチや監督のせいだとは誰も思っていなかったが、
その瞬間、ただ呆然としていただけのみんなの目から一斉に涙がこぼれた。

泣くのは、優勝の嬉し涙か、やりきって及ばないときの悔し涙だと思っていたけど、
これは何の涙なんだと思っていた。

僕は、今まで4年間この日だけのためにひたすら打ち込んできた同期の選手とは違うから、
自分が泣くわけにはいかないと思って必死でこらえていたけれど、
稽古中は鬼のように厳しくドライでどんなに負けても勝っても感情を表さない
主将のH薗が下を向いて顔をごしごしと拭っているのを見たとき、どうしようもなく
泣けてしまった。

どうあがいてもやりなおせない、次もない、報われない。
あんなに苦しんで頑張ってきた彼らに、なんらかの結果を出させて欲しかった。

ふと、コーチのコトバが頭をよぎる。

「運命は、勇者の味方をする。」

July 29, 2003

M, that's another astonishing words you got

友人のNここで紹介している、ある無名兵の詩の原文を見つけた。Nに。

To My Enemy

I cannot see you through the blinding sand,
I only hear your bullets whine and sing.
The day is ending and the night will bring
Us close together here in this strange land.
Each trained to kill and in each nervous hand
Strong tools of death, with striker, fuse and spring:
If we should meet tonight the steel will ring
And we may die before we understand.

But at the end when all our debts are paid,
Should we live on - being too strong to die;
When men grow weary of a lost crusade
And leave their lifeless cities to the sky -
There may be then some place where you and I
Can meet again - unarmed and unafraid.

"N78508"

M, stop and think for a moment

友人にこんな詩を教えてもらった。威力のある詩だ。

「自分の感受性くらい」
             茨木のりこ

 
ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて

 

気難しくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

 

苛立つのを

近親のせいにはするな

なにもかも下手だったのはわたくし

 

初心消えかかるのを

暮しのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった

 

駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄

 

自分の感受性くらい

自分で守れ

ばかものよ

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