舞城王太郎著、「世界は密室でできている」を読んだ。
十五歳の僕と十四歳にして名探偵のルンババは、家も隣の親友同士。中三の修学旅行で東京へ行った僕らは、風変わりな姉妹と知り合った。僕らの冒険はそこから始まる。地元の高校に進学し大学受験―そんな十代の折々に待ち受ける密室殺人事件の数々に、ルンババと僕は立ち向かう。

舞城ワールド2作目。今回はエンターテイメントまっすぐの爽快な青春モノ。密室事件が何度か起こって名探偵ルンババ12が解決するんだけど、これはあくまで話のアクセントでしかない様子。随所に繰り広げられる主人公二人のばかばかしいやり取りとかが非常に笑える。個人的に赤ん坊の泣き声が「フギャーイギッヒ」なのがツボ。で、プロットの大部分を占める事件たちはあまりにも狂っていて読者にトリックを予想することはほぼ不可能に近い。で、著者もそれをわかっているのかほとんどひっぱらずにルンババ12にあっさりそれを解かせてサクサク話を進める。結局、全ては冒頭とエンディングに凝縮されている主人公二人の愛と友情の物語だった。
旅行に行くバスの中で、同行した友人達がみんな寝てしまったのでその間に読んでいたのだが、クライマックスでは高速を走るバスの騒音とみんないびきの中、一人感動に鼻をすすっていた。
短時間で楽しめるエンターテイメントをお求めの方にはとってもお勧めです。
Posted by 344 at May 11, 2006 03:29 PM
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