Log No. 344

北朝鮮を「見て」きた

週末を利用して、遼寧省丹東市へ小旅行に行ってきた。丹東は北朝鮮と国境を接する辺境の街。北朝鮮を一目見られれば、という目的の旅というわけです。北朝鮮にはそのうち行ってみようと思っているんだけど、大連から近くてわりと気軽に行けるところだったので、とりあえず行ってみました。

メンバーは僕の他に4人の日本人友達(たにひろば、カール、ヒメげ、ゆめこ)。うち一人は、参加者の一人によるマヌケな集合時間の伝達ミスでバスに乗り遅れたので数時間遅れて別のバスで現地合流。そういう僕も出発時間1分過ぎにバス停について危うく置いていかれるところだったのだけど。丹東までは高速バス(75元)で3時間半。バスの中ではビデオ撮影して遊んだり、IQサプリの本で遊んだり、皆が寝てしまってからは読書したり。この時間だけで舞城王太郎の「世界は密室でできている。」を読了。

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到着してからは、5人目が到着するまで丹東の街をぶらぶら歩く。丹東の町並みは大連よりも落ち着いていて、どこか長閑な感じ。大連と違って自転車に乗っている人も多い。そのうちただ歩くのにも飽きてきて、じゃんけんで勝った人が歩く方角を決め、負けた人が全員分の荷物を持つことに。リーダー格のお兄さんがDVDカメラ片手に本当におもしろくて、皆終始笑いっぱなし。

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気がつくと川辺についていて、道を行く婆さんに聞けば対岸が北朝鮮だという。川の向こう、川幅は200メートルほどだっただろうか、そこにあの北朝鮮があるということに不思議な感慨を覚えた。しばらく川沿いを(4人分の荷物と共に)歩いたりして、5人目と合流。合流後は北朝鮮側の岸へと接近する遊覧船に乗り込んだ。遊覧船は戦時中にアメリカ空軍によって落とされたという橋の下をくぐり、北朝鮮の岸辺約20メートルの距離まで接近した。見るだけ、なんてたいしたことないと思っていたが、思いのほか胸が鳴った。途中、岸辺にいた女の子が手を振ってくれた。それにぶんぶん手を振って応えると、連れ添っていた母親(祖母?)と思われる女性も笑ってくれた。

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岸には多くの船が止まっていて、丹東側と違い船籍を示す文字は全てハングル文字。荷降ろしのような作業をしている集団もいた。人々の視線がこちらに集まる。遊覧船で暢気に見物にやってくる外国人の一行は、それは文字通り「見物」以外の何ものでもないのだから、彼らにとってはひどく不愉快な存在だろう。分かってはいるけども、船上の青年の一人がこちらに向かって何か石のようなモノを投げた時には胸が痛んだ。

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そのときのおみやげの北朝鮮の紙幣。100ウォン紙幣は若き日の金日成(キムイルソンとタイプしたら一発で変換された!)。貨幣価値は物価を基準に推定すると大体1ウォン1円くらいらしい。だけども、それはおそらく外国人専用レートで、実際の価値は下記リンクにあるようにそれよりずっと低いようだけど。(参考:私設 朝鮮民主主義人民共和国研究室)切手も買った。普通の切手は、西洋の名画や有名な景色なんかが多いようだったけど、記念切手の中には小泉首相との初めての会談の写真など面白いモノもあった。夕食は北朝鮮料理店で犬鍋やプルコギを食す。ヒメげが朝鮮語で店員とやり取りしてて凄かった。僕は「キムチジュセヨ!」と「マシソヨ〜」だけ。夜は川の近くの安ホテルに泊まる。エコノミーの部屋で一人35元。なかなか綺麗で悪くなかった。ドギーバッグに包んでもらった残りものと、その辺のデリーで買ったお酒で酒盛りを始めたはいいが、いつものことながら僕は1時間程度でダウン。残りの人々は夜明け近くまで飲んでいた。

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翌日は快晴。丹東まで伸びているという万里の頂上の東端に向かう。当然ここでもじゃんけんと荷物持ち。そして当然のように負ける。この階段を、この坂を、5人分の荷物をからって越えましたよ・・・女性陣は荷物を押し付けられてはかなわんと踏んだか、さっさと先にいってしまわれた。人間の薄情さを学んだ日。男の子達は一緒に歩いてってくれたんだけどね。とにかく風の気持ちいい日でよかった。

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そして丹東駅から、帰りのバスへ。写真は毛沢東さん@丹東駅。帰りは、高速バスが売り切れていたので、20元しか違わないのに時間は倍かかる鈍行バスで。しかも席も狭くてゆれる。どういうわけか丹東から大連までの道のりをほぼ全て下の道で行く。まともに舗装されていない区間も多く、とにかく揺れる。市街地を出て、最後に大連開発区に入るまで、途中信号は1個か2個しかなかったのに6時間半かかった。大連到着後は、旅行メンバープラス大連に居残りの友人も4人合流してみんなで火鍋。カールの帰国送別会をした。

最初から最後まで笑いっぱなしの旅行。一人旅も一人旅のよさがあるけど、やっぱり旅は大勢のほうが楽しいね。たにひろば氏、旅行記DVD、楽しみにしております。

Posted by 344 at April 04, 2006 12:53 PM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

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