Log No. 344

JSA "Joint Security Area"

韓国映画、「JSA」を観た。

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北朝鮮と韓国を分ける38度線、南北双方の行政管轄外に置かれている特殊な区域、「共同警備区域」を舞台にした悲劇。

11発の銃声、2つの死体。現場に残っていたのは10発の弾丸、現場に居合わせた南北の兵士2人。黒澤明の「羅生門」のように証言が食い違う。そして消えた1発の弾丸の行方。サスペンスとして観ても引き込む導入。女性捜査官がお互いの証言の矛盾に気づき、真相に近づいていく。そこには、南北の運命に翻弄される悲しい友情の物語が、っていう話。

北朝鮮と韓国の間の軋轢に関してほとんど何も知らないけれど、この両国が抱える問題の深さ、悲しさを垣間見ることができるという意味だけでも、この映画は観る価値がある。「シュリ」でも南北の断裂が生んだ悲劇を描いていたけれど、シュリとは全く違うアプローチで問題を捉えようとしたこの作品では、兵役に着いている人たちにすればありえないかもしれないけれど、一般的な感覚では十分ありえそうな、感情移入の比較的容易な設定を持ってきたおかげで観るものにとってはよりリアルに感じられるのではないだろうか。

映画自体も、プロット、映像、編集、演技、全て一級だったように思う。唯一残念だったのが、英語を話すスイス人役の人物が全く演技できてなかったことか。日本映画でもよくあるけど、外国語を話す場面だと演技できてるのかどうかどうでもよくなってしまうのか、適当な役者や適当な演技で満足している部分があるように思う。他の役者の名演の中で、こういう三流の役者が混じっていると、演技じみた演技に一気に作品世界から引かされてしまう。些細なことだけど、惜しいだけに気になってしまいました。

Posted by 344 at August 17, 2004 07:28 PM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

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