Log No. 344

Art Log

May 20, 2006

能楽堂デビュー

帰国中、兼ねてより一度見てみたかった「能」を鑑賞する機会を得た。

こんなウェブサイトで予習してから行った。
能の誘い

行ったのは、渋谷区松涛の住宅街にある「観世能楽堂」
観世能楽堂ウェブページ

当日券での観劇のため開演時間より1時間早く会場へ赴く。この日の演目は年間でも特に席代が高かったらしく、一人8400円した。

kanze.jpg今回見られた演目は以下の三つ。
・能 「敦盛」   関根 祥人
・狂言「文荷」   野村 萬
・能 「隅田川」  梅若 万三郎

今回初めて知ったのだけど、「能」というのは幽霊との対話がとても多いらしく、この「敦盛」も平家物語の英雄である「敦盛」の霊が登場する。ちなみに織田信長がよく口にしたという「人間五十年〜」という文句は「敦盛」の台詞らしいが、あれは能ではなく「幸若舞」という芸能の演目である「敦盛」らしい。

今回能を見て、まず思ったのが、「現代の一般的な感覚では、これはエンターテイニングではない」ということ。かなり、相当、真剣に、眠かった。周りを見回しても、寝てる人が大量にいた。事前予習のサイトにも「眠くなったら寝てもいいです」とか書いてあるし。

台詞回しはお経のような独特の口調なんだけど、慣れてくるとそれが非常に単調に聞こえてくる。古語なので台本に目を通しながらでないと聞き取れない。異様に台詞回しもゆっくりなので、台本を見ていて言うことが分かってると、永遠に話が進まないように感じられて眠くなるのだ。歌や踊りのような、盛り上がるようなイベントも少ない。「敦盛」ではクライマックスに非常に見ごたえと迫力のある素晴らしい舞があって、あれには興奮したけれど。「隅田川」ではそのようなパフォーマンスは一切無かった。

狂言の「文荷」は、とても分かりやすいコメディーでとても楽しめた。能とは打って変わって登場人物の表情が豊かになって、台詞も口語だからなのか途端に聞き取りやすい。昔も今も笑うところは同じだったんだなぁと不思議な感慨があった。「敦盛」のクライマックスに続き、この狂言で完全に目が覚めたのか、「隅田川」はしっかりと最後まで集中して見ることができた。(と言ってもやはりそんなに「面白い」というところまでは思えなかった)

というわけで、能は自分には非常に眠い芸術だった。ただ、その眠気たるや、普段感じることができないほどに甘美な眠気で、もしかしたら周りで爆睡していた年配の方々はそのために能楽堂に足を運んでいるのかも・・・なんて冗談ではなく思ったりした。もうちょっと能が分かるようになったらもっと楽しめるのかもしれないなと思いつつも、やはり何年かに一回見られればいいやととりあえず思ってしまうのでした。

January 09, 2006

Impressionists in Shibuya

hanasaku.jpg久々に結成したelena嬢との美術鑑賞チームで行ってきましたBunkamuraの「渋谷で出会うポーラ美術館の印象派コレクション展。」

前にも書いたかもしれないけど僕は印象派がとっても大好き。ニホンジンらしいとかミーハー的と言われても大好き。中でもとにかくモネが大好きなのです。現実の風景かと見紛うあの究極の写実っぷりと時間とか風とか止まらないものを止まらないまま描き込めたあの技巧がたまらない。ポーラ美術館はモネの絵を沢山所蔵していると聞いていたので飛びつきました。大連ではこういう機会がなかなか無く、丁度帰国している時にこんな企画があったのはまさに僥倖。Bunkamuraは展示の仕方(照明とかガラス付きの額とか)がイマイチだと思ってるんだけど、印象派の巨匠達の絵はさすがにどんなに演出がまずかろうと圧倒的な存在感で迫ってくるのでした。画像は中でも心を奪われた「アルジャントゥイユの花咲く堤」、もちろんクロード・モネの作。

お目当てのモネ以外にもドガ、ルノワール、ピサロ、シスレー、セザンヌ、ゴッホ、ボナール・・・などなど、全体的に見れば少ない展示作品数と短い時間でもあっという間におなか一杯になれる超豪華なコレクション。ポーラ美術館恐るべしである。コレクションが偏ってるとか色々言われてるけど、いつかちゃんと行ってみようという気になった。

しかし生でモネを見れたのは2年近くぶり。しかも前回もBunkamura。そう考えると、もっとちゃんとしたところで色んな作品を見たいと思えてくる。短い出張帰国でそういう機会が訪れるのはいつになるかわからないけど、チャンスがあったら逃さず行ってやる。

September 24, 2004

Rinpa

elena嬢との恒例tripで、今回は東京国立近代美術館、「琳派 RInpa」展へ行った。

今度の琳派は違う、と銘打ったこの企画展。一枚目の作品にクリムトを持ってくるところから、それが大胆な試みであることが伝わってくる。尾形光琳、俵屋宗達、本阿弥光悦という琳派の巨匠から、近代は加山又造まで(加山又造が琳派の流れというのは今回始めて知って、前回この場所で加山の絵と会った時の感動と重なり物凄い驚きだった。言われてみれば極めて「琳派的」だ)という琳派の壮大な歴史を追うと共に、「琳派的」というキーワードから、半ば強引にマティスやクリムト、ウォーホルといった西洋美術を登場させる。集まった作品も、素人目にも粒ぞろいで、息をつく間もないほどに感動させられっぱなしだった。

琳派というこの様式美、日本の美的感覚を持つ人にはきっと誰にだってたまらない、そんな展示。

中でも印象的な作品の覚書。
尾形光琳 燕子花図
本阿弥光悦筆、俵屋宗達下絵 色紙貼付桜山吹図屏風
宗達 狗子図
光悦筆、宗達下絵 鶴下絵三十六歌仙和歌巻
下村観山 白狐
坂井抱一 月に秋草図屏風
鈴木其一 朝顔図屏風
前田青邨 水辺春暖
加山又造 千羽鶴
グスタフ・クリムト 裸の真実

10月3日まで。行ってない人は必見!

July 30, 2004

Wifredo Lam

チーズを食べにいったあの日、思いがけずちょっと遅めの誕生日プレゼントを頂いた。

開けてみると、ウィフレド・ラムの画集が。

ラムはよく知らない画家だったが絵は何度か見たことがある。実物も一度。
抽象画、キュビズムの流れを組んでいると思われる画風。解説を読むと、彼はキューバ出身で、スペイン人と中国人の血も引いている。西欧の伝統とアフリカのスピリチュアリズムを融合させた最初の画家だとか。
キュビズムの画家はピカソしかしらなかったので、キュビズム入門のいい機会だ。

プレゼントとして素敵すぎる。力強い。是非もう一度実物を観てみたい。

添えられたメッセージに同封されていたのは名刺。十年以上の付き合いで初めてもらった名刺は、やけに新鮮な手触り。

June 22, 2004

Hokusai

elenaとの美術鑑賞チームで太田記念美術館へ行きました。

浮世絵の美術館ということで、北斎、写楽、広重、歌麿などの巨匠の絵を見ることができるかとわくわくしながら到着すると、その日は北斎展の日でした

一人のアーティストを特集した展示は好きだ。その人の人生の様々な時点の様々な作風を追うことができる。今回の北斎展も実に充実していて、他の巨匠の作品を見られなかったことは少々残念ではあったけれど、それを補って余りある興奮を味わいました。

北斎がこんなに多種多様な絵を書くとは知らなかったので驚いた。
漫画のような絵や、妖怪を描いたシリーズなど。おならしてる人の絵とか相当うけた。

特に気に入ったのは、有名な富嶽三十六景のシリーズと、肉筆画帖のシリーズ。
富嶽三十六景では「神奈川県沖浪裏」と「山下白雨」
肉筆画帖では、「鮎と紅葉」と「鷹」

色使いが息を呑むほど鮮やかで、その構図の大胆さに本当に驚かされる。

言わずと知れた「神奈川県沖浪裏」
hokusai1.jpg

北斎は多くこのパターンを使っていたが、絵の最上部に使われている真っ青な空の色に惚れた。「山下白雨」
hokusai2.jpg


美術館に向かう途中、オハイオの頃の補習校の女友達を偶然見かける。声をかけたらこれからまた別のオハイオの頃の友人たちと会う予定だと言うから30分ほどお茶をご一緒した。またしてもかなりスペシャルな一日。

June 13, 2004

MOMAT

モンゴルから帰ってきた翌日、E奈嬢改め、elenaと国立近代美術館に行った

国立近代美術館ウェブサイト

elenaとはこのまえ、定期的に近辺の美術館を巡り楽しむチームを結成し、今回がその第一回目。

地下鉄の竹橋駅から地上に上がると、目の前に皇居の堀と美術館。学生は常設展をたった130円で見ることができる。まずこの値段に驚いた。

中身は130円では安すぎるほど濃いものだった。特に気に入ったのは特集を組まれていた佐伯祐三と加山又造。加山又造は今まで聞いたこともなかったのだが、圧倒的な技術と独自の世界観とに圧倒された。なかでも「春秋波濤」という作品には格別に惹かれた。この加山氏、今年の四月に亡くなってしまわれたそうで、なんとも惜しい気持ちになった。リャドの作品と出合った時もそうだったけど、やっと出会えたと思えた作品の世界が、もうこの世に出尽くしてしまっているという事実が、なんとも残念でならない。

これは題名こそ同じ「春秋波濤」だが、微妙に違う、別の作品。参考までに。
shunshuuhatou.jpg

休憩室なども景色が良くて落ち着くし、展示の内容は素晴らしいし、静かで涼しい、国立近代美術館は素晴らしいところです。

その夜はelenaとお台場の良いレストランでタダ飯を食い、その後渋谷でR子と合流して三人でコーヒーを飲んだ。R子とは高校卒業以来まともに話していなかったので、お互いの三年間を絵で表現する、という方法で報告し合った。

美術鑑賞に始まり、旧友との交流を温めて終わる、いい一日だった。

March 23, 2004

farewell to team stoic

初学会。

情報処理学会研究報告「情報システムと社会環境研究報告No.87」で発表した
内容はもちろんアトバムについて。奥出研のチーム、「Stoic」の五人で作り上げたものだけど、今回はSんすけさんUSJと僕の三人が論文を書き、発表した。

発表した論文タイトルは、以下の通り。
「集団の知的能力拡大ツールとしてのアルバム型デバイスとテーブルのデザイン」by Sんすけさん。
「ユビキタス時代の知的能力拡大:新しいペンツール」by USJ
「感動を増幅する美術館支援ツール利用により豊かになる美術館体験のデザイン」by 344

沢山の厳しいコメントを頂いたけど、それも僕らのプロジェクトに関心を持ってもらえたからなのかなと前向きに捉えてみる。みんな結構美術について考えてるんだなぁ。それにしても、外に出すことはいいことだ。当たり前のことだけど、自分達の視野の狭さを痛感させられる。課題と改善できることが次々に出てきて、少し興奮した。

これで、僕にとってのアトバムプロジェクトは終わるけど、このデバイスが理解されて世に出てこないかなと本当に思う。

Sんすけさん、USJ、Sumaki、亀さん、本当にお疲れ様です。楽しかった。

あーやっと春休みか。

March 16, 2004

The Two Great Impressionists

記念すべき百個目のエントリーは、「趣味オブザイヤー」の美術鑑賞について。

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の、「モネ、ルノワールと印象派展」に行ってきた。(ここのサイト結構おもしろい)

渋谷で3時間ほど時間を潰そうかなと思っていたときに、トーマスクラウンアフェアを観た影響か、急に美術館に行きたくなった。

Bunkamuraミュージアムは評判悪いみたいだけど、いい絵はいい。照明がたしかにまずい気がしたけど、そんなことはまったく気にならなかった。

持ち歩いているクロッキー帳に感想やスケッチなんかをしながら観て回った。絵は描いたことないんだけど、おもしろかった。スケッチをしながら絵を見ると本当に発見が多い。気づいた点や気になった点なんかも書き込んでいく。アトバムがあったらなーと切実に思ってしまった。

やっぱり自分はルノワールよりもモネが好きだ。ピサロやシスレーやロートレックよりもやっぱりモネだ。何度もモネを見に戻ったな。結局2時間かけて観て回り、その後の30分はずっとモネの「アルジャントゥイユの鉄橋」の前にあるソファに座って眺めてた。ほんとに目の前にその光景が広がっているような、吸い込まれそうな、眩しい、凄まじいまでのインパクトを与える絵だった。

帰りに額絵っていうA4サイズの複製をちょっと高かったけど買って帰ろうと思ったんだけど、売り切れていて見本だけだった。しょうがないから絵葉書を記念に買って帰った。いつか複製でもいいから大きい奴を部屋に飾ってやる。

クロードモネ、アルジャントゥイユの鉄橋
monet_argenteuil.gif

夜は空手部の大学と塾高での同期を含めた全員での飲み会。3年ぶりくらいに渋谷で徹夜した。四月から就職するやつもいて、このメンツがみんな揃って騒ぐことはもう滅多にないんだろうなと思うと結構寂しい。けどまぁ、一生続く仲なんだろうから、あんま気にしないでおく。

The Thomas Crown Affair

ピアス・ブロスナン主演、「トーマスクラウンアフェア」を観た。

tcrowna.jpg

モネを盗む、という設定に興味を持って借りてきた。ブロスナンは、007というよりMrs.Doubtfireに出てくるあの印象なんでどんなだろ、と思ってたら、やっぱり007だった!物凄くかっこいいですよ、この作品でのすかしっぷりは。モネを盗むシーンとクライマックスのシーンはもう完全にジェームスボンドの身のこなしです。娯楽作品として、文句なしに楽しめる傑作。

4月2日の金曜ロードショーでやるみたいなので、是非観てみてください。お勧め。

好み評価:☆☆☆☆

February 07, 2004

final presentation "Artbum"

奥出研の2003年度秋学期最終発表が終わった。

今期のプロジェクトは、美術鑑賞支援ツール"Artbum"(アトバム)
美術の素人でも、美術館で楽しめるようになれるようなモノを目指したプロダクト。

感動ってものが、自分の知らなかったことへの発見から来るとすれば、そこへ到達するまでのプロセスが鑑賞するということ。鑑賞とは美の発見活動。

その発見のきっかけを多く作り、そこまでのプロセスである鑑賞を支援できるモノを作る。

それは、美術とのインタラクションにより、美術との関係を強化するもので実現できないか。

そこで。絵を取り込み、それに自由に落書きすることで、鑑賞の経験をファイリングし、自分の感想、見方、発見を溜めていくアルバム型ディバイス、アトバムと、他人の視点や発見に触れ、活発なコミュニケーションを促進するテーブルをデザイン。

これが、今期のアトバムプロジェクトでした。
詳細は、リーダーのSんすけさんの卒業制作ウェブより(勝手にリンク。まずかったらはずします)

Sんすけさんの卒業制作ウェブより画像拝借。
artbum4_6.jpgartbum4_7.jpg
アトバムプロト。ペンで実際に書き込める。

arttable2_1.jpgarttable2_4.jpg
テーブルプロト。テーブル上のタッチパネルを指やペンで触って操作できる。

pen1_1.jpgmovie2_sc.jpg
ペンプロト。右は、検証実験及びデモムービー撮影に協力してくれたM沢とKズキ。どうもありがとう。

我ながら、面白そうな展開にもっていけそうなプロジェクト。いいものを作れて、本当に楽しかった。チームメイトのみんな、どうもありがとう。


最終発表、自分達のチーム以外では、なんと言ってもNaruoさんの発表に感動した。先生のコメントの前に思わずスタンディングオベーション始めちゃうとこだった。すごいっすよメディカル。前期の「スクナヒコナ」のプレゼン資料とか使われてて懐かしかったりしたし。お疲れ様です。

February 03, 2004

hegemonic dilenma

奥出研で美術鑑賞体験を豊かにするディバイス"Artbum"の研究・開発を行っているのだが、なかなか美術館側の人達にコンセプトを理解してもらえない現状がある。

美術館の世界の構造そのものに働きかけていかなくてはいけない、そんな風にチームの中でも方向性が定まってきたところで、こんなエントリーを見つけた。

Eulog:アートについてMAO先生との対話

Euri: 個人的に、アートの社会化について、いろんな立場の人と話させていただいたんですが、文化庁の方が「アートを盛り上げるために、著作権の保護を強化しました」とおっしゃっていて、それに対して、アーティストの側もアートマネジメントをやってらっしゃる側も、それで良いというような感じで、、情報のオープン化には抵抗が強いのかな?と。

(中略)

MAO:  著作権を隠れ蓑に 知財を新しい利権構造化しようとしている。文化庁だけじゃなく 複数の官庁で、すでに研究調査費という名目で多額の使途不明金が動き始めています。何とか関連の調査研究という名目で 外郭団体にお金が落ちるようになっている。

Euri:  知財分野では、確かに囲い込み傾向が強い気がしますね。

MAO:  アートの本質は情報操作による 価値の捏造ですから。

どうやら文化的なものだけじゃなくて利権が絡むこともある模様。

MAO:  アーチストを理解してあげるだけの度量が地域のコミュニティにあればいいですが。 Euri:  それをどうにか構築していけないかな、、と。地域密着型のNPOでマーケットの整備とかしているのは良い傾向でしょうか。 MAO:  そういうようなシステムで捉えるのではなくて 基本は人と人の信頼や共感じゃないかと。基本は人で システムではないような。

これは今回のフィールドワークや外部とのやり取りで痛感したこと。信頼関係こそ、なにを成し遂げるためにも最も重要なことかもしれない。そして一番注目したのが以下の発言。

MAO:  マネージメント言うよりも アーチストの活動の情報がさまざまな方法で流れるようなことの方が重要でしょう。そういう意味でブログ フォトブログなどは感心がある。というかブログ的な情報革命は何を壊すかというと、専門家によって囲い込まれていた権威だと思うのです。

この人はブログについて言及しているわけだけれども、実現させようとしている状況はまさにアトバムプロジェクトが目指すところ。アトバムが、美術という共有財産を新たな形で人々に届ける、そんなプロダクトになればいいと思う。

January 18, 2004

Nakajima Chinami

朝八時半に部屋を出て、中等部の連中に空手の稽古をつけに三田へ。
着いてみると監督が一人。他には誰もいない。まさか無駄足、と一瞬心配したが
時間より15分遅れて一人、30分遅れてもう一人現れて、結局4人で稽古をした。
昼は監督が皆にラーメンをご馳走してくれた。中学生とご飯を食べる機会はあまり
ない。話題が新鮮で楽しかった。

午後、直接研究室へ向かう予定だったが、ふと思い立って横浜で降りる。
ある買い物がしたくて画材屋をまわる。結局4件周ったが目当ての品は見つからなかった。

最後に見た店は横浜LUMINEの世界堂。あきらめて店を出るとふとあるチラシが目に
飛び込んできた。

「中島千波作品展」

10日間の展示で無料。歩き回った成果が何か欲しいな、と思い軽い気持ちで覗いてきた。

静夜 三春の瀧桜
chinami.jpg

そこには、こういった桜を描いた作品が数多く展示してあった。実物の桜を描いて
いるらしく、日本の有名な桜の木はほぼ全て描いたとか。

驚いたのが、併設展として開かれていた「花を愛する作家達」というコーナーに、
トレンツリャドの作品が3点展示されてあったことだ。しかも、それは発表されたばかりの
新作だというのだ。昨年リャドは没後10周年を迎えており、新作が出るはずはない。

しかし説明によると、没後10周年をして、リャドが生前完成させつつも、版画化される
に至らなかった作品を今回版画化したものだという。しかし、もうリャドはこの世に
いないので、直筆サインが書けない。サインらしきものが見えるのだが、それはリャドの
実の娘さんであり、現在リャドミュージアムの館長でもあるマリアさんのサインらしい。

思いがけず、収穫の多い一日。

January 14, 2004

MoMA Hayama

研究会のフィールドワークの一環で、逗子の神奈川県立近代美術館葉山館へ行った。

神奈川県立近代美術館のホームページ

目的は、そこで行われたワークショップの内容と、僕らのプロジェクトについての
意見をそこの学芸員の方に伺う、というもの。

それにしても素晴らしいロケーション。
a01hayama.jpg

快晴。海の向こうには富士。
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学芸員のLさんは非常に親切で、話も分かりやすいだけでなく面白く、学ぶことだらけ
だった。学芸員という職業の仕事にも少し触れることができた。

Lさんが過去に大学生と関わったプロジェクトの話も面白かった。質の高いプロジェクトをやる
学生がいる。
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Lさんとのワークショップ。
MOMA_Hayama006.jpgMOMA_Hayama010.jpg

帰り際に招待券で展示も見せてもらい、Lさん流のワークショップの流儀で楽しませて
もらった。紙に落書きをしながら美術を見て周る、というもの。続けてみようかなこれ。

帰り。葉山は夕暮れも凄まじかった。

MOMA_Hayama016.jpg

hayama2.jpg

hayama5.jpg

逗子の海と、沈む夕日と、富士のシルエット。景色を見てこんなに感動すること、
国内ではもう大分ない経験だった。

January 13, 2004

KATANA -"Art Log"

成蹊堂
http://www.seikeido.com/seikeido/katana.htm

January 03, 2004

Hobby of the Year

今年の趣味を決める。今年から、毎年意図的に趣味をもう一つ作り、一年間続ける。

今現在すでに自分のなかで趣味として確立されているものと言えば、格闘技。
空手そのものは趣味という意識でやってはいないが、空手を中心に格闘技の観戦をしたり、
技術について考えたり、本を読んだり、他の格闘技を実践したみたりと、こういった
活動全体を指せば趣味と言える。これは好きでやっているので生涯続けていくだろう。
空手も、生涯武道を目指している。

こういった、好きで自然とやっていることではなくて、興味あるけど手をつけていない、
やってみたいけどきっかけが欲しい、どんなもんか分からないけれど、やってみれば
勉強になるかも、と言った感じの事柄を自分の趣味と決めてしまって、一年間続け、
そうして無駄な知識でもスキルでも体験でも、何か身につけてみようという試み。
気に入れば1年という期間にこだわらずに自分の本当の趣味にしてしまえばいい。
とりあえず目標は1年間を通して続けること。

というわけで、今年の趣味を、
「美術の鑑賞(広義)」にした。
鑑賞には、実際の美術を見るだけでなく、それにまつわる本を読んだり、実物を
見たり、考えたり、もしかしたら実際に美術を実践することも含まれるかもしれない。

美術は、大学の研究の一貫で興味を持ち始めたが、リサーチとしてではなく、
自分の楽しみとしてこの一年間積極的に手を出していく。ジャンルは問わない。

どんな形で実践していくかは未定だが、それがどんな風に残るのか、楽しみだ。

October 24, 2003

M, how was your second encounter with "Llado"?

22日、Mは友人のNとその彼女Cと三人でトレンツ・リャドの没後10周年記念展に行った。

フィールドワークも兼ねて、NとCに簡単に思ったことをノートにとってもらった。
そのなかにあった重要な指摘に、

「この絵の青は、この海の青です」という知識があっても、薄い会話しかできない。

というものがあった。
Mのプロジェクトでは、簡単な知識を得ることで会話が盛り上がるのではないか、
美術に対する関心を高めることができるのではないか、という仮説を立てていたため、Nの指摘は非常に貴重で、考える材料になった。

リャドの世界を堪能し、高田馬場のNのマンションに戻ってから軽く3人で空手の
稽古をした。最近NがCちゃんに空手のてほどきをしているらしく、その成果を
見るのをMは密かに楽しみにしていた。MとNとは高校時代空手を通して本気で殴り
合った仲だ。正確には当時のNは中国拳法をやっていたが、元々の属性はカラテカ
だったと思う。大学に入ってからはめっきり空手とは遠ざかっていたNだったが、
4年生になり院試も受かって、ようやくまた空手をやる時間ができたようだ。
今回はまだ体が本調子に戻っていない様で(再開して間が無いので当然だが)、
Mの顎の怪我もあり、まともに組手はできなかったわけだが、お互いまた以前の
ように拳を交えたいと思っているはずである。最もそのためにはMは自分の顎に無理
のないルールを考えなければならないのだが。

夜はCちゃんの手料理。

参考サイト: Log No.24  Nのブログ

冷しゃぶ、高級ざるうどん、肉とにんにくの炒め物、野菜スープ。Cちゃんの
料理はいつも美味しい。

ちなみに、参考サイトをご覧になっていただければわかると思うが、Nは
密かにオンテナ避難所(奥出研ブログリンク集)をチェックしているようで
時々奥出研メンバーのブログにコメントしたりトラックバック入れたりしている。

みかけたら優しくコメント返してあげてください。

September 29, 2003

M, how did you like the Harumi's Yakisoba?

研究会のミーティングを終えてから、藤沢市民祭りに顔を出しに行った。
奥出研のW田さんや団子さん、Kはるちゃん、Kすぺ、きよCが参加する出店、
はるみ姉さんの塩焼きそば」に挨拶に行き、塩焼きそばを買った。
素人のものとは思えないほどおいしい焼きそばだった。
完売の瞬間に立ち会うことができて、みんなとてもうれしそうにしていてなんだか
うらやましい光景だった。

藤沢市民祭りは、想像していたよりも多くの出店が並んでいて、どこかタイの屋台群を思い起こさせるにぎやかな祭りだった。ラムネや綿菓子を買ってぷらぷら歩いてから、気が済むとDNPに戻って行った。

DNPについてからは、デザイン言語ワークショップJという講義の選抜課題である、
「任意の漫画の一コマをAdobeイラストレーターでトレースする」という作業に
取り掛かった。その成果物がこれ。

「風の谷のナウシカ」宮崎駿 徳間書店コミックス第一巻十八頁より
nausicaa_trace.gif

結構気に入っている。
トレースなんで見栄えよく描けるのは当然なのだが、5時間以上もかかった作業で、
トレースであろうとも、漫画を描くということが初めての経験だったので
記念に。

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