Log No. 344

風姿花伝 -"Biblio Log"

世阿弥著、風姿花伝を読んだ。原文と、解説と考察つきの文庫本両方。

この世阿弥という人、信じ難いほど人間を研究している。風姿花伝は14世紀から15世紀にかけて能の技術や精神をできるだけ後世に伝えるためにかかれたわけだけれども、現代においてもそのまま通じる普遍的な価値観をあちらこちらに読み取ることができる。能とは縁がない自分から見ても、参考になることばかり。とりわけ、人間を育成するための温かい考え方は今の日本の教育者に読んでもらいたいと真剣に思った。他にも、感動という現代科学でも十分な研究成果が出ていない感情に関する考察や、美とはなにか、ということに関する彼なりの結論など、当時の、というより彼の研究の質の高さが伺える。

備忘録に。
・稽古は強かれ、情識はなかれと也。
・時分の花をまことの花と知る心が、真実の花に猶遠ざかる心也。
・陰陽の和する所の境を、成就とは知るべし。
・一切の事に序破急あれば、申楽もこれ同じ。
・上手は下手の手本、下手は上手の手本。
・花は心、種は態(技)なるべし。
・花と、面白きと、珍しきと、これ三つは同じ心なり。
・秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず。
・因果の花を知る事。極めなるべし。

Posted by 344 at January 30, 2004 07:14 PM | コメント (2) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

この記事に対するコメント

ひどいよー、ひどいですよぉ〜

Posted by: yokobou at February 1, 2004 12:55 AM

そんな無理してそんなHN使わなくても・・・

Posted by: miyoshi at February 1, 2004 11:32 AM

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