Log No. 344

Goodbye Lenin

goodbyelenin.jpgドイツ映画、グッバイレーニンを観た。内容は、ドイツが東西に分かれていた時代、生粋の社会主義者の母と革命思想の息子の話。熱心な社会主義教育者であった母はある日革命運動に参加している息子の姿を見て失神。その時のショックだか頭を打ったかで、母は昏睡状態に陥る。そして母は眠り続け、その間にベルリンの壁が崩壊し、ドイツは統一、社会主義東ドイツは滅びた。そして、しばらく後に母が目覚めるが、不安定な状態で、ショックを与えれば死んでしまうと宣告される。息子は、母を守るために、寝たきりの母の部屋とそのわずか周辺だけに、東ドイツを再現させる。母に何度も統一されたドイツがばれそうになるのを、息子があの手この手で必死に取り繕うどたばた劇。

この映画の面白いところは、未だに東ドイツにいるのだと母を騙すために、ニュース番組をでっちあげるところ。映像編集マニアの友人の助けを借りながら、古いニュース映像を切り貼りして東側らしいニュース映像を母に見せる。コカコーラの看板を見られ、いぶかしむ母を騙すために、コカコーラは西側が真似した、実は昔から東側にあった社会主義の飲み物だったというニュースを作る、など。しかし、次第に新たなニュースを加えたり、ばれそうになった嘘を取り繕うのに都合のよいニュースを作り始めるうちに、ニュースの中の世の中は、まさに息子が理想とする東ドイツのあり方に変化していく。母は見事にそのニュース映像の意図したとおりの反応を示していく。しかし、これは母がぼけかけているとか、とぼけた人だから、ではない。メディアが本来持つ威力を示しているのだと思う。この映画のメッセージの一つに、世界を作り上げているのはマスメディアであるという風刺が込められている。まさにその恐ろしさを見せ付けられる思いだった。

お話自体も少しほろりとくる暖かいものだし、人に勧めたくなる映画です。

Posted by 344 at November 30, 2004 11:49 AM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

この記事に対するコメント


コメントを投稿する










名前やメールアドレスを保存しますか?








この記事のトラックバックURL


この記事に対するトラックバック



Made with dreamweaverMade with fireworksPowered by Movable Type 2.661Powered by Wandering Wind