Log No. 344

miyazaki, our spokesman -"Kotoba Log"

「マニュアルだらけの時代である。ビジネスマンになるにも、つっぱりになるにも、マンガ家や将棋指しになるにも、マニュアルが用意されている。針路を決めたとたん、手引書に従ってコース通りに務めなければならない。
 それがいやさに、針路を決めずに時間をかせぐと、結局どの辺に収まるかというマニュアルも出来ちまっている。
 ぼくの前に道はない。自分は荒野に歩み出すのだと、一寸前の詩人は戦慄と気負いをこめて語った。自分達凡俗も、その言葉にそれなりの意気を感じた時代に比べて、今はなんと生きにくいのであろう。
 ぼくの前には広い舗装道路が、それも大渋滞した道路しかない。横丁に踏み込んでも、そこにはタウンマップにとっくに登録済みの看板と店だらけ。立ちどまれば後から押され、こずかれ、ズルズル進んでしまう。損のないよう決められた道を進むしかない、そう感じている若者がなんと多いのだろう。」

宮崎駿

Posted by 344 at March 08, 2004 02:17 PM | コメント (2) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

この記事に対するコメント

ストンと落ちてくる感じです。さてどこに行こうかなあと。

Posted by: nobu at March 8, 2004 02:41 PM

nobuさん>blog拝見致しました。刺激的ですね。
宮崎監督はこの発言の中で、こんなことも言ってました。
「自分の脚で立とう。習った言葉でなく、自分の心を表す自分の言葉を探そう。そうすれば、大渋滞の舗装道路の中にあっても、荒野を前にして立つ戦慄と熱き想いがあるのだ」nobuさんの将来に幸あれ。

Posted by: miyoshi at March 9, 2004 01:53 PM

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