Log No. 344

filled with veneration

ここ数年、週に1,2度のペースでお会いしている方がいる。自分が卒業する2005年より、57年前に同じ大学、同じ部活を卒業された、大先輩である。

道場につくと、誰よりも先に来ていて、掃除を済ませている。本来それは学生や後輩のすべきことだ。先輩にさせては、と思い次の時もっと早く来てみれば、その次先輩はもっと早く来ている、ということもあった。今でも掃除、片付けは率先してされている。

誰も持たない備品などの荷物も、率先して持っていく。

誰に対しても謙虚で、相手がどんな年代でも、とても丁寧に接する。

縦の関係の厳しい体育会の中にあって、なかなかできることではない。

優しいだけではなく、子供達が礼を失したり、間違いをやらかせば、厳しく叱る。

常にご自身の強い意見を持っておられ、話題も豊富だ。

自分がこれまで出会った、多くの尊敬すべき方々の中でも、一際自分が尊敬してやまないのがこの方だ。

よくこの先輩や、他の先輩方と一緒にお酒やラーメンをご馳走になるのだが、そのときをいつも自分はとても楽しみにしている。

今日、その先輩から突然携帯にメールが入った。「読んだことはないのでアドバイスはできないが、こんな作品がある。今暫く調べて何か探せたらまたお知らせします」というものだった。いくつか大江健三郎の作品のタイトルがリストされてあった。

この前、その先輩が大江健三郎の文章が好きだ、という話をされていて、自分も読んでみたいという話をした。先輩は大江の長編小説を読んだことはなかったそうで、じゃあどんな作品から手をつければ良いか、という話だった。それを覚えておいてくれたのだ。

以前も、僕が興味を持ちそうな新聞の切り抜きを持ってきてくださったり、昔の空手のビデオが見たいなぁと誰にともなくふと呟いたら、数週間後持ってきて下さったりした。

今回のメール、こういう先輩の何気ないご好意が本当に嬉しかった。思いがけなかっただけに余計嬉しい。最近の日常で、こんなに嬉しいと思うことはなかなかないので、記念にエントリー。

Posted by 344 at December 06, 2004 10:14 PM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

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