Log No. 344

化粧師

化粧師 -KEWAISHI-」を観た。
出演:椎名桔平 、菅野美穂 、池脇千鶴
監督:田中光敏

kewaishi.jpg

素晴らしい。キャストを見て微妙かな、と少し思ったけれど、期待を裏切らなかった。椎名桔平の演技好きかもしれない。菅野美穂も相当微妙な役所をよくぞここまで、というくらい好演している。

展開は王道だけど、物語を引っ張るのが化粧によって女性の心を開く寡黙な化粧師(けわいし)というところが斬新で、何より映像がとても綺麗。大正の町並みと人々の衣装の色鮮やかなこと。

しかしこの物語のベースとして否応無く存在し、男である自分には奇妙に印象に残るのが、本能にも近い、女性の持つ美への憧れ。この映画を見る限り、それはほぼ普遍的な価値に思えてくる。なんなんだろうこの強い感情は。その憧れへ向かって少しだけ背中を押す化粧師。その感情を想像しながら物語を追う。ところどころ少々その心境の変化は強引じゃね?という部分もあるけど許せる範囲ではないかと。

いつのまにかこの大正の世界に引き込まれて、泣かされてしまう。

日本もいい映画あるなぁ、と思わせる一作。

ちなみに。エンドロールで知った、原作は石ノ森章太郎。長編漫画を映画化したのだった。どおりで途中強引な展開があったわけですね。

Posted by 344 at July 29, 2004 12:46 AM | コメント (2) | トラックバック (1) | Clip!! | Edit

この記事に対するコメント

トラックバックどうもです(^^)。

> 長編漫画を映画化したのだった。どおりで途中強引な展開があったわけですね。

原作は1話読みきり形式。時代設定も違うし、ストーリーは映画オリジナルだと思います。

Posted by: れん at July 30, 2004 06:25 PM

コメントありがとうございます!読み切り形式なのは調べて知りました。映画の中でもそうですが、短いエピソードがいくつも重なっていってますよね。れんさんも触れておられましたが、カットも石ノ森漫画を意識しているようなので、これも原作の1話読み切りのスタイルを取り入れたものでしょう、それを2時間にまとめたので「強引な展開」(岸本加代子が心を開くシーン等)になったんだな、ということを言おうとしました。時代設定が大正になっているのは、この映画の中で菅野美穂と池脇千鶴に対照的に見られる「女性の自立」というものを描きたかったため、江戸から近代の大正に変えたのでは、と思っています。いつか原作も読んでみたいです。

Posted by: miyoshi at July 30, 2004 09:14 PM

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» 化粧師 KEWAISHI(映画の話)

ついでに借りてきた『化粧師』を鑑賞。原作は石森章太郎、主演は椎名桔平、池脇千鶴
Tracked by: CNL at July 30, 2004 06:27 PM


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