Log No. 344

パーク・ライフ

吉田修一著、「パーク・ライフ」を読んだ。

停車してしまった日比谷線の中で、間違って話しかけた見知らぬ女性。知り合いのふりをしてくれた彼女は同じ駅で降り…。東京のド真ん中「日比谷公園」を舞台に男と女の「今」をリアルに描く、第127回芥川賞受賞作。 -「MARC」データベースより

parklife.jpg芥川賞受賞作ということで手にとって読んでみた。これまでに読んだ芥川賞受賞作に比べるといくらかおとなしい印象を受けるが、これはこれで非常に面白い。日常を淡々と描く作品なので退屈に思う人には退屈なんだろうけど、僕はこの手の小説が大好きだ。文章も綺麗で、風景の描写、微妙な距離感を保った人物同士の機微などが繊細に、丁寧に描かれている。本も薄くて、さらに短編が2本しか入っていないのであっという間に読み終えてしまうが、読み応えのある一冊。表題作も良いが、合わせて収録されている「flower」もかなり良い。導入部は引き込む書き出しだし、受けを狙ってると思えないシーンでも何故かどうしようもなく可笑しかったり、この著者の作風に非常に好感が持てる。「東京湾系」というドラマにもなった恋愛小説も書いているそうだが、この人の作品は他にもちょっと手を出してみたい。

Posted by 344 at December 04, 2005 03:31 PM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

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