Log No. 344

母校チーム、一年の終わり。ある後輩への思い入れ。

今年も全日本大会が終わり、母校の空手チームの一年が終わった。
かなり強いチームだったんだけど、今年も全日本で結果を残すことができなかったようだ。非常に残念。

だけど。公式サイトにアップされる戦績を見ていただけだけど。一人の選手の成長をその戦績から見てとることができて、目頭が熱くなってしまった。チームで勝ってこそ喜ぶべきなのに、その一人の選手の戦績に抑えがたい喜びを感じてしまった。以下はその彼への超個人的な思い入れである。

僕が高校3年の頃、高校1年の彼が入部してきた。強くなってほしくて毎日筋トレに連れ出した。
彼が大学に進学してきたとき、騙すように彼を大学空手部の輪に放り込んだ。
僕が部を離れ、数年ぶりに道場の練習に復帰した際、「先輩、そこはこうしたほうがいいです」と空手の技術について指摘された。驚きと多少の悔しさと、変な嬉しさがあった。

いつか気づくと、彼は立派な形の選手になっていた。形の強豪校と互角に渡り合うほどの。
そしてしまいには、そんな彼が組手の舞台でも一線で活躍する選手へと成長してくれたのである。

僕らが空手を習ったNY高には、試合が無かった。素晴らしい指導者には恵まれていたが、試合制度については、僕らは何も知らなかった。大学に入って、初めてその世界に入る。試合に関しては、形も組手も、大学で一からやるのだ。

周りは小さい頃から試合に揉まれてきたツワモノも多く、団体戦に出場できる5名に選ばれるのは並大抵のことではない。出られる奴は1年の頃から出られるし、出られない奴は4年間血を吐くような努力を続けても出られない厳しい世界。この伝統ある部の中で、NY高出身の選手が大きな大会でその舞台に立つところを見たことが無い。

けど、今回の全日本大会の試合結果に、彼の名前があったのだ!しかも個人的な結果は鮮やかな勝利だったと言う。全日本だけでなく、早慶戦でも、関慶戦でも、見事な勝利を飾ったようで、それがまぐれではなかったと思わせる。四年間続けてくれただけでも本当に嬉しかったというのに、この記事を読んだ時の僕の感動は推して知るべしである。是非直にその姿を見たかった。彼も今年で引退、あれほどの舞台で彼の試合を見ることはもうこの先無いだろう。今年一年間中国で活動しているが、これほど日本を離れてしまって悔しいと思ったことは無い。

でもとにかく、本当に彼の成長が自分のことのように嬉しかったのです。

しかし全日本でチームの負けが決定する瞬間=4年間の集大成が終わる瞬間のあの何ともいえない辛さは当然皆味わうことになったわけで、そもそも裏方も応援している選手も含めて誇るべきなチームであり、一人の部員を贔屓にするなんて時点でおかしいのだから、僕がこんなことを書くのは相当不謹慎なんだろう。もちろん全日本と関慶戦での敗退は本当に悔しい。だけど、彼について喜ばしいと思ったことも事実で、どうしてもそれを書かずにはいられなかったのです。部の関係者にこのエントリーを読まれないことを祈るのみです・・・

とにかく、今週でこの代も引退。お疲れ様でした。次期主将(僕が現役4年の頃の1年か・・・)とそのチームに、来年こそ悲願を達成できるよう、中国からエールを送りつづけていきたいと思います。

Posted by 344 at November 25, 2005 07:26 PM | コメント (2) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

この記事に対するコメント

初めまして。色々サーフしてココに来たのですが344さんの熱い思いに感動しました!知らない世界ながらもすごく引き込まれてしまって私も読んでて涙しそうでした。私も陰ながら応援させていただきます!

Posted by: Eureka at December 6, 2005 05:59 PM

Eurekaさん>コメントありがとうございます。読み返すとかなり照れくさい内容ですが、そう言って頂けると嬉しいです。彼らへの応援、ありがとうございます!

Posted by: miyoshi at December 7, 2005 10:18 AM

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