「化粧師 -KEWAISHI-」を観た。
出演:椎名桔平 、菅野美穂 、池脇千鶴
監督:田中光敏
素晴らしい。キャストを見て微妙かな、と少し思ったけれど、期待を裏切らなかった。椎名桔平の演技好きかもしれない。菅野美穂も相当微妙な役所をよくぞここまで、というくらい好演している。
展開は王道だけど、物語を引っ張るのが化粧によって女性の心を開く寡黙な化粧師(けわいし)というところが斬新で、何より映像がとても綺麗。大正の町並みと人々の衣装の色鮮やかなこと。
しかしこの物語のベースとして否応無く存在し、男である自分には奇妙に印象に残るのが、本能にも近い、女性の持つ美への憧れ。この映画を見る限り、それはほぼ普遍的な価値に思えてくる。なんなんだろうこの強い感情は。その憧れへ向かって少しだけ背中を押す化粧師。その感情を想像しながら物語を追う。ところどころ少々その心境の変化は強引じゃね?という部分もあるけど許せる範囲ではないかと。
いつのまにかこの大正の世界に引き込まれて、泣かされてしまう。
日本もいい映画あるなぁ、と思わせる一作。
ちなみに。エンドロールで知った、原作は石ノ森章太郎。長編漫画を映画化したのだった。どおりで途中強引な展開があったわけですね。
Posted by 344 at July 29, 2004 12:46 AM | コメント (2) | トラックバック (1) | Clip!! | Edit
この記事に対するコメント