Log No. 344

真夜中の五分前

mayonaka.jpeg本多孝好著、「真夜中の五分前 Side-A」を読んだ。ちょっと時間短縮のためAmazon.co.jpからあらすじを拝借。

----- 小さな広告代理店に勤める僕は、大学生の頃に恋人・水穂を交通事故で失い、以来きちんとした恋愛が出来ないでいる。死んだ彼女は、常に時計を五分遅らせる癖があり、それに慣れていた僕は、今もなんとなく五分遅れの時計を使っていた。最近別れた彼女から、「あなたは五分ぶん狂っている」と言われたように、僕は社会や他人と、少しだけずれて生きているようだ。
 そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。「かすみ」と「ゆかり」は、子供の頃、親を騙すためによく入れ替わって遊んでいた。しかし、それを続けるうち、互いに互いの区別がつかなくなってしまったという。
 かすみは、双子であるが故の悩みと失恋の痛手を抱えてていることを、僕に打ち明ける。
 そんな「かすみ」を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋めあうように、僕とかすみは次第に親密になっていく――。-----

ちょっとこのあらすじ、ネタバレが過ぎる気がするんだけど、ストーリーよりも文章が面白いのでいいのかもしれない。そう、この作品、プロットでもうわ、っと驚く部分が数箇所あるんだけど、それよりも独特の文体で、非常に読ませる。たまーに妙に文章や登場人物で遊んでいる感があって、それがまた笑わせる。全体的にコメディ色なんてまったくなくて、始終シリアスな空気というか、なんだか澱んだ雰囲気を感じさせる話なのに。登場人物の会話がリアルなのかもしれない。主人公は結構暗い男だけど、ウィットというものを解する男だ。こいつの台詞がいちいち気が利いてて面白かった。最後も結構感動的でした。

読み終わって、ネット上で他の人はどう評価しているのかサーフしてみたら、なんと対になる「Side-B」があるという。そういえば「Side-A」って書いてある。気にもとめてなかった。これを貸してくれた人は「Side-B」持ってるだろうか・・・
続きというより、裏話、のような感じと言ってる人もいたので、売り方として、「冷静と情熱のあいだ」のようなものなんだろうか。こういう売り方に特徴がある作品は、プレゼントとかにし易いかも。僕の「冷静と情熱のあいだ」も友人(shunrin)からのプレゼントだし。

これ、凄く影響を受けたとか泣いたとか、そういうインパクトは無いんだけど、凄く楽しめた作品だったんです。だから次が早く読みたい。

Posted by 344 at October 17, 2005 03:46 PM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

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