Log No. 344

Missing

missing.jpg本多孝好著、「Missing」を読んだ。いずれも死を題材にした短編が5作収録されている。もうずーっと前から、渋谷Q−Frontにあるツタヤの上の本屋で、「当店最大のおすすめ!」みたいに並べられてて、そのおかげで結構気になっていた。この前の一時帰国でも、相変わらず同じようにお勧めされていたので、買ってみた。で、読んだ感想は、「普通」だった。いや、とても面白いんだけど、普通に「とても面白い」というか。でも、あんだけ沢山面白そうな本を抱えてる本屋であれが特別、ってことは絶対ないと思った。あれを書いた店員はよっぽど本を読んでない人なんでは、とまで思ってしまった。人それぞれだとは思うんだけど、この程度の本に最大の売り文句をつけるってのは販促上どうなんだろうなぁ、と。

作品は、5つのうちいくつかにはとっても胸に何か残るものがあるいいのもあるんです。僕は最初と最後以外の3作は、短編として楽しめたし、読後の余韻にも満足感を持って浸ることができた。文章もウィットを利かせようとしてたり、流行のスタイルは抑えている感じ。ただ、死を描いたり、その死との関わりを描くのならともかく、物語の進行上の都合のため人を死なせるのはつまらないと思った。「当の本人は死んでいるので聞くことができない」とかこういうのばっかりだ。前に「真夜中の五分前」という彼の作品を読んだけど、あれも今思うと相当ヒドイ(Side−Bのほう)。実はもう一冊この人の小説を買ってきてあるんだけど、なんだかもう読む気がしなくなってきた・・・

まぁでもその点を除けば楽しめた一冊であることはちゃんと書いておかないとね。

Posted by 344 at January 21, 2006 12:13 AM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!! | Edit

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