Log No. 344

hegemonic dilenma

奥出研で美術鑑賞体験を豊かにするディバイス"Artbum"の研究・開発を行っているのだが、なかなか美術館側の人達にコンセプトを理解してもらえない現状がある。

美術館の世界の構造そのものに働きかけていかなくてはいけない、そんな風にチームの中でも方向性が定まってきたところで、こんなエントリーを見つけた。

Eulog:アートについてMAO先生との対話

Euri: 個人的に、アートの社会化について、いろんな立場の人と話させていただいたんですが、文化庁の方が「アートを盛り上げるために、著作権の保護を強化しました」とおっしゃっていて、それに対して、アーティストの側もアートマネジメントをやってらっしゃる側も、それで良いというような感じで、、情報のオープン化には抵抗が強いのかな?と。

(中略)

MAO:  著作権を隠れ蓑に 知財を新しい利権構造化しようとしている。文化庁だけじゃなく 複数の官庁で、すでに研究調査費という名目で多額の使途不明金が動き始めています。何とか関連の調査研究という名目で 外郭団体にお金が落ちるようになっている。

Euri:  知財分野では、確かに囲い込み傾向が強い気がしますね。

MAO:  アートの本質は情報操作による 価値の捏造ですから。

どうやら文化的なものだけじゃなくて利権が絡むこともある模様。

MAO:  アーチストを理解してあげるだけの度量が地域のコミュニティにあればいいですが。 Euri:  それをどうにか構築していけないかな、、と。地域密着型のNPOでマーケットの整備とかしているのは良い傾向でしょうか。 MAO:  そういうようなシステムで捉えるのではなくて 基本は人と人の信頼や共感じゃないかと。基本は人で システムではないような。

これは今回のフィールドワークや外部とのやり取りで痛感したこと。信頼関係こそ、なにを成し遂げるためにも最も重要なことかもしれない。そして一番注目したのが以下の発言。

MAO:  マネージメント言うよりも アーチストの活動の情報がさまざまな方法で流れるようなことの方が重要でしょう。そういう意味でブログ フォトブログなどは感心がある。というかブログ的な情報革命は何を壊すかというと、専門家によって囲い込まれていた権威だと思うのです。

この人はブログについて言及しているわけだけれども、実現させようとしている状況はまさにアトバムプロジェクトが目指すところ。アトバムが、美術という共有財産を新たな形で人々に届ける、そんなプロダクトになればいいと思う。

Posted by 344 at February 03, 2004 03:32 PM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

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