高村薫著、「李歐」を読んだ。
惚れたって言えよ―。美貌の殺し屋は言った。その名は李欧。平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、その日、運命に出会った。ともに二十二歳。しかし、二人が見た大陸の夢は遠く厳しく、十五年の月日が二つの魂をひきさいた。(「BOOK」データベースより)

ちなみにこの高村薫という作家、ちょっと前に少し話題になった女流作家なのだが、たびたび文庫化する際に大幅な改訂をするらしい。この作品も、「わが手に拳銃を」という作品を下書きに、ほぼ別の作品と言っていいほど書き直し、事実タイトルも変えて別の作品として出版した、というものらしい。読んだ人に言わせると、「わが手に拳銃を」を読んでからのほうが「李歐」を楽しめた、というからちょっと残念。他にも直木賞受賞作品さえも大幅に改訂して出版するなど、かなりのこだわりへの徹底振りを見せている。そういうスタンスは、なかなか好感がもてる。
Posted by 344 at December 01, 2005 03:07 PM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit
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