Log No. 344

植林トリップ 内蒙古 五日目

五日目:カンチカ→大青溝自然保護区→クリンキ→地獄の沙漠→烏雲の森

カンチカを離れて、「烏雲(ウユン)の森」へ向かう。烏雲(ウユン、日本名:立花珠美)先生という、モンゴル族と漢族の両親に育てられた残留孤児の方が植林NGOと共に活動していた場所だ。烏雲先生の半生はNHKのドラマにもなったらしい。(大草原に還る日)
カンチカから烏雲の森に向かう途中で、大青溝という自然公園のような地区に寄った。何十年も前から放牧等から保護されてきたというだけで、周りの沙漠とは似ても似つかないほど緑に溢れた秘境のような場所だった。ここでしか採れない薬草なんかも沢山あるらしい。けど今回僕らが見たところは観光地化していて、なんだか秘境というには味気ないものだった。
大青溝を後にして、クリンキという町で昼食。昼食後、近くの博物館を見てくるといい、と言われて、その場所に行ってみるが、そこには廃墟と見間違えそうな手入れのされていない寺院があるのみ。ガイドさんに「ここがほんとに博物館なんですか?」と聞くと、そうです、という。でも中には仏像が少しあるだけで、博物館らしいものはない。ってか普通にお参りに来てる人もいるし。明らかに博物館ではない。で、ガイドさんも皆に問い詰められて、一々博物館といってもこの辺なんかではこういうもんなんです、とか言っているのだが、どうも本人も疑ってるように見えたので問い詰めると、やっぱ違うかもしれない、なんて言い出す。自元の人に尋ねると全然博物館なんかではないよ、とのこと。博物館と呼べなくも無い代物は現在工事中とか。というわけで、町自体も小さく人々が細々と生活してるだけで、見るものは特にないようだった。本当はその人々の生活ってのを覗きに色々歩き回りたかったのだが、このツアーではそういう予定にない場所への個人行動は制限されている。こういうのがツアーの本当に不便なところ。たぶんもうツアーという形式には参加しないと思う。
そこからさらに移動し、途中「地獄の沙漠」と呼ばれている、物凄い流動砂漠の丘陵地帯にも立ち寄った。ここは他の沙漠地帯と違い、木や草が所々に生えていたりはしない、ほぼ完全な砂沙漠だった。数十メートルの砂丘の上に登って、周りを見渡すと、地平線まで続く沙漠や、小さな町や集落が見えたりした。ちょっとそこで遊んでから、烏雲の森へ。
烏雲の森周辺は最近まで国の特別指定の地区で、外国人は立入禁止だったそうだ。要は、あまりにも貧困が酷すぎて、外国には見せられない、ということだったらしい。しかし近年の緑化の努力によって、住民の年収が倍増(緑が増えると家畜をより養うことができる)し、国家指定から外れることができたそうだ。
日本人NGOメンバーたちが寝泊りするパオが数軒並ぶ土地に土地についた。僕らが寝泊りする宿舎もそこにある。青空トイレが結構気持いい。
パオの中で、再びNGO会長によるセミナーを聞いた。壁には、
「草原甘露哺育我、我為草原捧生涯」
という、烏雲先生の言葉が掲げてあった。草原のあまつゆが私を育て、私は草原の為に生涯を捧げる。烏雲先生も、その人柄も功績も良くは知らなかったが、僕が感激し、感銘を受けるには十分な力を持った詩だった。
夜はここに来て初めて飲み会らしい飲み会をやり、夜中まで大いにはしゃいだ。天体観測も試みたけど、あいにく曇り空で、見られると聞いて楽しみにしていた天の川は見ることができなかった。
夜中、ルームメイトで、もう一人の学生のY君が寝ゲロして大変だった。

Posted by 344 at June 10, 2004 12:11 AM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

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