クエンティン・タランティーノ監督作品、「キル・ビル vol.1」を観た。
主演:ユマ・サーマン
これは凄い。感動的なほどのイカレバカ映画だった。もうホントバカ。このバカさに笑えるかどうかで賛否が分かれるとこなんだろう。
映画マニアなら楽しめるというか、日本のC級映画マニアじゃないと分からないネタが多すぎる。その一部を紹介。(ストーリーには触れてないのでご安心を)
・まず深作欣二に捧ぐ、と出てくるところ。そこから連想するとおり任侠の世界が待っている。
・深作繋がりでは、キルビルと言えばあの音楽、と言えば多分分かる、トレーラー等にも使われていた布袋寅泰作曲の「新・仁義なき戦い」のテーマ。
・タイガーマスク等の時代のアニメを彷彿とさせるオーレンイシイ(石井お蓮?)の少女時代。しかもこれ、スタッフロールで、製作「プロダクションI.G」(押井守のイノセンスを製作したとこ)とあったからびっくり。さらにメイキング映像に出てきたんだけど、キャラクターデザインが田島昭宇(漫画、MADARAや、多重人格探偵サイコを書いてる人)というのでさらにびっくり。このこだわりようが凄い。
・子連れ狼みたいにバッサリ斬って血が吹き出る。
・なんか少年ナイフを彷彿とさせるバンドが出てきた。
・劇中演歌が流れる。スタッフロールでも流れる。その「恨み節」という曲は、修羅雪姫という復讐劇のテーマ曲だったとか。見てないけど内容は知ってる。原作は漫画で、子連れ狼書いた人。あらすじを改めて見ると、オーレンの人物自体が修羅雪姫のオマージュみたいだ。
・途中凄くタイムリーなことに「リリィシュシュ」の歌が使われていた。
あと他にも色んな映画から、香港映画やメキシコ映画なんかからも取ってるらしい。
メインのターゲットであるアメリカ人の九割九分九厘が面白さの大部分を理解できないのでは。そういう自分も元ネタのほとんどを知らないわけで、その意味で全く楽しめていない部類なのかもしれないけど。
けど、単なるオマージュの切り集めというには上手すぎる繋ぎ。映像も綺麗だし、オマージュのシーンも、元ネタを知らなくても笑いを誘えるほどの極端さとバカバカしさ。
個人的にこの作品ではオーレン演じるルーシー・リューがかなり良かった。これまでのイメージからか、日本語を喋るリューを観ているだけで感動がある。しかもサーマンと比べて際立って発音上手いし。サーマンが中国やヨーロッパの剣術っぽい動きをするのに対して、リューがかなり伝統的な殺陣をやってのけていたのも感心した。
雪の上で着物のリューが刀を構えるシーンなんて美しすぎる(どうしてもこれをやりたかったんだろうな、タランティーノ・・)。ラストのシーンにはコメディ出身だったことを思わず思いださせられたけど。
とにかくこのバカさにかなりスカッとさせてもらったので、この映画にはかなり満足しています。vol.2も楽しみ。
最後にネット上で拾った日本版キルビルポスターを。
僕は邦題作るなら、「斬るビル」かと思ってたけど、これ↑のほうが秀逸ですな。
Posted by 344 at July 15, 2004 11:38 PM | コメント (0) | トラックバック (1) | Clip!! | Edit
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