Log No. 344

December 2005

December 31, 2005

スーパーミラクル忘年会

恒例で僕にとって年間最大のイベントでもあるkosukeyaz主催の「スーパーミラクル忘年会」に、今年は参加!2年ぶりだか3年ぶり。

景品を持っていくのを忘れたので東京から一旦埼玉の実家に戻り川崎へ。2時間近く遅れての参加になったけど、最初の種目に間に合うことができた。集まったのは30人近い高校の同期達(+4,5人のお友達)。凄く久しぶりの奴もいるのに全くそんな感じがしない。

今年の種目
・ドッヂボール4セット
・リレー競争
・ジェスチャーゲーム
・わさび入り寿司食べた人当てゲーム
・筆記テスト
・ビンゴ
・クイズ(なぞなぞ、あるなしクイズ等)

以上の種目で競い、それぞれの勝者にポイントが加算されて総合優勝者に景品が出る、という趣向。
夜中の4時くらいかに全ての種目が終了。その後も推理ゲームや集団催眠ゲームなんかで遊ぶ。途中翌日仕事があるやつとか帰ったりしたけど、それでも15人以上残りわずか10数畳の居間に雑魚寝。翌日も昼までそのほとんどが残り、一緒に昼食を食べに(そこでもクイズゲーム)。その後もマリオカートをみんなでやって、いい時間になったところで次の約束のために帰る。

解散がホント寂しかったけど、ホントにホントにホントに楽しかった!kosukeyaz&参加したみんなありがとう!また来年も必ずやりましょう。

覚書:写真とかの詳細はまた後日必ずアップ!

December 25, 2005

到着!

帰国しました。滞在スケジュールは少し延長して14日か15日まで。

滞在中のメアドは 344hiro.temp122505あっとまーくezweb.ne.jp です。番号は以前と同じです。連絡下さる方はよろしく。

食べ物が美味い・・・(涙

December 24, 2005

フランスの女

エマニュエル・ベアール主演、「フランスの女(原題:Une Femme Francoise)」を見た。

フランスを舞台に、第二次大戦から植民地戦争までの激動の時代を生きた、一人の女性の愛と苦悩の軌跡を描いたドラマ。夫と子供がありながら、ある男性を愛したジャンヌは一途に愛を貫こうとするが、家族はもちろん自分自身の人生までも狂わせていく。 -「DVD NAVIGATOR」データベースより-

france.jpgエマニュエル・ベアールが主演ということで手に取ってみた。この「フランスの女」というのは以前小説版を読んだことがあったはずなのだが、内容をさっぱり忘れていたので気持ちよく見れた。監督が自分の少年期に見た母親の思い出をベースに脚本を書いたらしく、「女の強さ」というのを見せ付けるような内容。とにかくエマニュエル・ベアールが美しい。もう全編通して感想はほとんどそれだけ。エマニュエル・ベアール好きなら必見です。

December 23, 2005

サンタ、リアルタイム追跡

今年もやってますね、米軍とカナダ軍によるサンタリアルタイム追跡サービス。NORADという組織がサンタを追跡するらしいんだけども、これは本来衛星等も使った超高性能レーダーでミサイルの追跡等を行なうシステムを持った組織だそうです。ろくでもない話ばっかり聞こえてくるアメリカ軍ですが、こういうことが出来る点は素直に良いなと思う。

ノーラッドによるサンタ追跡プログラムは今年で50回目になります。この前任者でもある中央防衛航空軍基地(CONAD)もコロラドスプリングスにありました。このCONADが始めた伝統は、サンタさんとお話が出来ると宣伝した地元のお店が、広告に間違ったホットラインの電話番号を載せてしまったことから始まりました。サンタさんにつながるはずの電話は、CONAD司令長官のホットラインにつながってしまいました。指令長官のハリー・シャウプ大佐がサンタさんへの初めての電話を受けました。事情を察したシャウプ大佐は、サンタさんが北極から南へ向かった形跡があるか彼の部下にレーダーで調べさせました。すると、本当にサンタさんがいた形跡があったのです。電話をした子供たちは、サンタさんの居場所の最新情報を貰いました。このようにして、この伝統が始まったのです。1958年、カナダ、アメリカ合衆国両政府は、北米航空宇宙防衛司令部と呼ばれる共同防衛空軍基地を北米大陸に設立する決定を下しました。両国は別々よりも、チームとして力を合わせた方が北アメリカの防衛をより一層強化できると信じたからです。

とまぁこんな経緯で、派手な最先端防衛技術を使った夢のあるプロジェクトがスタートしたようでした。

サイト内の「どうやって追跡するの?」の項目が面白い。サンタを追うために戦闘機を12機も飛ばしてるよ(笑 他にこんな衝撃な事実も。

ロケットやミサイルが発射されるとき、ものすごい量の熱が放出され、サテライトはその熱を感知する事ができるのです。ルドルフの鼻は、ミサイルが発射されるときに放出するものに似た赤外線を放ちます。サテライトは、問題無くルドルフの真っ赤な鼻を感知できます。ノーラッドは、何年にも及ぶ経験のおかげで、北米にやってくる航空機の追跡、世界中で発射されるミサイルの探知、またルドルフのおかげでサンタさんの追跡がうまくできるようになりました。科学者が何年にも亘ってルドルフの鼻から発生する熱を測定しようとし試みていますが、今のところまだ解明されていません。

是非一度ご覧あれ。ホントうけるから。

Norad Tracks Santa (日本語版ページ)

December 22, 2005

GOOGLE黄金律

覚え書き。

GOOGLE Ten Golden Rules

Rules for Web Startups

December 21, 2005

C.E.O Link

最近リアルライフでもmixiの名前をよく聞くようになった。もちろん大連の地でである。

2年前くらいにgoogleの「orkut」、「gree」、「mixi」と続けざまに流行り始めて、一応その頃からどれも参加はしていたんだけど、あまり活用はしていなかった。今年になってようやくまともにmixiを使いこなし始めてみて、ちゃんとやってみると結構便利です。greeはインターフェースデザインが良くないので放置してたら、いつの間にかしっかり会員数も大きくmixiに離されていたし、orkutはやはり英語圏向けのサービスという感じで日本ではあまり流行らない感は確かにあった。女性にも使い易そうなmixiは、勝つべくして勝ったというところでしょうか。orkutの場合は世界共通サービスなので、オハイオ在住時代のアメリカ人クラスメイトなんかも見つけられて楽しかったと言えば楽しかったけど。

ceolink.jpgで、最近社会での認知度が高まったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)ですが、今回新たにまた参加してみた。「C.E.O Link」という、ムーブメント社が主催している、代表取締役限定のSNS。「経営者の友人には経営者が最もふさわしい」がコンセプトだそうです。まだまだ会員数が少ないのであまり盛り上がっていませんが、確かにこういうのあったら便利だなと思っていました。

代表取締役の方は是非どんどん参加しましょう。興味があれば、招待状を送らせて頂きます。

ほしのこえ

hoshi.jpg新海誠監督、「ほしのこえ」を見た。9月に見た彼の作品に感銘を受けて、その時から見たいと思っていた短編映像作品。彼に関する前回のエントリーでさんざん褒めたけど、今回ももう何と言ったらよいか・・・
とにかく異様なほどのクオリティの高さ。映像の美しさ、カメラワークの巧みさ、演出のセンス、どれをとってもその辺の映画にはなかなか見られない。カメラワークのセンスで言うならホントハリウッドにも見習って欲しいくらい。脚本の、というかdictionのセンスも個人的に大好きで、ストーリーも30分にも満たないこの短さで、ラストにはぐわぁーっと感動させられた。この作品を人に勧めるにあたって、これが「マック1台でほぼ一人で制作された」ということなんて全く持ち出す必要は無いということがわかった。映像特典に収録されている、「彼女と彼女の猫」という5分程度の短編も凄くいい。アニメアレルギーが無い人ならば、新海作品は必ずチェックするべきです。

「ほしのこえ」紹介サイト。

それから、この作品を配給や流通にこぎつけさせたComix Waveという会社に興味が湧く。こういうクリエイターを世に出す、ということはそれだけで凄いことだけど、悪く言えば「アマチュア」なわけで、それでビジネスを回そうと思ったら大変なリスクだろう。どうやってクオリティコントロールしてるのかな・・

今も何か凄い企画をまわしているみたいだ

才能を世に送りだす、って素敵な仕事だよなぁ。

December 19, 2005

政府に始末書

もうすぐ大連に来て一年。来月ビザが切れるので、更新手続きをした。しかしそこで、自分が必要な手続きを満たしていなかったことが発覚。大連在住の外国人は、引越しをしたらその24時間以内に公安に届けでないといけないらしいが、その届出がされてなかったらしい。これには深いわけがあるのですが、とにかく四月に引越した際にこの届出はなされていなくて、入境管理局の人にかなり怒られる。これを公安に届け出て、政府にある資料と、僕の現住所が一致しないとビザの更新はできないそうなので、公安に行き、いまさらながら届けを出しに行く。すると、公安でもまたこっぴどく叱られた。大層な罰金が発生するらしく、恐る恐るいくらでしょう・・・と聞くと、「態度による」らしかった。顛末書というか始末書というか、とにかく公式に謝れ、と。そう言われたらこちらは法律を違反しているのだし、ありったけの誠意を見せるしかない。日本語でびっしりと遺憾の意と事の顛末を記し、今後の対策と併せてこういうことなんで、どうか寛大な処置を、とお願いしておいた。誠意が通じたのか、よくあることなのか、とにかく怒られた時の剣幕からすると随分あっさりと罰金は免除されたのでした。届けも受理されて、その書類を持って再び入境管理局へ。目出度くビザもう一年延長となりました。

いやぁ久々にちょっと焦った。

家出のすすめ

iede.jpg寺山修司著、「家出のすすめ」を読んだ。刺激的なエッセイだった。人生の大先輩に価値観を諭されているような感覚を覚える。これを記した当時、彼はまだ27歳だったというから信じがたい。制限の無い自由な思考、モラリティーへの挑戦。こんな言葉が思い浮かぶ。いろんなことをすすめられるこの一冊。なんとなく他人に勧めたくないと思わせる。自分だけがこの人の考えに触れていたい。そんな感じ。

紅の豚

日曜、街でばったりとCarl氏に会った。お互い時間があったので、まずはお互いの買い物を済ませてから、まだ明るいうちから新疆焼肉屋に入り羊肉串と花生とビールをかっ食らう。その後Carl氏の部屋へ遊びにいき、そこでもまたひまわりの種をつまみにビールを飲みながら男二人で「紅の豚」を見た。宮崎駿監督、森山周一郎、加藤登紀子主演。10年ぶりくらいに見たけど、これはホントいい映画だね。心が洗われるような綺麗な映像とお話。

オハイオ州に住んでいた小学生だった頃、そこに住む日本人の子供達のために補習校かどこかの団体が、紅の豚の上映会を開いてくれたんだった。20人くらい入る部屋に大きめのプロジェクターで。あの時は、ここまで良い映画だとは思ってなかったなぁ。渋い映画です。

December 15, 2005

蒼穹の昴

浅田次郎著、「蒼穹の昴」を読んだ。

新生面をひらく特別書下ろし超大作!
この物語を書くために私は作家になった。――浅田次郎

汝は必ずや西太后の財宝をことごとく手中におさむるであろう──。
中国清朝末期、貧しい農民の少年・春児(チュンル)は占い師の予言を信じて宦官になろうと決心した。 - amazonのレビューより

soukyu.jpgまさか2005年ももう終わるというこの次期に、これほどの作品に出会ってしまうとは!!つい最近年間ベスト小説を既に宣言してしまったが、これを読んでからでも遅くはなかったな。もちろん全くジャンルが違うので比較はできるわけもないのだが。タイトルだけは高校の頃からずっと気になっていた作品。先月親父から読んでみろと送られて読み始めた。表紙を開くとすぐに中国清朝歴代皇帝の系図が目に入り、これが中国清代を舞台にした作品だとその時初めて知った。読み終わってみれば、超一級のエンターテイメント!寝るのを忘れて読み耽った本なんて本当に久しぶりだ。単行本4冊に渡る長編だが一気に読んだ。小説を読む悦びを思い出させてくれる傑作。

物語冒頭、一人の糞拾いで生計を立てる少年と、その一帯の地主のぼんくら息子が、共に占い師によって将来の中国のトップに立つと予言される。ファンタジー風の中世サクセスロマンかな、と思って読み進める。序盤はこの一見ぼんくらに見えた青年が、科挙に登台していく様をみっちり描く。この辺の描写が、ホントに古来続いてきた中国という帝国の伝統に細かくて、物語中盤に差し掛かるまでこの物語は中世が舞台だと信じ込んでいた。実はこの物語は清が列強によって悉く侵食され崩壊していく近代の物語なのだが。科挙は、中国で清が崩壊するまで1300年間続いてきた巨大制度で、国家公務員試験のようなもの。中国は古来この科挙による完全学力主義で国を治めてきた。どんなに有力な大臣の子供でも、科挙を突破しないと役職につけない。そのエリート中のエリートを選抜する科挙に主人公の一人が挑んでいく様はそれだけでも興奮モノだった。

でもそれはほんの序章、科挙を突破すると、舞台は紫禁城に移り、清代末期に何代にも渡って専横政治を敷いた西太后や多くの宦官達が登場し、その生活が細かく描かれる。この作品では一般的には悪鬼のように思われている西太后が非常に人間的に描かれていることが印象的(人間的というか、妙にぶっとんでいて作中でも異色)。他にも登場人物は実に豊富で、そのどれもが非常に深い個性をもたせられている。中盤以降は、各国のジャーナリスト、特に日本の岡圭之介やニューヨーク・タイムズのトム・バートンが目立ち始め、物語の視点が彼らに移っていく。物語のスケールはやがて世界を巻き込み、伊藤博文やヴィヴァルディと「四季」まで登場してくるから面白い。この辺りからファンタジーっぽさ、サクセスロマンっぽさは薄れていき、本格的な歴史小説の様相を呈していく。いきさつはともかく、起こった出来事等は大体史実に忠実に描かれているらしい。

自分にとって作中最も印象的なキャラクターだったのは、李鴻章という人物。彼は実在した人物で、当時唯一の近代武装された軍を掌握していた大将軍。名前は覚えていなかったが歴史の教科書に出てきていたはず。日本史では、日清戦争の下関条約の調印に訪れた全権として登場する。日清戦争は、実は日本対清国ではなく、日本軍対李鴻章の私設軍だったというから驚き。これ史実らしいんだけど、軍の費用を自腹で出してたんだってこの人。とにかくこの人物が本当に魅力的に描かれていて、中盤は彼の独壇場だった。香港をイギリスに99年間明渡す交渉のくだりなど、実に痛快。世界史に詳しい人には特にニヤリとさせられる場面が多いんだろうな。

終盤は様々な立場の人間がそれぞれの想いを持って動きまわる群像劇という感じになるが、一人一人があまりに個性的なため全く混乱しない。伝統、維新、親子、義兄弟、陰謀、裏切り、正義、ジャーナリズム、様々なテーマが収束していく。そしてクライマックスへ。まさに感動の嵐だった。

読み終わるまでに何回泣いただろう(笑 とにかくこの作品を誰かと語りたくてしょうがなくなる、そんな作品。中国に興味が無い人にこそ読んで欲しい。

ちょっとだけ当時の情勢に詳しくなれるし、読み応えがあって「面白い」小説が読みたい人には文句無しにお勧めします。

HONDAのASIMOは化け物か!

新型ASIMOのテクノロジー

今月発表された新型ASIMOの走りが凄い!日本のメディアではずいぶんと映像が流れたらしいが、こちらでは見ることができず、今日初めてネット上でその動画を見てその凄さを知る。とにかくこれはやヴぁい!感動。「中に人入ってんじゃねぇの・・・」って最初見た時は思ったよ。ナローバンドな中国にも優しい、とても軽いストリーミングで見やすいし。

他の機能紹介でも色々と楽しい動きを見せてくれるけど、小さくてなんだか可愛く見えてくる。こんなしっかりしたロボットなのに、体重53Kgってのに驚き。

これは鉄腕アトム実現も夢じゃないなホントに。

December 12, 2005

一時帰国

一時帰国の日程を12月25日〜1月9日と決めました。活動拠点は埼玉の実家か、川崎の事業パートナーの部屋になるかと思われます。

日本の物価には僕の財布は殆ど耐えられないのでみかけた人はどうかおごってください。

December 09, 2005

自由とは

「自由とは、自分の意思で行動すること、自分の責任で行動すること、それを両立すること。」

初心を思い返す。

December 06, 2005

存在の耐えられない軽さ

umbearable.jpgミラン・クンデラ著、「存在の耐えられない軽さ」を読んだ。これは、凄い。恋愛小説、とあるが、登場人物もその人間関係も、作者が思考を重ねるための装置でしかない。書き表せないほどの衝撃。読み終わってしばらく経つが、未だにこの作品のことが頭から離れない!これほどに正確な言葉で、作中のあらゆる事象を表現した作品を他に知らない。ボルヘスや三島由紀夫を読んだ時と似たような感覚、この作品を手にとれたこの僥倖。

解説は試みない。ただ読んで欲しいです。僕が2005年度に出会った小説、いや、あらゆる芸術の中で文句なしのナンバーワンです。この本を僕に贈ってくれたkosukeyazに心から感謝。

December 05, 2005

大連大雪の正体・・・鳥インフルエンザ対策

【中国】原因は鳥インフル?遼寧で記録的大雪 -NNA Asiaより

11月30日夜から遼寧省の広い範囲で降った雪は、瀋陽市で9年ぶり、大連市では12月として54年ぶりの降雪量を記録した。遼寧省当局は今回の大雪について、ロケットを使った人工降雪を行っていたことを明らかにした。

2日付瀋陽今報によると、遼寧省人工影響天気弁公室は人工降雪を行った理由について「鳥インフルエンザの予防が目的だった」と表明。「渡り鳥を駆逐し、空気を浄化するという狙いは達成された」との見解を示した。一方、大雪で各地の交通などに混乱が生じた責任については、「降雪量を完全にコントロールすることはできない」と釈明している。

人工降雪は、ロケット弾を利用して雲を刺激し、降雪量を人工的に増やす技術。同弁公室では30日に各市に対し人工降雪の実施を指示し、各地で計57発のロケット弾を打ち上げたという。<遼寧>


お、恐ろしい国にいることを改めて実感・・・

序盤しか役に立たなくても。FFポーション商品化

potion.jpg「ファイナルファンタジー」の必須アイテム、サントリーが商品化
イメージ通りのポーションです。すっげー欲しい。買う。回復したい。冷蔵庫にずらーっと並べたい。そんでプロポリスとかありがたそうな成分入りのエクスポーションとか出るの。

ちなみにこの土曜から大連は大雪で、積雪は数十センチを超え、最高気温も零下で、すっごい強風で、とにかく参ります。ケアル!

December 04, 2005

パーク・ライフ

吉田修一著、「パーク・ライフ」を読んだ。

停車してしまった日比谷線の中で、間違って話しかけた見知らぬ女性。知り合いのふりをしてくれた彼女は同じ駅で降り…。東京のド真ん中「日比谷公園」を舞台に男と女の「今」をリアルに描く、第127回芥川賞受賞作。 -「MARC」データベースより

parklife.jpg芥川賞受賞作ということで手にとって読んでみた。これまでに読んだ芥川賞受賞作に比べるといくらかおとなしい印象を受けるが、これはこれで非常に面白い。日常を淡々と描く作品なので退屈に思う人には退屈なんだろうけど、僕はこの手の小説が大好きだ。文章も綺麗で、風景の描写、微妙な距離感を保った人物同士の機微などが繊細に、丁寧に描かれている。本も薄くて、さらに短編が2本しか入っていないのであっという間に読み終えてしまうが、読み応えのある一冊。表題作も良いが、合わせて収録されている「flower」もかなり良い。導入部は引き込む書き出しだし、受けを狙ってると思えないシーンでも何故かどうしようもなく可笑しかったり、この著者の作風に非常に好感が持てる。「東京湾系」というドラマにもなった恋愛小説も書いているそうだが、この人の作品は他にもちょっと手を出してみたい。

オーデュボンの祈り

伊坂幸太郎著、「オーデュボンの祈り」を読んだ。

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。 -「BOOK」データベースより

audubon.jpg奇抜な作品だ。リアリティの無い登場人物達もそうだが、連続殺人事件の最初の犠牲者が「カカシ」ってのがなんとも。しかもこのカカシ、面白いことに、それまでは島の「名探偵役」だった人物(?)。この島で起きる事件は、すべてこのカカシに聞けば解決してもらえていた。ミステリーにおける最重要人物である「名探偵」たるカカシが、物語開始そうそうに舞台から姿を消してしまう、という半ばアンチミステリーの様相を呈している。作中に、「名探偵は誰のために存在するか知ってる?読者のためよ」っていうような台詞も登場する。そういった物語の中の「機能」としての「名探偵」がその役割に気づいてしまったら、果たしてどう思うだろうか、というアンチテーゼも提示しているような、そんな作品。落ちがちょっとありがちで、全体的に凄く面白い、というわけではないんだけど、ちょっと懐かしい勧善懲悪なノリのようなものもあって読んで損はしなかった。

あと、作中に出てくる「オーデュボン」という人物名だが、これはアメリカに実在した鳥学者らしく、彼が愛したという「リョコウバト」という鳩の存在に驚いた。20世紀初頭に人間が乱獲により絶滅させてしまった鳥らしいのだが、超大群で飛ぶらしく、その数は数億とも数十億とも言われていて(ちょっとうそ臭いけど)、リョコウバトが頭上を横断すると辺りがしばらく暗くなったほど、と言われていたそうだ。そんな壮観な光景、一度でいいから、見てみたかった。

wikipedia-リョコウバト

December 02, 2005

皇統

ちょっと前にもう有識者会議が結論を出してしまって議論が下火になってしまった感があるけど、男系・女系天皇問題。

ちょっと前に朝日新聞が「女系天皇容認7割 継承順は第1子47% 本社世論調査」っていう記事を出していて、あれれ、って思った。よくテレビで、女系・女性天皇って一緒くたに語ってるけど、女系天皇と単なる女性天皇の違いをちゃんと理解した上でこのアンケート結果になったのかな、と。男女平等、というような安易なジェンダー論と同次元に捉えてる人が多いような。日本のテレビ見てないので、どういう説明がされたとか知らないんだけど、なんかテレビってそういうのしっかりと説明している印象がない。「根強い男系支持層」って言葉も出てくるけど、その人たちがどうしてそこまで男系を支持しているのかという理由とかも紹介しているんだろうか。

有名な政治家や宮家の人々の他に、根強い男系支持層、ってのの一部分にネット世論の存在があると思う。で、大体のネット世論なんてのは過激で感情的な論調が多くて、せっかく的を射たこと言っていてもまともに取り合うのが難しいと思ってる人は多いと思う。

ちょっと検索すると、かなり多くのブログでこの問題について、特に男系支持について発言している。
で、その辺の論調の主な牽引役が以下の2サイト、という印象を受けた。もちろんこれだけではないが、ここにリンクしている、またはここの主張の受け売りを書いているブログが大量にあったもので。

大人の無法地帯 天皇の価値
天皇家万世一系(男系)による皇位継承という伝統を守ろう!

かなり偏っているけど、これはこれで非常にためになるサイトだと思う。分かりやすいし。
女系を推進する人が根拠とする事柄についてはあまり触れられていないのが惜しい。

日経BPのコラムで立花隆さんもこの問題について書いているが、やはり男系維持というのは相当難しいそうだ。彼の主張は結構バランスが取れていて、論調もスマートなのでどちらかというと一般うけするのはこちらだろう。文末の旧皇族竹田家の子孫であるという竹田氏に対する手厳しい批判なども面白い。
女性・女系天皇容認で議論呼ぶY染色体論とミトコンドリア

(参考:旧皇族について、オールアバウトの記事)

これを読むと、やはり女系容認は止むを得ないのかなぁ、と寂しくなってしまいます。過激なネット世論に同調するわけではありませんが、僕個人の気持ちとしてはやはり男系の維持=伝統の維持を望んでいます。同時に男系女子である愛子様が将来即位される姿も見てみたいし(自分生きてるか分からんけど)。整理すると、
・男系維持賛成
・女系天皇反対
・女性天皇賛成
・(愛子様(男系)の即位賛成、愛子様の子供(女系)の即位反対)
・いずれかに決定し、該当する方が即位されたらなんにせよその方を支持。
というのが僕の立場です。

以下に、みかけたブログのなかで一つ非常に共感できる論調のものがあったので引用しておきます。

男系にこだわるもよし。
男系にこだわることが非科学的でナンセンスでもいいんです。
それが皇室の存在意義だというのならば。日本の伝統だと言うのなら。
確かに神武天皇から万世一系云々なんてナンセンスです。非科学的です。私もそう思っています。しかしナンセンスだから悪いという論調はおかしい。合理的で理屈にかなっていれば良いというわけではありますまい。
多くの宗教がそうではありませぬか。信者の方は理屈にかなっているから信じているのではありません。それでは信じていることにならない。納得ずくで、というのは信じているのではないのです。人間関係でもそうでしょう。信じるというのは未だ見ぬもの、未だ来ぬものを受け入れることなんですから。

男系継承論者も変に理論武装する必要はない。Y染色体がどうの、氏がどうの、血統がどうのと理屈をこねることはない。Y染色体の話を持ち出すなら、理屈でくるなら女系継承だって同じくらい理屈にかなっています。理屈で来るから「神武天皇はいないじゃないか」、「途中で誰の胤が入っているかわかったもんじゃない」とまぜっかえされる。誠に不毛です。古いから守る、理屈に合わなくても守る、それでいいと思います。俺たちの主張は非科学的なのですよ、前世紀の遺物なんですよ、でいい。だからこそ守る価値があるのではないでしょうか。法隆寺などの国宝と一緒ですね。維持費などコストを考えれば文化遺産なんてなくてもかまわない。でも遺産を残し受け継いでいくのは理屈ではないでしょう。失ったものを元に戻すのは難しい。失ってから後悔しても始まらない。男系継承とはそういうものでしょう。
私の感情はこの男系継承に一番近いのですけれども。

同時に理屈に合わぬことをいつまでも続けるのはやはりおかしいという考えも自然です。世界各の君主国のいくつかは男系継承が難しいとわかった時点で勇気を持って制度を変えていきました。男女の生み分けはそれこそ天の采配。天皇、王、華族貴族といばっても所詮は人間が、後付の知恵で男系がどうの女系がどうのといったって始まりません。男系にこだわるのは結局は意識の問題だけなのだから、ここで思い切って変えることで、国民意識もいい方向に変わってゆくかもしれません。女系継承を認める人はやはりそこまで考えてのことなのでしょうが。

とにかく、日本って国の根幹にかかわる重要な問題のはずなので、もう少し世の中のみんなが関心を持っても良いことなんじゃないかなと思います。

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December 01, 2005

死神の精度

accuracyofdeath.jpg伊坂幸太郎著、「死神の精度」を読んだ。その人間が本当に死ぬべきかどうか調査するために、人間界に派遣されて来る死神の話。それぞれの任務につき1週間しか人間界に滞在できない彼らの、6つの任務の短編集。それぞれが全く違うスタイルで描かれているのも面白いが、何より最大の魅力は、この「死神」のキャラクターだろう。そしてそのキャラクターを引き立てる伊坂氏のクールな文体。スタイリッシュな娯楽小説に仕上がってると思いました。ページ数は少なく、ちょっと読み易すぎる点が物足りないと言えば物足りないけども、肩の凝らない読書がしたい時に、とっても気持ちよく楽しめる一作。ラストは、文句なしに良い。良さのあまり、巨大なため息をつきながら脱力してしまった。

李歐

高村薫著、「李歐」を読んだ。

惚れたって言えよ―。美貌の殺し屋は言った。その名は李欧。平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、その日、運命に出会った。ともに二十二歳。しかし、二人が見た大陸の夢は遠く厳しく、十五年の月日が二つの魂をひきさいた。(「BOOK」データベースより)
liou.jpg男同士の運命の出会いを丁寧に描いた良作。これは面白い。もはや友情と呼べるレベルではないお互いへの執着。かといって性愛があるわけではないのだが、一つの約束のためにお互いを想い続ける様はやはり独特の妖しさがある。美しく破天荒で全てを思うがままに可能にする李歐に対して、主人公の吉田はあまりにも平凡な男。物語は彼の視点でのみ語られるので、プロットはいたって退屈なものだ。李歐の派手な活躍は、噂話で聞こえてくるだけなのだ。だけど、そんな吉田に、李歐ほどの男が固執しているということが、読み手にも変な高揚感を与えるんだと思う。クライマックス、約束の地で運命がもう一度出会うシーンは壮観。

ちなみにこの高村薫という作家、ちょっと前に少し話題になった女流作家なのだが、たびたび文庫化する際に大幅な改訂をするらしい。この作品も、「わが手に拳銃を」という作品を下書きに、ほぼ別の作品と言っていいほど書き直し、事実タイトルも変えて別の作品として出版した、というものらしい。読んだ人に言わせると、「わが手に拳銃を」を読んでからのほうが「李歐」を楽しめた、というからちょっと残念。他にも直木賞受賞作品さえも大幅に改訂して出版するなど、かなりのこだわりへの徹底振りを見せている。そういうスタンスは、なかなか好感がもてる。

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