Log No. 344

April 2006

April 22, 2006

一時帰国

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一時帰国中です。

April 13, 2006

看上去很美

littleredflowers.jpg中国映画、張元監督作品、「看上去很美(英題:Little Red Flowers)を観た。映画館で見たのだけども、子供と見る映画なのかやたら館内がうるさかった。上映中に携帯電話が鳴っても平気で出るし。しかしそれ以上に集中することが難しい内容だった。この映画、ストーリーというものが無い。中国のちょっと昔の幼稚園の日常を、主演の男の子視点でただ延々と描いていくスタイルなんだけども、物語に「展開」というものがない。園児ならではの可愛さや憎たらしさを描いているので、それなりにほほえましく、笑えるのだけど、そして僕の中国語理解力を差引いても、それ以上を得るのが難しかった映画。主演の男の子がかなりいい演技をしているんだけど、泣いているシーンなんて迫真の演技かと思っていたら、あとで人に聞いたら、台本通りに泣かない場合は監督がひっぱたいてリアルに泣かしていたらしい。

恐怖のブログ

とある かぞくが のこした blog

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これは とある かぞくが のこした blog で ある。

いまや にちじょう に ねざした ネット かつどう の

さいたるもの で あるところの

blog。

その かのうせい と ゆくさき を

おもいながら みて いだだければ さいわい です。

うえの メニュー から できれば

2004.11.25付の Dad's blog から

ごらん ください。
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コメントとトラックバックの数やサイドメニューの「最近のエントリー」にそれとなく注目。笑えない。

笑えないけど、センスのあるメッセージの伝え方だなぁと。最近mixiに代表されるSNSや簡単なブログサービスのおかげで、ライトユーザーも安易に自己発信するようになった。けど、mixiだって自称クローズド社会だが、200万人以上利用者がいる今、もはやグーグルに見つからないという程度のプライバシーしか保持していない。 (足跡機能のために、ログアウトしないで他のサイトに移ると、アクセス解析にmixiのユーザーIDを残してしまったりもする。当然、個人特定が容易になる。

しっかりと自己発信をする目的とやり方を自覚して、いろいろと「わきまえる」ことが今後ますます求められていきそうです。

April 10, 2006

Memoirs of a Geisha

sayuri.jpgチャン・ツィイー、渡辺謙主演、ロブ・マーシャル監督作品、「Memoirs of a Geisha(邦題:Sayuri)」を見た。色々と物議をかもした作品だけど、個人的にはかなり高得点です。舞台は第二次世界大戦頃の京都、登場人物は殆ど日本人なので、ハリウッドのトップスター達をふんだんに使って集客する、という類のプロモーションが出来ない。そういうわけで、主演女優にチャン・ツィイーを置いたってのはかなり妥当なキャスティングと言える。残念ながら日本には彼女に匹敵するスター性を持った国際女優はいない(小雪や栗山千明も頑張ってはいるがスターとは言えない)。ヒーロー役のKen Watanabeはその資格有り、というわけだ。

でもそれにしたって豪華な製作陣だ。製作はスピルバーグ、監督と美術はアカデミー賞受賞経験あり(シカゴ)、劇中のバイオリンソロはイツァーク・パールマン、チェロはヨーヨー・マ。日本映画界からも、謙さんの他に役所広司、桃井かおり、工藤夕貴等が参加。小百合を妬む先輩舞妓(というか劇中では花魁にしか見えない)にはチャン・イーモウ作品でお馴染みのコン・リー、そして小百合の師匠役にかつてのボンドガール、ミシェル・ヨー。ハリウッドのトップスターは出なくとも、アジア勢的には最強の布陣である。これキャストしたのは、ラストサムライでもキャスティングを担当した奈良橋陽子という人らしいが、相当なりふり構ってない感じがして好感を持てる。コン・リーなんて、チャン・ツィイーよりちょっと年上のお姉さん舞妓という役で、実際本当に艶やかで綺麗なんで一瞬年齢を忘れさせられるが、この人40歳過ぎてるはずです。何年か前に見たチャン・イーモウ監督の「秋菊の物語」では田舎のおばちゃん役をやってるが、あれだって10年以上前の映画。それがこんな妖悦な芸者さんの役ができるなんて、女優業恐ろしすぎる。でも、ミシェル・ヨーしかり、ちょっと年齢に無理があっても、大女優を持ってきたかったんだろう。メインキャストに新人を使ってないように、絶対はずしたくなかったんだろうな。主演に中国人を持ってきたおかげで中国では上映禁止になってしまったのは誤算だっただろうけど(興行的には失敗だけど、海賊版で相当流通してるので、観て貰うという観点では全く問題なし)。ただ、小百合の幼少時代の役を演じた大後寿々花。この子の演技は光ってたな。英語、ってのがきつかったけど。英語と言えば、桃井かおりの英語が何言ってるか全然わからなかった・・・字幕が必要です。舞台は日本で周りもみんな日本人で、挨拶とかは「こんにちは」なのに、なぜみんな拙い英語で話すのか違和感ありまくりで慣れるまで見辛い。カタカナ発音で「ウェアイズマイシスター!」とか叫ぶんだけど無理がありすぎ・・。それから、工藤夕貴。あまりにぶっちゃいくな役なんで(その名も"Pumpkin")、エンドロールで名前見るまで分からなかった(笑。最後にスクリーンで見たのは「ヒマラヤ杉に降る雪」だったけども、英語上手くなったなー。

sayuri2.jpg内容に関しては、非常に日本の美意識に対する愛情を感じます。アメリカ人が中国人を主演において撮った映画、というだけで嫌に思う日本人の方もいるかと思うけど、せいいっぱい日本の美しさを描こうとした印象を受ける。舞妓と花魁がごっちゃになっていたり、舞いが歌舞伎っぽかったりとか、日本人からしたら指摘したくなる細かいつっこみはいろいろとあるのだろうけど、映画としての完成度が高い。映像は、ホントにもう、初めから最後のワンシーンまで、とにかく美しい。チャン・ツィイーも、相当訓練したんだろう、まさに芸者=動く芸術という美しさです。ちょっと代わりが務まる日本人女優が思いつきません。原作は実在の人物の伝記的な作品らしいけど、物語としての脚色を経て、結構切ない内容に仕上がってます。最後は恋愛モノとしてもジーンときた。だけど、やっぱりこれはストーリーよりも芸者の美しさと誇りと悲しさ、そして京都の風景の美しさを見る映画です。是非、世界中の人に見てもらって、日本にこんな文化があったことを知ってもらいたい。2時間半の長さに耐えられる人には、かなりお勧め。

April 06, 2006

YouTube

youtube.jpgまたまた凄まじいサービスが登場した。

ちょっと前から流行り始めてたらしいけど、僕が知ったのはつい最近。このサービス、「100MB以内で時間にして10分以内の映像ファイルならほとんどなんでもアップロードして公開できる」というもの。しかもコメント機能やタグによる関連映像とのリンク、緩いSNS的な機能までついている。

なんでも、というところと、操作が非常に簡単で誰でも自分の好きな映像を公開できるという点が熱い。要するに、ブログやFlickr等によって文章や写真を自由に発信する手段を得ていた多くの個人が、今度は映像まで配信できるようになったということ。Google Videoでも配信はできたけど、再生がよりスムーズだったりSNS的だったりするYouTubeのほうが一枚上手か。

ざーっとどういうものか紹介してあるリンクがあるのでとりあえず以下を参照。
投稿映像無料配信サイト「YouTube」がスゴイことになっている
ハリウッドの注目を一身に集める「YouTube」とは

Alexaランキングの推移

上のリンクでもあるように、試しに「utada hikaru」と入れるとかなりの数のミュージッククリップが出てくる。ストリーミングも速い。宇多田ヒカルを海外の人が見るとどう思うのかも見られて面白い。ただ、この辺は著作権的にブラックだから、今後どうやってまっとうなサービスとして展開していくのか見もの。MTVや映画配給会社と提携してプロモーションをやっていくらしいけど、他にも使い道は色々ありそう。

今試しに「keio」って入れてみたら、所属してた奥出研の映像作品(Z-agon, BiblioRoll)や研究室の風景(非常放送設備点検)なんかが出てきてびっくりした。母校keio new yorkの在校生と思われる子たちの映像(KeioBois)もある。寮の風景が懐かしい。

ほかにも、これまでのただ文字によるグーグルの検索結果だけでは触れることができなかった過去のレア映像や懐かし映像に辿り着ける場合もあって、そういう点でこのサービスには著作権と折り合いをつけてなんとかやっていって欲しい。

事例1:「アントニオ猪木対モハメド・アリ」の試合映像も見つけることができた。面白いのはアメリカ人にはどう見えていたか知れるという点。

事例2:オリンピックの日本のメディアでは放映されなかった競技の映像等もあったりする。注目していた日本人選手が結果が出ずに放映を省略された、なんてことはよくある。

ホントにこういうサービスを待っていた。

April 04, 2006

北朝鮮を「見て」きた

週末を利用して、遼寧省丹東市へ小旅行に行ってきた。丹東は北朝鮮と国境を接する辺境の街。北朝鮮を一目見られれば、という目的の旅というわけです。北朝鮮にはそのうち行ってみようと思っているんだけど、大連から近くてわりと気軽に行けるところだったので、とりあえず行ってみました。

メンバーは僕の他に4人の日本人友達(たにひろば、カール、ヒメげ、ゆめこ)。うち一人は、参加者の一人によるマヌケな集合時間の伝達ミスでバスに乗り遅れたので数時間遅れて別のバスで現地合流。そういう僕も出発時間1分過ぎにバス停について危うく置いていかれるところだったのだけど。丹東までは高速バス(75元)で3時間半。バスの中ではビデオ撮影して遊んだり、IQサプリの本で遊んだり、皆が寝てしまってからは読書したり。この時間だけで舞城王太郎の「世界は密室でできている。」を読了。

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到着してからは、5人目が到着するまで丹東の街をぶらぶら歩く。丹東の町並みは大連よりも落ち着いていて、どこか長閑な感じ。大連と違って自転車に乗っている人も多い。そのうちただ歩くのにも飽きてきて、じゃんけんで勝った人が歩く方角を決め、負けた人が全員分の荷物を持つことに。リーダー格のお兄さんがDVDカメラ片手に本当におもしろくて、皆終始笑いっぱなし。

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気がつくと川辺についていて、道を行く婆さんに聞けば対岸が北朝鮮だという。川の向こう、川幅は200メートルほどだっただろうか、そこにあの北朝鮮があるということに不思議な感慨を覚えた。しばらく川沿いを(4人分の荷物と共に)歩いたりして、5人目と合流。合流後は北朝鮮側の岸へと接近する遊覧船に乗り込んだ。遊覧船は戦時中にアメリカ空軍によって落とされたという橋の下をくぐり、北朝鮮の岸辺約20メートルの距離まで接近した。見るだけ、なんてたいしたことないと思っていたが、思いのほか胸が鳴った。途中、岸辺にいた女の子が手を振ってくれた。それにぶんぶん手を振って応えると、連れ添っていた母親(祖母?)と思われる女性も笑ってくれた。

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岸には多くの船が止まっていて、丹東側と違い船籍を示す文字は全てハングル文字。荷降ろしのような作業をしている集団もいた。人々の視線がこちらに集まる。遊覧船で暢気に見物にやってくる外国人の一行は、それは文字通り「見物」以外の何ものでもないのだから、彼らにとってはひどく不愉快な存在だろう。分かってはいるけども、船上の青年の一人がこちらに向かって何か石のようなモノを投げた時には胸が痛んだ。

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そのときのおみやげの北朝鮮の紙幣。100ウォン紙幣は若き日の金日成(キムイルソンとタイプしたら一発で変換された!)。貨幣価値は物価を基準に推定すると大体1ウォン1円くらいらしい。だけども、それはおそらく外国人専用レートで、実際の価値は下記リンクにあるようにそれよりずっと低いようだけど。(参考:私設 朝鮮民主主義人民共和国研究室)切手も買った。普通の切手は、西洋の名画や有名な景色なんかが多いようだったけど、記念切手の中には小泉首相との初めての会談の写真など面白いモノもあった。夕食は北朝鮮料理店で犬鍋やプルコギを食す。ヒメげが朝鮮語で店員とやり取りしてて凄かった。僕は「キムチジュセヨ!」と「マシソヨ〜」だけ。夜は川の近くの安ホテルに泊まる。エコノミーの部屋で一人35元。なかなか綺麗で悪くなかった。ドギーバッグに包んでもらった残りものと、その辺のデリーで買ったお酒で酒盛りを始めたはいいが、いつものことながら僕は1時間程度でダウン。残りの人々は夜明け近くまで飲んでいた。

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翌日は快晴。丹東まで伸びているという万里の頂上の東端に向かう。当然ここでもじゃんけんと荷物持ち。そして当然のように負ける。この階段を、この坂を、5人分の荷物をからって越えましたよ・・・女性陣は荷物を押し付けられてはかなわんと踏んだか、さっさと先にいってしまわれた。人間の薄情さを学んだ日。男の子達は一緒に歩いてってくれたんだけどね。とにかく風の気持ちいい日でよかった。

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そして丹東駅から、帰りのバスへ。写真は毛沢東さん@丹東駅。帰りは、高速バスが売り切れていたので、20元しか違わないのに時間は倍かかる鈍行バスで。しかも席も狭くてゆれる。どういうわけか丹東から大連までの道のりをほぼ全て下の道で行く。まともに舗装されていない区間も多く、とにかく揺れる。市街地を出て、最後に大連開発区に入るまで、途中信号は1個か2個しかなかったのに6時間半かかった。大連到着後は、旅行メンバープラス大連に居残りの友人も4人合流してみんなで火鍋。カールの帰国送別会をした。

最初から最後まで笑いっぱなしの旅行。一人旅も一人旅のよさがあるけど、やっぱり旅は大勢のほうが楽しいね。たにひろば氏、旅行記DVD、楽しみにしております。

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